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8年目でも色褪せぬ和製プレミアム・セダン──新型レクサスIS300h“version L”試乗記

掲載 更新 11
8年目でも色褪せぬ和製プレミアム・セダン──新型レクサスIS300h“version L”試乗記

ビッグマイナーチェンジを受けたレクサス「IS」のハイブリッド・モデル「IS300h」に小川フミオが試乗した。

よく出来たセダン

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幸せだなぁ、と、思うのは、好きになれるクルマに乗ったときだ。最近では、レクサス「IS300h」がよかった。車型はオーソドクスなセダンであるものの、スタイリングは大きなエアダム一体型バンパーなどけっこうスポーティ。操縦すると、外観の印象を裏切らない仕上がり。運転が好きなひとに勧めたい。

2013年に登場した現行ISはそもそも、レクサスの自信作という印象が強い。2020年11月5日に、現在のモデルへビッグマイナーチェンジを受けたとき、チーフエンジニアが、出来について胸を張っていた記憶が鮮烈だ。

「レクサスのコンパクトRWD(後輪駆動)スポーツセダンとして、上質な乗り心地でありながら高い車両コントロール性を備え、長く乗れば乗るほど操る楽しさなどの新しい発見や、作り手の想いを感じていただけるクルマを目指しました」

上記はレクサスのプレスリリース内の文言。最初に乗ったとき、ステアリング・ホイールを切ったときの車体の応答性のよさに感銘を受けた。そして、2021年10月に乗った2.5リッター直列4気筒ガソリン・エンジンにモーターを組み合わせたハイブリッド・モデル「IS300h“version L”」で、あらためてISの楽しさに感心したのだ

IS300hのよさは、開発者のねらいどおり、ドライバーと車両の一体感を感じられる操縦性にある。たとえば、高速道路でレーンチェンジするとき、あるいは、街中で角を曲がるとき。日常生活において、“自分の足”で動いているみたいな感覚をおぼえるんじゃないかと思う。

視線が向いたほうに、クルマがぴたっと向きを変えていく。クルマに振りまわされるのではなく、自分の足にあったスポーツ・シューズの感覚をもつコンパクトサイズのセダン。アルファロメオの「ジュリア」にもそんなよさがある。レクサスISはより多くのひとが違和感なく乗れるように、少し角が丸めてあるものの、やっぱり、いいなぁと思う。

その理由は、緻密な設計と、各所のチューニングにあるようだ。ひとつ例をあげると、ロードホイールとそれを固定するホイールハブとの締結の方法。ハブにネジが切ってある、いわゆるハブボルト締結を採用しているのだ。

多くのクルマは、ナットとボルトでもってロードホイールをホイールハブに組み付ける。ハブボルト締結は、BMWやポルシェも採用していて、理由は取り付け剛性のアップ。ひいてはハンドリングに好影響をもたらす。

もうひとつ、ISで感心させられる点がある。いわゆる”中間領域”でのコントロール性の高さだ。「ステアリングやペダルの初期応答だけでなく、“戻す”ときのコントロール性の向上にも取り組むことで一連の運転操作をより滑らかなものとしました」というようなことが、このクルマの試乗会で強調されていた。

事実、このあと発表された改良版のレクサス「ES」でも、おなじような操縦性を感じた。

トヨタ車でも、新型「アクア」には”戻す”ときのコントロール性のよさを感じた。

イタリアのスポーツカーを思い出したインテリア

ハイブリッドのパワーユニットは、うまく連繋がとれている。発進加速のスムーズさといい、高速道路での中間加速といい、もたつくかんじは皆無だ。従来とくらべ、アクセル開度に対するエンジンとモーターの駆動力制御法を変更して、ドライバーの操作に対してリニアなレスポンスの実現を目指したとされる。うなずけるフィーリングだ。

全長は4710mm、ホイールベースは2800mmのISの室内はものすごく広いというわけでもなく、かといって、窮屈でもない。運転席の印象は、適度なタイト感だ。センターコンソールの幅を広くとって、意図的にドライバーをきゅっと締め付けるようなスポーツカー的レイアウトにしているせいだろう。

この雰囲気も、ドライブを積極的に楽しめるISに合っているように思える。

試乗したモデルは、ちょっとぜいたくな“version L”。ダッシュボードもドア内ばりもシートと同系色のオーカー(黄土色)で、ちょっとイタリアのスポーツカーを思わせる仕上げが良い。

通常、異なる素材で色をおなじにするのは、たいへんな作業だ。ドイツ車ではそれをブラックで統一し、質感を出している。このISでは、あえてオーカーを選んでいるのだ。レザーやさまざまな合成樹脂を使いながら、色のマッチングがうまくできている。あえて大変なことをやっているんだなぁと、感心した。そこに高級さを感じ取れるひとが、ISに、いやレクサスに乗るのだろう。

SUVでもハッチバックでもクーペでもなく、やっぱりセダンが好きというひとは、IS300hに、けっして失望しないのではないか。

価格は、ベースモデルで526万円、スポーティな“F SPORT”が580万円、そして今回の贅沢仕様である“version L”が600万円だ。

文・小川フミオ 写真・安井宏充(Weekend.)

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みんなのコメント

11件
  • 今年米国では75台しか売れなかったGSを買おうぜ!

    日本国民ならトヨタを応援しよう📣
  • 殆どの方には色褪せすぎて元の色がわからんでしょう。

    トヨタ製の2004年ベースで散々色んな車種で使い倒された

    大衆車向け低コストのふにゃふにゃシャーシですから。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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