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最高のラグジュアリーSUV ランドローバー・レンジローバーへ試乗 6代目へ一新 前編

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最高のラグジュアリーSUV ランドローバー・レンジローバーへ試乗 6代目へ一新 前編

新設計のMLAプラットフォームを採用

ランドローバー・レンジローバーが6代目へモデルチェンジを果たした。新しいディフェンダーは上質になり、ディスカバリー寄りの立ち位置になった。そしてこのレンジローバーは、ラグジュアリーSUVとしての地位を更に高めたようだ。

【画像】モデルチェンジ! ランドローバー・レンジローバー 競合する上級SUVと写真で比較 全105枚

先代より高級さを増し、洗練度を磨き、ボディサイズが成長している。最新技術も惜しみなく投入されている。

早速、概要を確認していこう。6代目レンジローバーは先代同様に、ショートとロング、2種類のホイールベースを選べる。それぞれ、2997mmと3197mmに設定された。

プラットフォームは、MLAフレックスと呼ばれる新設計のもの。ねじり剛性は、先代から最大で50%も増したという。

80%がアルミニウムで構成されている。だが、エンジンルームと車内を仕切るバルクヘッドはスチール製で、Aピラー付近のロワーボディやCピラーとDピラーまわり、フロントドアの開口部にも、強化スチールが用いられている。

全長はショート・ホイールベース(SWB)で5052mmと、先代より75mm長い。ちなみに、ベントレー・ベンテイガは5141mm、BMW X7は5151mmある。全幅はミラーを含めて2209mm、全高は1870mmとなる。

定員は標準で5名。ロング・ホイールベース(LWB)版なら3列目シートを追加した7シーターか、2列目をセパレートにした4シーターも指定できる。

特装を手掛けるSVO(スペシャル・ヴィークル・オペレーションズ)部門による、SV仕様もある。電動の折りたたみテーブルだけでなく、予算次第でオーナーの望み通りのインテリアへ設えることも可能だ。

エンジンはすべてハイブリッド化 純EV版も

パワートレインは、当初から選択肢が多い。3.0Lガソリンターボのマイルド・ハイブリッドは、P360とP400。3.0Lディーゼルターボのマイルド・ハイブリッドは、D250とD300、D350の3段階設定された。

更に4.4L V8ガソリン・ツインターボのP530と、プラグイン・ハイブリッド(PHEV)のP440eとP510eも用意される。なお、それぞれの数字は馬力を示している。2024年には、純EV仕様も投入される予定だ。

トランスミッションは、純EV以外、すべてにZF社製の8速オートマティックが組み合わされる。オフロードでの走破性を高めるトランスファーに加えて、リア側には電子制御のリミテッドスリップ・デフも備わる。

サスペンションは、フロントがダブルウイッシュボーン式で、リアが5リンク式。エアスプリングのみとなり、コイルスプリングは選べない。車高調整が可能で、乗り降りを容易にするため50mm落としたり、険しい悪路に構えて135mm持ち上げられる。

ブレーキ制御によるトルクベクタリング機能のほか、アクティブ・アンチロールバーも搭載され、コーナリングをアシストする。後者は電圧48Vのシステムで、GPSとマップデータを利用しコーナーを予測。自動的に硬さを調整してくれるスグレモノだ。

四輪操舵システムも標準装備。低速域で最大7.3度リアタイヤの向きを制御し、最小回転直径は11.37mと、大きさを考えれば小回りも効く。これは、フォルクスワーゲン・ゴルフと同等といえる。

通常は後輪駆動で燃費を改善

もちろん、トラクションとスタビリティを知的に制御する、ランドローバー自慢のテレイン・レスポンスIIも搭載。レンジローバーが四輪駆動状態にある時に、エンジンとトランスミッション、シャシーの電子アシストが一括してコントロールされる。

新しいレンジローバーは、34km/hから160km/hの範囲で走行している場合、気温が3度を下回らなければ、基本的には後輪駆動になる。それにより駆動系のロスを減らし、CO2の排出量を最大4g/km減らすことができるとのこと。

カタログ値では、PHEVが最小で21g/km。V8ツインターボでは270g/kmと、10倍以上の差がある。滑らかなスタイリングの効果として、空気抵抗は良好。Cd値は0.30に抑えられた。

ボディが成長したぶん、新しいレンジローバーは重い。3.0Lガソリンターボが一番軽く、車重は2379kg。PHEVでは、2735kgに達する。アルミホイールは最大で23インチまで選べるが、先代の22インチより軽く、乗り心地には影響を与えないそうだ。

豪華な車内には35本のスピーカー

続いてインテリアを観察していこう。ひと目見ただけで、間違いなく豪華。大柄なフロントシートの素材は上質で、座り心地も良い。ドアとテールゲートは電動で開閉する。

車内には、標準で35本のスピーカーが埋め込まれている。ヘッドレストには60mmのユニットが埋め込まれ、ノイズキャンセリング機能を果たす。バルクヘッドをスチール製としたことで、低周波の音や振動を遮断でき、車内ノイズを24%も抑えたという。

ダッシュボードの中央には13.1インチのタッチモニターが据えられる。最新のピヴィ・プロ・インフォテインメント・システムが実装され、スマートフォンをモデルにシステムデザインが施されたそうだ。

アマゾンの音声認識アシスタント・システム、アレクサも採用し、エアコンやテレイン・レスポンスの操作をまかなえる。使い勝手は悪くないが、実際に回せるダイヤルなどが残されても良かったと思う。

フロントシート側の空間は、感心するほどゆとりがある。リアシート側は、広大と感じるほど。LWBなら、3列目でも大人が快適に過ごせるだろう。荷室容量は、その3列シート版で312L。シートを折りたたむことで、2601Lまで拡大できる。

荷室フロアは、立ち上げて固定が可能。テールゲートの下側を開くと、フロア部分が背もたれになり、ベンチのように座れる。レンジローバーらしい機能といえる。

続いて、実際に走らせてみよう。今回の試乗では、ショートとロング、両方のレンジローバーを運転することができた。

この続きは後編にて。

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