■1970年代の「カッコいいクルマ」をモチーフに
さまざまな独創的なクルマを作り、世に送り出している光岡自動車が、「M55 Zero Edition (エムダブルファイブ ゼロエディション)」を2024年11月21日に発表しました。
創業55周年記念のコンセプトモデルとして、2023年11月に公開した「M55 CONCEPT(エムダブルファイブ コンセプト)」を発表した際に、多くの市販化を希望する声が届いたと言います。
それを実車化し販売するのがM55 Zero Editionです。
【画像】超カッコイイ! これが旧車デザインの「新型4ドアスポーツカー」です!(89枚)
発表会で光岡自動車の執行役員で営業企画本部長を務める渡部 稔氏は、市販化の経緯をこのように語ります。
「1968年創業の弊社と同じ55年の人生を歩んだ同世代の方々をメインターゲットにし、1970年代の思い出に残っているカッコいいクルマ達を思い描きながらコンセプトを作り上げました。
コンセプトを発表した際に当初は市販化の予定はなかったのですが、多くの市販化を希望する声をいただきましたので、市販化に至りました」
多くの反響があったことから市販化が実現したようですが、なぜあえてセダンのホンダ「シビック」をベースにしたのでしょうか。
「街中で多く走っているSUV車両を眺めながら、弊社の『バディ』に続く車両はSUVが良いのかと悩みましたが、国産セダンの絶望的とも言える少なさに改めて時代の流れを感じながらも、次はセダンで行きたいという思いが強くなりました。
子育てが終わり夫婦2人の生活ではSUVやミニバンでは持て余してしまうのではないか。この世代にこの先の人生をもっと気分を上げて楽しめる車があっても良いのではないかという思いを込めています」(執行役員 渡部氏)
SUVだけでなくセダンの可能性の探求のほかに、人生50年を過ぎた夫婦2人世帯にもっと楽しんでほしいという気持ちがこもっているとも言います。
そうして考えている中で「1970年代は多くのかっこいいクルマが街の中に溢れていた。それらを思い出しているうちにオマージュした車両のコンセプトが出来上がった」と言います。
注目すべきはそのエクステリアデザインですが、一体どのような特徴があるのでしょう。デザイナーの渡辺 清和氏は以下のように話します。
「ベースはなんですか?と聞かれることが多いのですが、何かをベースにして考えたデザインではなく、1970年代の国産車はアメリカのクルマをモチーフやオマージュした車が多くありました。そういう国産車をモチーフに今回のクルマをデザインしました。
なので、人によっては『あれが元だな』と思う方もいれば、『違う、あれがベースだな』と思う方もいらっしゃると思います。それらが正解だと思います。いろいろなクルマのかっこいいと思える部分をモチーフにしています。
その中でも丸目4灯ヘッドライトやリアのルーバー、ダックテールなどを盛り込んでいます。ベース車の前後だけをカスタムして交換しているわけではなく、ベース車のデザインを入れ込みながら、全体として一つのクルマとして仕上がるようにバランスを考えてデザインしています」
何かベースとなるモデルがあってのデザインではなく、頭の中に思い浮かぶ1970年代のカッコいいクルマの良いところを盛り込んでいると言います。
そして、インテリアを担当したデザイナーの青木 孝憲氏も、その特徴について語ってくれました。
「インテリアを任されて、シートをフルレザーに交換し、シートバックには金属のハトメと言われる部品を装着しています。(ハトメの)数やバランスも計算しています。
往年のGTカーのシートのようなスパルタンなシートに仕上げつつ、それでいてフォーマルな装いにも似合う感じにしてあります。幼少の頃父親がいわゆる『ハコスカ』に乗っていましたが、ハコスカのシートはこのような感じのスパルタンさがあったと思います。
そこを連想させるようなデザインを取り入れてあります。もう一つ、ディーラーオプション扱いの商品になるのですが、インテリアの各所にドライカーボンのパネルを装着してあります。ピリッとした男前な内装になったと思います。
令和の優しい感じの男子から、昭和の“銀幕スター”みたいな感じに仕上がったかなと思います」
さらに「M55ゼロエディションはわずか100台ではありますが、クルマが輝いていたあの頃の時代を思い出して、そこにタイムトラベルしてもらえれば幸いに思います」と語ります。
■「M55 RS」も登場? 今後の予定は
公開から大注目を浴びたM55 Zero Editionですが、販売方法はどうなるのでしょう。販売企画課の笠原 勝義氏に聞いてみました。
「今までミツオカではお客様からオーダーをいただいてから車両の手配を行い、架装してお客様にお届けしてきました。しかし、コロナを経て自動車メーカーの生産管理などが変わり、突然生産がストップすることが起きるようになりました。
そうなると我々の生産計画も狂いますし、何よりお客様にご迷惑をおかけしてしまいます。なので今回は先に100台のベース車両を確保し、その100台分を2025年に生産してお客様に2025年中にはお届けするという方式をとります。
100台限定というわけでなく、2026年以降も生産していきたいと思いますが、そこはベース車両の生産なども関わってくるので、いまのところ明確なことは言えませんが、ミツオカとしては生産していきたいと思っています」
すでに100台のベース車両が確保されているということですが、一旦光岡名義で登録を後、そこから改装を行い提供するとのこと。つまり、登録済み車両となり、初回車検は2年ということになるようです。
ちなみに、ベースのシビックは先日マイナーチェンジが行われましたが、M55 Zero Editionはマイナーチェンジ前モデルが用いられます。
いっぽうで、今回の100台で終了という訳ではなく、今後はMTモデルだけでなく、CVTやe:HEV、マイナーチェンジで追加されたスポーツグレード「RS」をベースしたM55も投入していきたいとも考えているそうです。
ボディカラーはレジェンダリーグレーメタリックのみ。M55 Zero Editionの販売価格(消費税込み)は、808万5000円からとなります。
どこか見たことがあるような「GTマシン」として完成したM55。そのデザインは懐かしくもありかっこよさが溢れています。
デザイナーの渡辺氏は、「屋外で見るとこのレジェンダリーグレーメタリックはまた見え方が変わってきます。派手すぎず良い色味に仕上がっていると思います」と言います。
日本のカッコいいクルマをモチーフにしているだけあり、日本のどんな風景にも似合いそうなクルマが仕上がりました。
※ ※ ※
販売台数は限定100台で、ミツオカ取り扱い店舗に赴き、専用の申込用紙に記入し、申込金55万円が入金された時点でエントリーが完了となります。
抽選受付期間は2024年11月22日から2025年1月19日までを予定していますが、期間内であっても応募者数が350名に達した時点で終了となります。
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みんなのコメント
横から見たデザインも無理矢理感が半端ない
これで808.5万円の価格もコメディ
それなら絶対にチャレンジャー買った方が良い