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三菱自動車の自信作──新型トライトン試乗記

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三菱自動車の自信作──新型トライトン試乗記

三菱自動車の新型「トライトン」に塩見智が、クローズドコースで試乗した。久々に日本市場へも投入するピックアップトラックの完成度はいかに?

良いものできちゃいました

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三菱自動車が、久々に日本に導入することを決めた世界戦略車である1tピックアップトラックのトライトン。北海道にある同社のオフロードテストコースで初めて実車確認をするとともに試乗した。

日本ではあまり馴染みのないピックアップトラックだが、北米はもちろん、中東、豪州、そして東南アジアでは定番カテゴリーであり、これらの市場を中心に多くのメーカーが販売している。

トライトンは1978年に登場して以来、5世代、45年間にわたって、世界約150カ国で約580万台を販売した同社の屋台骨モデル。この度、約9年ぶりにフルモデルチェンジした6代目はフレームシャシーから刷新された新世代トラックだ。軽自動車の電気自動車を投入して話題を集めたり「デリカ・ミニ」をヒットさせたり、と、勢いがついている三菱自動車だが、“良いのができちゃったから久々にトライトンも日本に導入しちゃおう”というノリだと思われる。

新型は3つのパワースペックをもつ2.4L直4ディーゼルターボエンジンを搭載するが、日本に導入されるのは最高出力150kW、最大トルク470Nmのもっともハイパワーな仕様で、6ATと組み合わせる。

上記仕様に乗り込んで早速コースイン。パワーは十分。4気筒ディーゼルとしては音と振動もよく抑えられている。エンジン自体は先代から使うものだが、車体の9年分の進化は大きい。

結構な勢いで悪路を駆け抜けてみたが、新開発ラダーフレームは頑健で路面から大きな入力があってもしっかりと受け止め、不安なきしみ音などは一切聞こえてこない。フロントがダブルウィッシュボーン、リヤがリジッドのスプリング式と、フレームシャシー車の定番サスペンションもよく煮詰められていて、高速で洗濯板のような路面を走行しても、また低速でモーグル路面を通過しても、高い路面追従性を見せた。つまり凹凸を走行しても4輪がなかなか接地を失わない。

接地を失わないというのは、オフローダーにとって最も重要な性能と言っても過言ではない。接地している限り、駆動力が路面に伝わり、クルマが前進する力が保たれるからだ。逆に接地を失うとその車輪は空転する。駆動力はまわりやすい車輪に集中するため、そこから駆動力が逃げてしまうのだ。実際にはどこかの車輪が空転すると、個別にブレーキがかかって駆動力は他の車輪に振り分けられるが、4輪がいつまでも接地し続けるクルマこそがオフローダーとしてもっとも偉いのだ。

サイズは要注意初めて走行する、狭い区間を含むオフロードコースを、加減速を繰り返しながら走行したが、スクエアなボディ形状と視界のよさのおかげで見切りがよい。ハンドリングも正確なので、狭い区間でもグイグイと攻め込んでいくことができた。

4WDシステムはフロント40%、リヤ60%の駆動力配分を基本とし、コーナーでの曲がりやすさと直進時のトラクション確保をバランスさせたスーパーセレクト4WD-IIを採用する。直進時も旋回時も、ドライ路面でもウェット路面でも、また泥んこ区間でもアクセルを踏みさえすればクルマはグイグイ進んでいく。

ワイルドなルックスだが、洗練された装備もキチンと備わっている。ACC(アダプティブクルーズコントロール)をはじめとする先進的な走行アシスト機能や、安全デバイスは標準装備。悪路なんて行かないという人も日常的に使うことができる。

ただし全長5360mm、全幅1930mm、全高1810mm、ホイールベース3130mmと、日本国内、とりわけ都市部で使うにはデカい。いくらワイルドなルックスに一目惚れしたとしても、サイズだけは冷静に確認することをおすすめする。ただしそのおかげで後席も広く、シートバックが立ちすぎていないので、そこそこ長時間後席にいても不快ではなさそうだ。新型トライトン、実に頼もしいクルマだ。

発売は2024年初頭。価格は未定だが、トップグレードで400万円台半ばと予想される。

文・塩見智 編集・稲垣邦康(GQ)

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