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マイルドHVの3.0L直6ターボ BMW X7 xドライブ40iへ試乗 40dに次ぐベターチョイス

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マイルドHVの3.0L直6ターボ BMW X7 xドライブ40iへ試乗 40dに次ぐベターチョイス

フェイスリフトで2段ヘッドライト獲得

AUTOCARを定期的に読まれている方なら、BMW X7がモデル中期のフェイスリフトを受けたことはご存知だろう。高性能なM60iへの試乗レポートも、ご報告済みだ。

【画像】40dに次ぐベターチョイス BMW X7 xドライブ40i 競合の上級大型SUVと比較 全112枚

今回試乗したのは、よりわれわれに身近といえるX7のxドライブ40i。動力性能は劣るものの、英国価格は8万2450ポンド(約1385万円)からで、比較すれば現実味が出てくるという読者も増えるはず。

現行のG07型X7が発売されたのは2019年へさかのぼるが、今回のフェイスリフトではかなり大幅にスタイリングへ手が加えられた。特にフロントマスクでは、先日発表された最新の7シリーズにも似た、上下2段に分かれたヘッドライトを採用している。

ユニット自体が2つ重なり、上段の薄い方はLEDのデイタイム・ランニングライト。下段の厚い方は、オプションでレーザーライトも選べるメインライト。標準ではLEDライトになる。

キドニーグリルは更に迫力を増し、イルミネーションを仕込むことも可能になった。バンパーの造形も大胆なものだ。

X7の容姿を従来以上に際立たせることが目的だとしたら、この仕上がりは成功といえる。ひと回り拡大されたX5のようには、誰が見ても感じないのではないだろうか。好みが分かれるとしても。

アルミホイールは標準で21インチ。お望みなら、追加費用で23インチまでサイズアップすることもできる。

iXへ通じる大きなツインモニター・パネル

インテリアの変更も小さくない。ダッシュボード上部には、バッテリーEVのiXへ通じる大きなツインモニター・パネルが据えられた。メーター用は12.3インチ、インフォテインメント用は14.9インチのタッチタイプで、バージョン8となる最新OSが稼働する。

クローム・フレームで縁取りされたダッシュボードの中段部分には、新形状の送風口が収まる。助手席側には、<からX7へモーフィングするイルミネーション付きの化粧パネルがあしらわれる。

実際に押せるハードボタンは、エアコン用からも姿を消した。すべて、中央のタッチモニターへ集約されている。

フロントシートは大柄で、サイドサポートもしっかり。調整域は広く、長時間にも快適なドライビングポジションを見つけやすい。視点が高く前方視界は良好。オプションの巨大なパノラミック・ガラスルーフを装備すれば、開放的な雰囲気を一層高められる。

全長5m超えのボディサイズを活かし、シートレイアウトは2列5名から3列7名まで、3種類が用意される。アウディQ7やメルセデス・ベンツGLS、ランドローバー・レンジローバーなどがライバルのSUVとして、高級感だけでなく実用性も外せない要素となる。

2列5シーターの場合、荷室容量は750Lと巨大。3列6シーターか7シーターを選ぶと326Lへ小さくなるが、シートを折りたためば拡大できる。

マイルドHVになった3.0L直6ガソリンターボ

パワートレインで大きな変更といえるのが、改良を受けたB58型3.0L直列6気筒ガソリンターボがマイルド・ハイブリッド(HV)になったこと。xドライブ40iに搭載されるユニットだ。

スターター・ジェネレーター(ISG)がZF社製8速ATの前方、クランクシャフトと直結する形で搭載され、エンジンをアシスト。燃費を改善するため、低負荷時にはエンジンを停止させ惰性走行も可能としている。

最高出力は380ps、最大トルクは54.9kg-mとなり、フェイスリフト前から47psと7.0kg-mも増強されている。ISGは12psと20.0kg-mを発揮する。

実際に公道へ出てみると、X7 xドライブ40iは至極滑らか。太いトルクで粘り強く、必要に応じて強力な加速を引き出せる。

確かにX7 M60iが搭載する4.4L V8ツインターボ級のたくましさや勢いは得られないが、マイルドHV化により、間違いなく従来より余裕が生まれている。BMWのストレート6らしく、6800rpmまで意欲的に吹け上がるのも好印象。楽しさも磨かれた。

トルクコンバーター式8速ATも、相変わらず優秀。エンジンの勢いに関係なく、迅速丁寧に変速をこなしてくれる。

フェイスリフトのノベルティとして追加されたのが、ローンチ・コントロールとスプリント機能。後者は走行中に左側のパドルを引き続けることで、可能な限り低いギアを選びエンジンの能力をフルに発揮させるもの。

同時にドライブモードも意欲的なものへ自動的に切り替わる。ちなみに、モードはパーソナルとスポーツ、エコ、インディビジュアルという4種類が用意される。

秀でた姿勢制御と印象的な乗り心地

0-100km/h加速の時間は5.8秒で、フェイスリフト前から0.3秒も短縮した。パワーアップしたエンジンと、ISGによるアシストの結果といえる。

パワフルなだけでなく、洗練性も高い。高速道路を流していると、車内は極めて静かな空間に落ち着く。燃費も良くなっており、エコモードで10.9km/Lが主張される。以前は10.4km/Lだったから、ガソリン1Lで500m多く走れる計算だ。

現在の基準では、車重が2340kgあることもあり、380psをもってしてもX7 xドライブ40iは積極的な運転を得意とするSUVとはいえない。しかし、アメリカ・カリフォルニア州パームスプリングス郊外の峠道では、不足ない軽快さと落ち着きを確かめられた。

その走りを支えているのが、アダプティブダンパーとセルフレベリング・システムを備えたBMW最新のエア・サスペンション。秀でた姿勢制御を実現しつつ、印象的なまでに快適な乗り心地を両立させている。路面の荒れ具合などは、殆ど感じさない。

さらに軽く正確なステアリングホイールの操舵感が、運転する自信を高めてくれる。この背後には、ダイナミック・ハンドリング・パッケージの一部となる、インテグラル・アクティブ・ステアリング機能の効能も存在する。

この機能は、速度に応じてリアタイヤを3度から4度の範囲で操舵するもの。実際、大きなSUVながら唸るほどシャープに旋回していた。

グリップやトラクションも優秀 最良は40d

xドライブとBMWが呼ぶ四輪駆動システムによって、グリップやトラクションも優秀。こちらも進化した最新版だという。勢い良く方向転換を図っても、X7は見事な身のこなしを披露していた。

とはいえ、コーナリングスピードはそこまで高くない。アクティブ・アンチロール機能が有効だとしても、X7の重さと重心高は受け止めきれない。挙動は漸進的ながら、最終的には顕著な荷重移動が生じてしまう。攻め込むほど、その推移は勢いを増す様子だった。

軽く回せるステアリングホイールと後輪操舵が相乗し、市街地では見た目以上に取り回しやすい。それでも、英国や日本の入り組んだ都市部では、小さくないサイズを実感するはず。

上級の大型SUVとして、フェイスリフトを受けたX7 xドライブ40iは訴求力を増した。快適で洗練され実用性に長け、車格を考えればドライビング体験も充分に魅力的だといえる。

各ラグジュアリーブランドが自慢のモデルをラインナップするカテゴリーではあるが、X7は従来どおり高い人気を保つに違いない。高級感も引き上げられており、競争力は低くない。

マイルドHVの採用により、動的能力を向上させつつ燃費やCO2の排出量も改善している。ディーゼルエンジンのxドライブ40dに次ぐ、X7のベターチョイスといえそうだ。

BMW X7 xドライブ40i(北米仕様)のスペック

英国価格:8万2450ポンド(約1385万円)
全長:5162mm
全幅:2000mm
全高:1819mm
最高速度:249km/h(リミッター)
0-100km/h加速:5.8秒
燃費:9.5-10.9km/L
CO2排出量:210-240g/km
車両重量:2340kg
パワートレイン:直列6気筒2998ccターボチャージャー+ISG
使用燃料:ガソリン
最高出力:380ps/5200-6250rpm
最大トルク:54.9kg-m/1850-5000rpm
ギアボックス:8速オートマティック

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  • 見慣れてきたら、かっこよく見えてきた…。不思議だ。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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