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日本のスポーツカーはスゴい──新型日産フェアレディZ試乗記

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日本のスポーツカーはスゴい──新型日産フェアレディZ試乗記

日産の「フェアレディZ」がフルモデルチェンジした。小川フミオが公道でテストドライブ!

立派なスポーツカー

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日産自動車が2022年6月より販売開始した新型フェアレディZは、下手な外国製スポーツカーより走りが良い。いいクルマとしてスポーツカー好きに勧めたい。

新型フェアレディZは、3.0リッターV6ガソリンターボ・エンジンをフロントに搭載した後輪駆動。ふたり乗りのボディ外寸は、全長4380mm、全幅1845mm、全高1315mm。日本で扱うのにちょうどいいサイズだ。乗降性もよい。

私は、テストコースでしか乗ったことがなかったので、9月下旬に一般公道で「バージョンST」に乗ってみて、印象をあらたにした。ひとことでいうと、立派なスポーツカーだ。

第1にこれはいい! と、感じたのは、操舵感。ステアリング・ホイールは適度な重さで、シャープな反応。足まわりのうち、スプリングは硬めで、でも、ダンパーはしなやか。すこし硬いかな? と、思う場面もあるが、高速巡航はフラットな乗り心地で、疲労度も少なそう。

足まわりとおマッチングいいのがエンジンだ。298kW(405ps)の最高出力と、475Nmの太いトルクを発生する2997ccV型6気筒ガソリンターボ。最大トルクを1600rpmから発生するので、走り出しから力強く、高速の合流時などの加速時はすばやい身のうごきを見せてくれる。

VR30DDTT型というこのV6エンジンは、「スカイライン400R」に搭載されているのと基本的におなじものだ。新開発の9段オートマチック変速機は、的確にドライバーの望むとおりのトルクを引き出してくれる。あらためて、こんなにいいエンジンだったんだなあと感心させられた。 

要するに、ステアリング・フィール、サスペンション・システム、エンジンと、スポーツカーに必要な要素がすべてそろっている。600万円を少し超える価格でこんな買い物が出来るのだから、日本はすごい。

ドライブモードは切り替え式。アクセルペダルの踏みこみに対するエンジンの反応が鋭くなる「スポーツ」と、高速巡航などすこし快適方向へと振ったのが「スタンダード」。小さなスイッチで切り替えると、メーターの液晶内に表示される。

今回乗ったバージョンSTは、2つのキャラクターを同時に追求した仕様だ。STの“S”はスポーツで、“T”はツーリング。

ドライブモードを切り替えてみると、“S”と“T”、うまく性格わけが出来ているのだ。

“1台で2台楽しめる”

カーブが連続する道でドライブを楽しもうというなら、スポーツが楽しい。いっぽう、グランドツアラーとして長距離を走るときにはスタンダードがよさそう。アクセルペダルの踏みこみに対する加速の反応がややゆるやかになる。

けっこう大きくキャラクターが変わるので“1台で2台楽しめる”と、私は思った。

スポーツモードでは、アクセルペダルを踏み込むと、ドラマチックな中低音がいさましく車内に響きわたる(ATはこの音をつくるサウンドエンハンサー装備)。さきに触れたとおり、重めの操舵感や、硬めのスプリングによる乗り味とあいまって、スポーツカー感覚に心がおどる。

いっぽう、スタンダードモードで高速ツーリングしているとき、車内のノイズは耳につかない。それでいて、スルスルスル~というかんじで、速度が上がっていく。スムーズすぎる加速感はオソロシイほどだ。しかも、新型にはアダプティブ・クルーズ・コントロールも搭載するから、ロングドライブもより快適になった。最新モデルらしく、運転支援機能は先代より大きくアップデートしている。

スタイリングは、もうすこし冒険があってもいいかな? と、思わないでもない。別の言い方をするなら、2022年のスポーツカーとしての解釈が見たい。

初代Zを強く意識したデザインは、それでも、人眼をひく。走行中に、ニコニコとこちらのZを見る人にいたるところで遭遇したので、メーカーの狙いどおりか。すくなくとも、先代や先々代と較べるとノーズが長く見えるようになって、ぐっとスポーツカー的になった。

同様の感想をもったのがインテリアだ。ちょっとつまんない。乗降性はいいし、空間的な余裕があるものの、スポーツカー的な心躍るかんじがもっと欲しかった。インパネ上部の3連メーターがスポーツカーらしさをかろうじて演出するけれども、これがなければ果たしてフェアレディZとして魅力あるインテリアとなっただろうか……。

合成樹脂感まるだしの平面的なダッシュボードのせいかもしれない。もっとタイトでもっとデザイン的に凝った部分が多くていいなと思ったのは事実。ここだけは惜しいなあと思う点だった。

ただし、新しいインフォテインメント・システムの使い勝手は上々。組み合わされるBOSEのサウンド・システムも良い音を楽しませてくれる。デザインはさておき快適性は問題なし。

総じてスポーツカーとしての完成度が高い新型フェアレディZ。バックオーダーを大量に抱えているのも納得である。

文・小川フミオ 写真・安井宏充(Weekend.)

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みんなのコメント

7件
  • 内装のクオリティまで求めれば、1000万円前後になるかもしれないがそれでもよろしいか?という話。
    通貨安で更に貧民化進んでるJapan庶民が買えずに文句くらいしか言えなくなるんだから、それより全然マシでしょ。
  • いつになったら街で見れるんだ?
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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