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「最近のクルマがつまらない」は嘘! いま自動車業界に足りないモノとは

 この10年で急激に交通事故が減少してきている

 クルマ好きの仲間から「なんだか最近のクルマはつまらないな」という言葉を聞くことが多い。クルマといえばスポーツカーが主役で、アクセルを踏めばどこに飛んでいくかわからないようなスリリングな時代にドライビングを楽しんできた世代には、最近のモデルは優等生すぎて物足りないと感じてしまうかもしれない。

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 しかし、それは当然の進化といえる。マフラーから放たれる排気は爆音で、排ガスの臭いもキツかった時代に戻るというのは考えられないし、社会的にも認められない。荒々しい乗り味にしてもエンジン特性やサスペンション性能が劣っていたからそうなっていたのであって、あの時代の乗り味がスポーツであったというのは思い出を美化しているに過ぎない。現在のクルマと比べるのはナンセンスだ。

 また、AEB(衝突被害軽減ブレーキ)のような先進安全装備を批判する声もあるが、その効果は絶大で、交通事故は減っている。警察庁の統計データからランダムに抜き出すと、以下のようになっている。 交通事故発生件数

 1969年 72万880件 1989年 66万1363件 2009年 73万7637件 2019年 38万1002件 この数字からもわかるように、この10年で急激に交通事故は減少している。ドライバーの入れ替わりは多少あっても大半は歳を重ねつつハンドルを握っているわけで、意識が変わったといってもスキルが大幅に変化することはない。事故が減っているのはAEBなどが普及したおかげだ。

 スリリングな乗り味が減ったのはESC(横滑り防止装置)が普及したおかげである。姿勢コントロールやトラクションコントロール機能を運転アシストとして利用することで数百馬力のスーパースポーツであっても、普通のドライバーが運転できる時代になっている。

 かつてのように限られた技量の持ち主でなければスーパーカーを走らせることは難しいという時代でもない。一部のテクニックを持っているドライバーからすれば、スーパーカーを誰でも運転できる時代というのは納得できないかもしれないが、そうした電子デバイスのアシストによって無駄なアクシデントが減っているのも事実だ。

 電気自動車や自動運転は時代の要請だ

 排ガスについても同様だ。ガソリンの匂いがたまらないというクルマ好きもいるが、大気汚染を考えると、クリーンな排ガス性能を否定することはあり得ない。個人的な感想だが、昭和と比べると東京の空は明らかに澄んできた。都会では夜空に星がまたたくなんて考えられない時代もあったのだ。

 交通事故の9割はヒューマンエラーによって起きているといわれている。交通事故ゼロに近づけるには、ヒューマンエラーのない運転方式すなわち自動運転化が推進すべきというのが時代の要請といえる。

 環境についても、大気汚染を考えるとBEV(電気自動車)などのゼロエミッションビークルへとシフトする方向へ向かう。エンジンの振動を感じることさえ難しい未来が待っている。

 安全と環境は人間の命にかかわる問題だ。それを趣味性で「つまらない」と否定するのは、社会的に認められない行為でもあろう。

 その意味では、「自動車がつまらない」と感じるのはユーザーマインドによるものであり、安全や環境を否定するようなマインドは時代に即していない。安全と環境最優先でクルマや移動の楽しさをあえてスポイルしているようであればメーカーを批判する必要はあるが、大きく人間社会が求めているモビリティのスタイルを認め、そこに楽しさを見出すよう、新しい時代に合わせてクルマ好き自身も進化、変化すべきだ。

 大半のクルマがつまらないと感じる理由は、自動車メーカーのせいではなく、クルマ好きのマインドにある。最新モデルの持つ楽しさを存分に味わうという意識改革が必要なタイミングを迎えた。

『クルマ好き2.0』へのバージョンアップが求められている!

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