アストンマーティンは、2シーズンに渡りチーム代表を務めてきたマイク・クラックをチーフトラックサイドオフィサーに配置換え。かつてメルセデスF1でパワーユニット部門を率いたアンディ・コーウェルCEOがチーム代表も兼任することを発表した。
この人事は、2シーズンにわたってコンストラクターズランキング5位に留まった結果を踏まえたモノだと考えられているが、クラック自身は2シーズン連続でマシンを十分に改善できなかった理由をチームとして自己批判的に分析する必要があると考えている。
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シルバーストンに本拠を置くアストンマーティンは2023年シーズンを最高の形でスタートさせ、序盤はフェルナンド・アロンソがマックス・フェルスタッペン(レッドブル)に最も近い挑戦者としての地位を確立し、ランス・ストロールはプレシーズンでの負傷から回復しつつも印象的な走りを見せた。
しかしチームはマシン開発の面でライバルの追い上げを許し、シーズン後半に失速。最終的にコンストラクターズランキング5位に終わった。
2024年も傾向自体は近いものがあったが、表彰台を争う力はなく、5番目のチームとして開幕を迎えると、ハースやアルピーヌ、RBがマシン開発を進めるにつれ、ポイント獲得も難しくなっていった。なんとかランキング5位は守ったものの、より厳しい1年を過ごしたと言える。
motorsport.comの取材に応じたクラックは、シーズンを総括して次のように語った。
「我々は実力を発揮できなかった。だからシーズンに満足はできない」
「我々は5位でフィニッシュしたが、もしチャンピオンシップが夏から始まっていたら、5位でフィニッシュすることはできなかっただろう。だから全体的に考えて、シーズンを振り返って非常に批判的にならなければならないと思う」
「マシンに施したアップデートで改善することができず、全てにおいて前年と同じような平行線を辿っている。違うのは、前年はスタートがうまくいっていたのに、2024年は同じレベルでスタートできなかったことだ」
「だから見直すべきモノがたくさんあると思う。というのも、我々は2年連続で、スタート地点から改善することができなかった」
ライバルたちが全力を尽くしていることがチームの相対的なパフォーマンスに悪影響を及ぼしているのかと問われ、クラックはチームの内側に目を向けるべきだと主張した。
「実際のところ、他がどうとかは関係なく、年の初めにはベースとなるクルマがあって、年の終わりには開発されたクルマがある。そしてその間には、いくつかのステップがあるんだ」
「他の皆の成長曲線は我々よりずっと良かったと思う。2023年の最初の8レースか9レースでの順位は、システム全体に大きなプレッシャーを与えるものだった。でも結局のところ、結果として全体像は変わらない。5位や4位でスタートしようが、2023年のように2位や3位でスタートしようがね」
「外からのイメージが変わったんだ。『あんなに良かったのに、こんなに悪くなって……』みたいなね。でも競争力とか序列とか、そういうものを取り除いたときに、シーズンをスタートしたときのマシンとシーズンを終えたときのマシンとで、どれだけ良くなったのかが大事なんだ。私が思うに、2年連続で他のチームのほうがいい仕事をしていると思う。それこそ我々が本当に見なければならないことだ」
アロンソとストロールは2024年シーズンの前半戦で13回のトップ10フィニッシュを果たしたが、後半戦はそれが7度に減少。ストロールに至っては、11戦連続ノーポイントでシーズンを終えている。
シーズンを通してマシンは改善されたかと尋ねられたクラックは「我々は常に自分たちに正直であろうとし、それを測ろうとしている」と答えた。
「よく言うのは、『このエリアは良くなったが、あのエリアは悪くなったかもしれない』ということだ。常にすべての分野で改善したとは言えないと思う。たぶん、そういうときはトップから大きく離されているときだ」
「でも真面目な話、懸念すべきことだと思うよ。だって、2回連続で同じようなことをやっているのなら、それは孤立した事例ではない。自分たちのシステムを見直す必要があるんだ」
「我々が望んでいた進歩は……目標を設定しても達成できない。望むようなパフォーマンスが得られない。様々な要因のせいだと言うこともできる。(風洞と実走行データに)望ましい相関関係がないということもできる」
「しかし他の人が同じ風洞を使っている場合、例えば自分が空力に焦点を当てて相関性がないと言うなら、なぜ他の人はそれでも進歩しているのか?」
「だから、自分自身に対して批判的にならなければならない。『こうだから、ああだから』ではだめなんだ。自分のやっていることを深く分析し、自己批判をしなければならない」
「適切な時期に適切な決断ができたか? 本当によくテストされるまで、1つか2つのステップで待つべきだったか? それとも、プレッシャーが大きいからと急いだのだろうか?」
「そうした疑問はすべて、批判的に自分自身に問いかけ、正しい結論を導き出さなければならないものなのだ」
2026年の新レギュレーション時代に向けて、なんとかマシン開発の弱点を改善したいアストンマーティン。クラック代表の配置換えがポジティブな理由ではなく責任を取らせるようなモノであり、チームの自己分析と改善が進まなければ、2025年も苦戦が続く可能性は否定できないだろう。
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