ポルシェ パナメーラにアップデートしたe-ハイブリッド（PHEV）システムの搭載モデルを追加

ポルシェ本社は2024年2月20日、Fセグメントの4ドア・クーペ「パナメーラ（972・G3）」シリーズにPHEVシステムを搭載した「パナメーラ4 E-ハイブリッド」と「パナメーラ4S E-ハイブリッド」を追加して発表した。

パナメーラ4 E-ハイブリッドは、強力な加速を生み出すために、新しいe-ハイブリッド（PHEV）システムと大幅に改良された2.9LのV6ツインターボ・ガソリンエンジン（224kW/304ps）を組み合わせている。

システム総合出力は346kW（470ps）/650Nmとなり、0-100km/h加速タイムは4.1秒、最高速度は280km/hとなっている。パナメーラ4 E-ハイブリッドのEV航続距離は、96km（ヨーロッパWLTP市街地モード）。

一方、パナメーラ4S E-ハイブリッドは、2.9Lの6気筒ツインターボ・エンジンで最高出力は260kW（353ps）。システム総合出力は400kW（544ps）/最大トルクは750Nmを発生。これにより、0-100km/h加速は3.7秒で、最高速度は290km/hに達する。

これらPHEVモデルは先代と比べて、EV航続距離の延長、充電速度の向上、スロットルレスポンスの改善など、幅広い性能をアップグレードさせている。 新開発のモーターは最高出力140kW（190ps）、最大トルク450Nmを発生し、先代よりも大幅にパワーアップしており、冷却はPDKトランスミッションのオイル冷却循環に統合されている。

電気モーターは内部ローターとすることで、慣性質量が50%減少し、スロットルレスポンスが向上。最大88kWまで回生可能で、航続距離の大幅な向上にも貢献している。

4E-ハイブリッドには、専用ドライビングモードを4モード備えており、改良されたスポーツ、スポーツプラスモードは、E-ハイブリッドモデルの効率をさらに高めている。

車両は常にフル電動のE-パワーモードでスタートし、バッテリーの充電状態が一定値を下回ると、自動的にハイブリッドオートモードに切り替わる。さらにハイブリッドオートモードのアクティブルートガイダンスによって、前方のルートを把握することでより効率重視のドライブが可能になる。

この結果、市街地走行におけるEV走行距離の割合を最大化し効率を高めている。このシステムは、走行状態とナビゲーションの両方のデータを使用して実行されている。

E-ホールドモードでは、バッテリーの充電状態が保持される。一方、E-チャージモードでは、郊外や55km/h以上での走行時にエンジンがバッテリーを最大80%まで充電し、市街地を走行するときはハイブリッドドライブの効率を高める。スポーツモードとスポーツプラスモードでは、バッテリーの目標充電状態をそれぞれ20%と30%に引き下げ（従来は30%と80%）、性能を犠牲にすることなく効率を高めている。

なお、搭載するリチウムイオン・バッテリーの容量は14.1kWhとなっている。

シャシー＆細部デザイン

新型パナメーラは全モデルに、2バルブダンパーを備えたポルシェ・アクティブサスペンションマネジメント（PASM）を含むアダプティブ2チャンバーエアサスペンションが標準装備される。E-ハイブリッドモデルにも採用している革新的なポルシェ・アクティブライドサスペンションは、最適化されたトラクションとコーナリング性能、優れた快適性を兼ね備えている。

2バルブ技術が採用されたダンパーには電動油圧ポンプを装備している。このポンプは400Vシステムによって駆動され、伸び側と圧縮側の力を積極的にアシストするために使用される。その結果、サスペンションは路面の凹凸によるボディの動きをほぼ完全に吸収し、ダイナミックな運転操作中も常にボディを水平に保つことができるのだ。

ダンパーは最大13Hzで作動し、1秒間に最大13回の設定調整が可能なため、走行状況や路面に瞬時に反応できる。このアクティブ技術により、ピッチやロールの過度補正や、乗降時のボディ上昇など、革新的な機能も実現している。

新型パナメーラ e-ハイブリッドのデザインは、スポーティさを強調し、フロントの外観は、新しいフォルムの標準装備マトリックスLEDヘッドライトと追加された水平のエアインテークで、ボディサイドはシルバーのウインドウトリム処理となっている。

19インチホイール、ブラックのブレーキキャリパー、マトリックスLEDヘッドライトが標準装備され、革新的な高解像度HDマトリックスLEDライティングシステムがオプション設定されている。

パナメーラ4S E-ハイブリッドには、パナメーラAeroDesignの20インチホイールを始め、シルバーのスポーツテールパイプ、レッドのブレーキキャリパーが装備される。また、アシッドグリーンとブラックのブレーキキャリパーもオプション設定されている。

ブレーキは、フロントに10ピストン式ブレーキキャリパーを標準装備。さらに21インチホイールとの組み合わせでPCCB（ポルシェセラミックコンポジットブレーキ）も設定されている。 また全モデルに最大15Wのワイヤレス充電が可能な冷却式スマートフォン・トレーが新たに装備されている。それ以外に、リヤアクスルステアリング、リモートパークアシスト、助手席側ディスプレイ、エアクオリティーシステムなどがオプション設定されている。

なお今回追加されたモデルの日本仕様の価格、受注開始時期などは現時点で未定となっている。

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