新車試乗レポート [2022.03.06 UP]
ノート e-POWER『電動の優位性』氷上レポート
NISSAN ノート e-POWERで体感! 「電動の優位性」装備&機能を徹底チェック
NISSAN Intelligent Winter Drive@長野・女神湖氷上コース
冬の恒例イベントともなっている、日産主催の女神湖特設コースでの氷上試乗会。
日産のさまざまなクルマを一気にドライブできるのが魅力だが、
今回の目玉はなんと言っても「ノートe-POWER 4WD」。
歩くことさえ困難な“超低ミュー路”にもかかわらず、
その走りは非常にコントローラブル! 正直驚いた!
●文:川島茂夫 ●写真:澤田和久、日産自動車(株)
ツルツル滑る“超低μ”路面で、その差歴然!!
電動ならではの精密制御! ノートe-POWERなら安心と安全を実感できる
滑りやすい路面で真価を
発揮するノート系4WD
試乗車はノート系とリーフ、スカイライン、GT-Rが用意され、FF/FR/4WDの氷上性能チェックとなったわけだが……。
コースは全面アイスバーン。雪壁接触等で路側からこぼれた雪がちらほらあるくらい。水が浮いてる部分もある。難所のコーナーではコースアウト車両のタイヤ摩擦熱もあってか僅かな下り勾配ができてしまい、そこに乗ると操縦不能に。氷上走行の中でも路面状況は極めてハードだ。
最も手こずらされたのはスカイライン。VDC(横滑り防止装置)なしでは真っ直ぐに加速することさえままならず、ホイールスピンしながら横向くだけ。前内輪を軸に信地旋回もどきの機動もできるが、思う方向に進めない。VDC頼りで走るのが賢明だ。
方向安定に優れるFF勢はスピン挙動に入りにくい分だけ加速も安定するが、それでもVDC頼りは同じ。ただ、FRに比べるとVDCとの相性がいい。さらに電動を活かした高精度なスリップ制御の効果も大きく、方向安定とトラクションのバランスを上手に保つ。エンジン車ではコントロールできない領域での制御が落ち着きと的確なトラクションを生み出していた。なお、コントロール性はリーフよりノート系が優れていたが、これは電動制御の世代差と考えるべきだろう。
この状況で圧倒的なのは、考えるまでもなく4WD。とくにノート系が圧倒的だった。
摩擦係数0.1前後の氷上においてGT-Rの車重とパワーはハンデ。しかも、FRを下地とした駆動制御である。「大暴れ」と表するような走り方はできてもドライバーは大忙しだ。
ノート系4WDの駆動制御はFFとFRの長所を4WDのトラクションに上乗せしたような感覚だ。VDCを切った状態では後輪を積極的に用いてオーバーステア状況に持ち込み、4WDらしいトラクションも効かせられる。FR系4WD車も顔負け。しかも、GT-Rよりも挙動の収まりやトラクションが安定しているのは車重と電動制御の賜だろう。
ただし、基本制御は安定性重視。VDCオンでは早い時期に介入して横滑りもホイールスピンも抑えに入る。過保護というわけでもないが、身構える必要もなく駆動限界近い領域での走行が可能だ。
オンロードでもノート系のe-POWER+4WDは走りの質感や操縦感覚で恩恵を感じられたが、滑りやすい路面でのメリットはその比ではない。運転ストレスの減少や安全性の向上は実用的メリットとして高く評価できる。
「ノートシリーズ」に共通する、精度の高い操縦性と安定感!
オンロードでは加速のキレと穏やかさの両立が見所だが、氷上では駆動力の繊細な制御による安定が印象的。VDCとの相性も極めて高い。とくに4WD車は駆動力とラインコントロール性に優れ、VDCオフではドリフト走行も比較的簡単に楽しめる。電動のポテンシャルの高さを実感できる。ニスモやオーテッククロスオーバーの印象も同様。サス仕様が違ってもコントロールしやすさは同じだ。
ノート オーラ G FOUR
●車両本体価格:286万8800円
●ボディカラー:ガーネットレッド/スーパーブラック(2トーン)
ノート(4WD)
ノート AUTECH クロスオーバー(4WD)
ノート オーラNISMO(FF)
ノート オーラ(FF)
NISSANのさまざまなクルマを氷上でドライブ!
スカイラインとGT-Rは乗りこなす楽しみがあるにしても一般的にはメリットとは言い難い。FFの電動駆動系は氷雪上の優等生というか、危険やドライバーに掛かるストレスの勘所を押さえた制御が見所。ただ、制御の緻密さやコントロール領域の幅広さは世代によって異なりノート系と比較すると多少大雑把な印象だ。
GT-R(4WD)
スカイライン(FR)
リーフ(FF)
キックス(FF)
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この分野で日産は一歩リードしてる