スーパーカーのルーツ的存在である、ランボルギーニ ミウラ。その最終進化形となった「P400SV(以下、SV)」が初披露されてから50年が過ぎた。そこで、ランボルギーニ社から送られてきた画像とともに、このミウラSVについて改めて振り返ってみることにしよう。
SVとは「スーパーヴェローチェ(超高速)」の略称だった
1971年3月11日、ジュネーブ モーターショーのランボルギーニ社のブースで、ミウラSVは初披露された。当日、同じランボルギーニからは「カウンタック LP500」というプロトタイプも世界初公開されたが、ミウラSVとの兼ね合いで、デザインを手がけたベルトーネのブースでお披露目されたというのは、スーパーカー好きには有名な話だ。
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1967年に発売されて以来、大成功を収めていたミウラの最終進化形として登場したミウラSV。「SV」とはスーパーヴェローチェ(超高速)の略で、当初はSシリーズに付随するモデルとして構想されていたが、SVのあまりの反響に、結果的にはSシリーズの後継となった。
ミウラSVは、ミウラの最高峰モデルと認められている。当時のランボルギーニのチーフエンジニアで、ミウラとミウラSの生みの親であるジャンパオロ・ダラーラとパオロ・スタンツァーニは、ミウラの生産を始めてからの5年間の経験がミウラSVに活かされていると語っている。
ミウラSVのV12エンジンは、最高出力が385hp/7850rpmに高められ、最大トルクも40.7kgm/5750rpmに改善された。ウエーバー製40IDJ3Cのトリプルバレル キャブレターも再セッティングされた。エンジンとギアボックスで独立した潤滑システムが導入されたのは、ミウラSVの生産開始後だったが、外見上は分からないこの変更は、技術的には極めて重要な改良となった。
ミウラSVは、他のミウラとはメカニズムもスタイルも大きく異なっている。4LのV12エンジンを横置きミッドシップ搭載するレイアウトは同じだが、補強されて剛性を上げたシャシ、アンカーポイントとアームが改良されたリアサスペンション、130mmほど広げられたトレッドを採用。前後のタイヤサイズも変更し、リアは7インチから9インチに、幅255mmのタイヤを装着した。デザインはよりスポーティに変わり、魅力的なゴールド仕上げのリムがオーナーから好評を得ていた。
エクステリアの変更は、ミウラのオリジナルプロジェクトを担当したマルチェロ・ガンディー二が手掛けた。エクステリアの特徴は、拡大されたリアフェンダー、デザインを一新したテールライト、フロントボンネットに新設された印象的なラジエター用エアインテークが挙げられる。インテリアはレザーを多く採用し、クロームメッキを随所に施すことで、従来よりも高級感のあるモダンな仕上がりとなっている。
だが、もっとも重要な変更点はヘッドランプまわりの「アイラッシュ(まつ毛)」がなくなったことだろう。この変更は技術的な理由ではなく、アイラッシュの組み立ては非常に高度な仕上げが要する作業だったので、フェルッチオ・ランボルギーニがミウラの生産時間を短縮するために決定した。しかし、彼のミウラSVにはヘッドライトまわりのアイラッシュを残し、それがこの仕様を採用した唯一のミウラSVとなった。
ミウラSVの公式な最高速度は290km/hを超え、0→1000m加速は24秒未満。これは当時としては記録的な性能であった。
ミウラSVは1973年に生産終了するまでに、150台がつくられた。1975年にウオルター・ウルフのために最後の1台が特別に製造され、現在はサンタアガータにあるランボルギーニ ミュージアムに所蔵されている。
ミウラSVの生産終了で、スピードとしなやかなラインが一世を風靡した時代も終わりを迎えた。それは、内なる情熱と優れた技術的才能に恵まれた一握りの若者たちによって、今もなお、最高に美しいと称えるクルマを生み出した時代だった。
■ランボルギーニ ミウラ P400SV 主要諸元
●全長×全幅×全高:4390×1780×1100mm
●ホイールベース:2504mm
●車両重量:1305kg
●エンジン種類:60度V12 DOHC
●排気量:3929cc
●最高出力:385ps/7850rpm
●最大トルク:40.7kgm/5750rpm
●駆動方式:横置きミッドシップRWD
●トランスミッション:5速MT
●タイヤサイズ:前215/70VR15、後255/60VR15
[ アルバム : ランボルギーニ ミウラ P400SV はオリジナルサイトでご覧ください ]
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みんなのコメント
カウンタックよりミウラ派です。