かつては「レガシィツーリングワゴン」を筆頭に、ホンダ「アコードワゴン」、トヨタ「カルディナ」、日産「アベニール」、三菱「レグナム」などの名車が続々と登場するなど、一大ブームを巻き起こした「ステーションワゴン」。だが現在は、輸入メーカーからは数多くラインアップされているものの、国内メーカーからは、トヨタ「カローラツーリング」やスバル「レヴォーグ」など、数えるほどしかラインアップされていない。
しかし、新型クラウンに「エステート」が復活設定されたことで、(トヨタは新型クラウンエステートを「ラージSUV」と呼んでいるが、ボディサイズをみれば、ステーションワゴンのリフト版といった感じ)今後は、ステーションワゴンにも注目が集まってくるのでは!?? と、ステーションワゴン好きとしては、期待している。
日産ステージア復活可能性は!??? 新型クラウン「エステート」登場でワゴンブーム再来を狙え!!
荷室の積載量の多さに加え、セダン譲りの優れた走行性能、低く流麗なデザイン、低めのアイポイントなど、魅力的なポイントが多いステーションワゴン。そのステーションワゴンで、クラウンの「エステート」のように復活を期待したいのが、1996年に登場した日産「ステージア」だ。スカイライン譲りの走りは、当時とても評判がよかった。
もしステージアを現代に復活させるとしたら、どのような姿となるのか、新型クラウンエステートの対抗馬となるのだろうか。
文:吉川賢一
写真:NISSAN、TOYOTA
スポーティな走りと、余裕あるエンジンパワーが魅力
初代ステージア(WC34型)はローレル/スカイラインのシャシーを採用したワゴンとして誕生した。直列6気筒エンジンを縦置きで搭載し、駆動方式はFRもしくは4WD、サスペンションもスカイラインと同じマルチリンク形式を採用。スポーティな走りに貢献するアイテムが投入されており、まさに「スカイラインワゴン」といったモデルであった。なかでも、1997年にオーテックジャパンから登場した、R33型スカイラインGT-R用のRB26DETTエンジンやドライブトレイン、リアサスペンションを流用した「260RS」は、その圧倒的な走りから、「超快速ステーションワゴン」として人気があった。
オーテック ステージア260RS(1997年)。R33型スカイラインGT-R用のRB26DETTエンジンやドライブトレイン、リアサスペンションを流用した、国内最強のステーションワゴンだ
2001年に登場した2代目ステージア(M35)は、海外市場を視野にいれて開発された、INFINITIの「G35」やV35型スカイラインと共通の、FR-Lプラットフォームを採用。エンジンはV型6気筒へと移行し、駆動方式はFRもしくは4WD。2003年には、3.5LのVQ35DE型エンジン(280ps)を搭載し、6速MTも用意された特別仕様車の「アクシス350S」も登場。余力あるエンジンパワーで優雅に流すこともできるし、その気になれば圧倒的なパワーで猛烈加速する、その両面を持ち合わせたステーションワゴンであった。
VCターボe-POWERが復活版ステージアには相応しい!!
そんなステージアを復活させるとしたら、どのような姿が望ましいのか。復活版のステージア、もしくは後継ステーションワゴンの姿を考えてみよう。
やはりステージア(もしくは後継ステーションワゴン)には、(400Rの3.0L V6ツインターボエンジンもあることだし)現行スカイラインのパワートレイン流用を期待してしまうところだが、時代に合わせるならば、新型エクストレイルに搭載されたVCターボe-POWERをパワートレインとするのが理想的だと思う。
エンジンは横置きとなるが、排気量2.0LのVCターボエンジン+第2世代e-POWERは、相当、パンチのあるパフォーマンスを引き出せるはず。駆動力制御のe-4ORCEも、ステージア譲りのキビキビ感達成に貢献してくれるだろう。駆動用バッテリーのパッケージングには苦労するだろうが、ステーションワゴンの魅力は、アイポイントの低さによる「走行中の安心感の高さ」、そして全高の低さがもたらす「スタイリシュなデザイン」だ。新型クラウンエステートのようなリフトアップはせず、背の低いワゴンに仕立ててほしい。
そのうえで、ノートやノートオーラ、アリアやサクラでみせてくれた、いまの日産車のデザインが施されれば、かなり魅力的なステーションワゴンとなるのではないだろうか。
新型クラウンエステートの売れ行き次第では、復活もあるかも!??
新型クラウンエステートは、現時点、その素性が明らかになっていない。トヨタは、新型クラウンエステートについて、「大人の雰囲気で余裕のある走りを持つ機能的なSUV」だと説明しているが、フロントマスク(グリル開口部が少ない)を見るとバッテリーEVのようにも見えるし、開発目標が全長4950mmとロングボディである点を考慮すると、ひょっとすると3列シート車となる可能性も考えられる。
冒頭でも触れたように、ステーションワゴンは国内メーカーのラインアップではごくわずかだが、メルセデスやBMW、アウディ、フォルクスワーゲン、ボルボ、プジョー、そしてジャガーに至るまで、輸入車メーカーの主力車種には、ステーションワゴンタイプが設定されており、国内でも需要がないわけではない。新型クラウンエステートの売れ行き次第では、次期型スカイラインでも、新型クラウンのように、ボディバリエーションのひとつとして、ワゴンが設定される可能性もなくはない。
復活版ステージアが、前述のような姿で登場するとすれば、ボディスタイルが違うために、比較とならないかもしれないが、新型クラウンエステートや、前述した復活版ステージアのような、次世代コンポーネンツを使ったステーションワゴンの選択肢があれば、輸入ステーションワゴンやSUVへ流れていったユーザーも、再び国産ステーションワゴンに注目してくれるに違いない。今後の展開に期待だ。
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みんなのコメント
実際はSUVだし。