2021年1月21日−24日、2021年のWRC(世界ラリー選手権)開幕戦ラリー・モンテカルロが南フランスのギャップおよびモンテカルロを起点に開催され、セバスチャン・オジェ(トヨタ)が優勝。チームメイトのエルフィン・エバンスが2位に入り、トヨタが1−2フィニッシュを達成した。トヨタ勢は、カッレ・ロバンペラが4位、勝田貴元がWRC自己最上位となる6位でフィニッシュするなど、幸先のいいスタートとなった。
オジェが見せた圧巻の適応力、モンテ8勝目、WRC通算50勝目
コロナ禍の影響で恒例の木曜夜のナイトステージが消滅、さらにはフランス国内の午後6時以降外出禁止令にしたがって、早朝スタートへラリースケジュールを移行と、異例の状況での開催となった今年のモンテカルロ。しかし、世界最難関と言われるラリーのキャラクターは変わらず、ここをホームラリーとする王者オジェの強さも変わらなかった。
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2021年からWRCのコントロールタイヤとなったピレリタイヤへの適合に多くのドライバーが悩まされるなか、オジェは金曜日のラリーオープニングのSS1とSS2こそブレーキ不調でペースを上げられなかったものの、サービスで問題を修正した後は3連続ベストタイムをマークして首位に立った。
その後、金曜日午後のSS6でパンクに見舞われて一時順位を落とすが、SS7、土曜日のSS9と連続ベスト(SS8はキャンセル)で再び首位を奪回。そのまま最終日のフィニッシュまで走り切り、自身通算50勝目のメモリアルウィンをパワーステージまで制するパーフェクトウィンで飾った。
チームメイトのエバンスは初日の首位からオジェに逆転を許したものの、悠々と2位でフィニッシュ。ロバンペラもパンクで後退したものの4位に入る健闘を見せた。
さらに、2021年からマニュファクチャラーズ選手権にもポイントが与えられることになったパワーステージでもトヨタが1−2−3の速さを見せ、2020年に続いての激しい戦いが予想される日韓対決は、ヒュンダイがコースオフやタイヤトラブルで優勝争いに絡めなかったこともあって、まずはトヨタの完勝となった。
ヒュンダイはティエリー・ヌーヴィルが3位に入り、トヨタの表彰台独占を阻止するのがやっとだった。
2021年は全戦出場の勝田貴元、大健闘の6位で初戦をフィニッシュ
今シーズンはトヨタ ヤリスWRCでフル参戦することになった勝田貴元がWRC自己最上位となる6位でフィニッシュした。
ラリーの出だしこそ、初体験のピレリのスーパーソフトタイヤと刻々と変化する路面のコンディションに戸惑ってペースが上げられなかったものの、金曜日昼のサービスで自身のアイスノートクルー(スタートの2~3時間ほど前にステージを走って、ドライバー/コドライバーに当日の路面の状況を伝える)とじっくりと話し合って自信を取り戻し、昨年のモンテカルロとは比較にならないほどのハイペースで走行。時にWRCトップ集団に割って入る好タイムもマークし、無事にモンテカルロのフィニッシュに戻ってきた。
チームから課せられていた絶対完走のターゲットを達成したことで、得意とする次戦のスノーラリーでは「全開許可」が出るものと思われ、さらなる活躍に期待がかかる。
次戦WRC第2戦アークティック・ラリー・フィンランドは2月26−28日に開催される。アークティック・ラリー・フィンランドは、新型コロナウイルスの影響により中止となったラリー・スウェーデンの代替イベントとして急遽開催されることになったイベントで、アークティック(=北極圏)という名の通り、雪と氷に覆われたフィンランド最北端の地域を舞台に行われる。
2021WRC開幕戦ラリー・モンテカルロ 結果
1位:S.オジェ(トヨタ ヤリス WRC)/2h56m33.7s
2位:E.エバンス(トヨタ ヤリス WRC)/+32.6s
3位:T.ヌーヴィル(ヒュンダイ i20クーペ WRC)/+1m13.5s
4位:K.ロバンペラ(トヨタ ヤリス WRC)/+2m33.6s
5位:D.ソルド(ヒュンダイ i20クーペ WRC)/+3m14.2s
6位:勝田貴元(トヨタ ヤリス WRC)/+7m01.3s
7位:A.ミケルセン(シュコダ・ファビア Rally2 エボ)/+7m23.6s
8位:G.グリーンスミス(フォード フィエスタ WRC) /+8m21.1s
9位:A.フルモー(フォード フィエスタ ラリー2)/+9m15.8s
10位:E.カミリ(シトロエン C3 ラリー2)/+10m41.0s
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