2016年のEICMA(ミラノショー)に「T7コンセプト」の名で出展され、その後アップデートを繰り返しながらさまざまなショーに姿を現してきたヤマハの次世代アドベンチャーモデルが、11月6日に開幕した(一般公開は8日から)EICMAにて市販モデル「YAMAHA Ténéré(ヤマハ・テネレ)700」としてデビューした。世界的に人気を集めているアドベンチャー・カテゴリーだが、オンロード主体のモデルが多いなか、テネレ700はかなり本格派オフローダーに振ったキャラクターを与えられている。何にも似ていない前衛的なスタイルにも注目だ。
伝統のネーミングを冠された本格オフローダー
【EICMA2018】ヤマハNIKENに続くLMWは300ccのプロトタイプ!「3CT」がミラノでお披露目
かねてより世界中のショーに出展され、ファンの期待を一身に集めていた「T7プロトタイプ」が、ついに市販モデルとしてベールを脱いだ。本記事掲載日の二日後、11月8日(木)に一般公開が始まるEICMA(ミラノショー)にて、「YAMAHA Ténéré(ヤマハ・テネレ)700」の名でデビューしたのだ。
テネレとはニジェールからチャドにおよぶ広大な砂漠の名称で、これまでもヤマハの本格的エンデューロモデルに冠されてきた歴史がある。
エンジンはMT-07およびトレーサー700(日本未導入)と共通の並列2気筒689ccエンジンで、不等間隔燃焼による力強い鼓動感が魅力の270度クランクを持つ。ただし、スーパーネイキッドのMT-07と、それをベースにアドベンチャーモデルとしたトレーサー700がダイヤモンドフレームを持つのに対し、テネレ700はダブルクレードルフレームを採用する。
ホイールはフロントが21インチ、リヤが18インチで、こうした点からもテネレ700がより本格的オフローダーとしての資質を備えていることがうかがえる。
そして何より、「T7コンセプト」そのままの前衛的なスタイルも大きな魅力だ。4つのLEDが睨みを効かせるヘッドランプや縦型の液晶メーターなど、とにかく斬新で意欲的なデザインだ。
オンロード性能を優先させたアドベンチャーモデルが多い中、しっかりオフロードに軸足を置いたテネレ700。直接のライバルはホンダCRF1000Lアフリカツインになるだろうが、689ccという排気量がもたらす軽さは、とくにオフロードでは大きなアドバンテージとなるだろう(車両重量は今のところ未公表)。
そして本格オフローダーながらどこか都会的で洗練されたデザインは、新たな顧客層を開拓する可能性も高い。日本での発売にも期待したい一台だ。
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