現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > このまま歴史の狭間に埋もれさせるには惜しい!! 2代目ロータス・ヨーロッパは野蛮さを武器にしてドライバーのやる気を掻き立てる小さなスーパースポーツ

ここから本文です

このまま歴史の狭間に埋もれさせるには惜しい!! 2代目ロータス・ヨーロッパは野蛮さを武器にしてドライバーのやる気を掻き立てる小さなスーパースポーツ

掲載 13
このまま歴史の狭間に埋もれさせるには惜しい!! 2代目ロータス・ヨーロッパは野蛮さを武器にしてドライバーのやる気を掻き立てる小さなスーパースポーツ

ラグジュアリーなエリーゼとして産み落とされ、2代目ヨーロッパを襲名したロータス・タイプ121。僅か500台程度しか生産されず、歴史の狭間に埋もれようとしている。このクルマの本性は狂気にも似た意外性を含んでいる。

【写真4枚】僅か500台程度しか生産されなかったラグジュアリー・ロータス「ヨーロッパS」の詳細を写真で見る

元祖ヘビーデューティー・オフロード4WD『ジープ・ラングラー・アンリミテッド・ルビコン』で”ホンモノ”の歴史と世界感を味わう

従順ならざるラグジュアリーの一撃

2代目ロータス・ヨーロッパことヨーロッパSは失敗作の烙印を押されている。5年ほどの製造期間に500台ちょっとしか生産されなかったからだ。不人気の本当の理由はわからないが、当時このクルマのステアリングを握った時、ラグジュアリーを謳いながら少しもそうではなかったことだけは覚えている。

歴史を俯瞰したとき、ロータスと名の付くクルマでラグジュアリーを売りにして成功したモデルがあっただろうか。当のロータスはブランドのカバレッジを広げようとして挑戦していたが、市場はそれを求めていなかったのだと思う。

ラグジュアリーではないとしたら、ヨーロッパSとはどんなクルマだったのか? コクピットは変えようもなく窮屈。直線路ではサイズ感を超えて伸びが良く、ウェット路面ではターボが狂気的な一面を垣間見せることがあった。雨の高速道路で料金所からゼロスタートしたときには3速に入ってもまだ盛大なホイールスピンが止まらなかったほどである。

ロータスは何より軽さとドライバビリティを重んじるブランドであり、ことエリーゼ/エキシージに関しては、スーパーチャージャーこそあれターボは採用していない。エリーゼのシャシーにターボ・エンジンを組み合わせたのは、オペルのそれと2代目ヨーロッパだけなのである。

ロータスはエリーゼをマーク2に進化させるにあたり、再びGMの協力を仰いでいる。エリーゼ・マーク2のエンジンはすでにトヨタ製に決まっていたため、GMはオペル/ボクゾール・ブランドのスポーツカー生産を要求した。エリーゼのアルミバスタブシャシーを利用し、GM製の2リッター・ターボを組み合わせたオペル・スピードスターは2000年から2005年まで生産された。その翌年からはオペル用のパッケージングを利用したロータス・ヨーロッパSがデビューしている。

もしかしたらヨーロッパSはヘセルの工場に残されていたオペル用のリアサブフレーム(ホイールベースがエリーゼより3センチ長くなる)とターボ・エンジンの有効利用だったのかも(?)。そうではないにせよ、今あるリソースで何か作れないかと考えた彼らは、エリーゼより少しだけマシなラゲッジルームと革内装を盾にしてヨーロッパSをラグジュアリーモデルだと言い張り、その結果としてマーケットにほとんど受け入れられなかったというのが真実だろう。

そう、ヨーロッパSはラグジュアリーモデルではない。その正体は、最も過激なエスプリ・ターボとして知られるスポーツ300にも通じる従順ならざるロータスだったのである。

21世紀のターボ車でありながら、ヨーロッパSはABSしかドライバーズエイドを備えていなかった。ホイールスピンを愉しむのも止めるのも、全てはドライバーの右足に掛かっている。野蛮さを武器にしてドライバーのやる気を掻き立てる類のロータスは、見方を変えれば限定500台の小さなスーパースポーツだ。挑戦してみる価値は大いにある。

こんな記事も読まれています

ワゴン専用になったVW『パサート』、524万8000円で日本発売 PHEVはEV航続142kmに
ワゴン専用になったVW『パサート』、524万8000円で日本発売 PHEVはEV航続142kmに
レスポンス
「“新型”スカイライン」登場はいつ!? 北米では「次期型」を示唆! 67年・13世代続いた「老舗ブランド」の刷新で「ニッサン復活」を目指せ!
「“新型”スカイライン」登場はいつ!? 北米では「次期型」を示唆! 67年・13世代続いた「老舗ブランド」の刷新で「ニッサン復活」を目指せ!
くるまのニュース
シンプルなデザインが光る新製品「RAPIDE-NEO 46works/ラパイド・ネオ 46ワークス」がアライヘルメットから12月下旬発売!
シンプルなデザインが光る新製品「RAPIDE-NEO 46works/ラパイド・ネオ 46ワークス」がアライヘルメットから12月下旬発売!
バイクブロス
「大人レゴ」にマンセルのウィリアムズF1マシン登場、価格は1万2480円
「大人レゴ」にマンセルのウィリアムズF1マシン登場、価格は1万2480円
レスポンス
[NAでFR]のロードスターと[ターボでFF]のスイフトスポーツを比べてみた
[NAでFR]のロードスターと[ターボでFF]のスイフトスポーツを比べてみた
ベストカーWeb
ペレス「マックスのすごさを実感した一年。ベストのマシンがないときでも卓越した仕事をし、チームの推進力となった」
ペレス「マックスのすごさを実感した一年。ベストのマシンがないときでも卓越した仕事をし、チームの推進力となった」
AUTOSPORT web
いすゞの「“4人乗り”和製スーパーカー」! 4.2リッター「V8」×MTの「MRマシン」に反響多数! 超カッコイイ「4200R」が「欲しい」「憧れる」と話題に
いすゞの「“4人乗り”和製スーパーカー」! 4.2リッター「V8」×MTの「MRマシン」に反響多数! 超カッコイイ「4200R」が「欲しい」「憧れる」と話題に
くるまのニュース
F1に導入されるドライバー冷却キットはどんなモノ? 初年度の2025年はクールスーツだけど……チームに独自開発許される
F1に導入されるドライバー冷却キットはどんなモノ? 初年度の2025年はクールスーツだけど……チームに独自開発許される
motorsport.com 日本版
クルマ、何に乗ってるの? 僕たちの愛車紹介 #16|日産 ステージア
クルマ、何に乗ってるの? 僕たちの愛車紹介 #16|日産 ステージア
くるくら
【社会人なら知っておくべきイマドキ知識】植物から燃料を作る「バイオ燃料」は3つの種類がある! 2つはもう実用化されていた
【社会人なら知っておくべきイマドキ知識】植物から燃料を作る「バイオ燃料」は3つの種類がある! 2つはもう実用化されていた
WEB CARTOP
438.7km/hでギネス認定、アスパーク『アウルSP600』が電動ハイパーカー世界最速に
438.7km/hでギネス認定、アスパーク『アウルSP600』が電動ハイパーカー世界最速に
レスポンス
【MotoGP】ホンダ、テストに新パーツなかったのはなぜ? 「プロトタイプをここに持ち込む意味はなかった」
【MotoGP】ホンダ、テストに新パーツなかったのはなぜ? 「プロトタイプをここに持ち込む意味はなかった」
motorsport.com 日本版
レクサス新型「“和製”スーパーカー」まもなく登場!? LFA後継機な「LF“R”」か!? 超ロングノーズ&迫力デザインの新モデル予想CGがスゴイ
レクサス新型「“和製”スーパーカー」まもなく登場!? LFA後継機な「LF“R”」か!? 超ロングノーズ&迫力デザインの新モデル予想CGがスゴイ
くるまのニュース
キャデラックの新F1チーム、アンドレッティとのつながり残る。マリオ・アンドレッティが非常勤の取締役に
キャデラックの新F1チーム、アンドレッティとのつながり残る。マリオ・アンドレッティが非常勤の取締役に
motorsport.com 日本版
一体どんな内容!? モータースポーツ総合エンターテイナー濱原颯道が開催したクシタニライダー台湾人スクールin桶川スポーツランド
一体どんな内容!? モータースポーツ総合エンターテイナー濱原颯道が開催したクシタニライダー台湾人スクールin桶川スポーツランド
バイクのニュース
“グーグルマップよりも使いやすい”って噂はホント!? トヨタが開発した完全無料のスマホ「カーナビアプリ」ってどんな感じ?   試してわかった実力とは
“グーグルマップよりも使いやすい”って噂はホント!? トヨタが開発した完全無料のスマホ「カーナビアプリ」ってどんな感じ? 試してわかった実力とは
VAGUE
限定車「ICON EDITION」をBonneville T100などモダンクラシックシリーズに設定!筆記体ロゴ復活!【トライアンフ】
限定車「ICON EDITION」をBonneville T100などモダンクラシックシリーズに設定!筆記体ロゴ復活!【トライアンフ】
モーサイ
「娘友達を乗せたらベルト未着用で捕まりました。ママ達は笑うだけで謝りません。不快です」投稿に回答殺到!?「感じ悪い」「でも貴女は命を預かってる」大激論に…悪いのは誰なのか
「娘友達を乗せたらベルト未着用で捕まりました。ママ達は笑うだけで謝りません。不快です」投稿に回答殺到!?「感じ悪い」「でも貴女は命を預かってる」大激論に…悪いのは誰なのか
くるまのニュース

みんなのコメント

13件
  • 初代ヨーロッパの印象が強いだけに、二代目にガッカリなエクステリア
  • エリーゼより45㎜低められ乗降性が向上したサイドシル
    エリーゼの112ℓから154ℓに拡大されたリヤのラゲッジスペース
    エリーゼより100㎏重量増がもたらした抑えの利いた乗り心地
    トヨタ2ZZ搭載のエリーゼよりトルクフルで扱いやすい
    オペル製ターボエンジンete…

    ヨーロッパSが目指したのは「ビジネスに使える快適なエリーゼ」
    といったところでしょうか。
    ロータスのこれまでのラインナップからすると地味な印象の本車
    でしたが、この開発の経験が後のエヴォーラ~最新のエミーラに
    繋がっていったワケですね。

    車両開発の軸足をEVに大きく振って行ったロータス。
    これまで生産された内燃機関搭載のロータス車の、今後の中古車
    相場の動向が気になります。
    このヨーロッパSも、総生産500台余の希少性が今後どう評価される
    のでしょうか…
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

677.3698.3万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

428.0980.0万円

中古車を検索
ヨーロッパの車買取相場を調べる

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

677.3698.3万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

428.0980.0万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村