2023年内のフルモデルチェンジが噂されている、トヨタ「ランドクルーザープラド」(以下、プラド)。ただ、依然として続く生産調整の影響もあり、新型プラドが登場したところで、すぐに手に入れることは難しいと思われる。数か月ならまだしも、1年や2年どころか、昨今の新車の納期は、人気車ともなれば3年とも4年ともいわれ、そんなに待てるわけがない、というのが多くの人の本音だろう。
ただやはり、焦って損はしたくないもの。いますぐプラドに乗り換えたい!! という方に向け、現行型プラドの賢い売り時、得する買い方をご紹介しよう。
「中古は2018年式以降を狙え」ランクルプラドの賢い売り時と確実に得する買い方!!
文:吉川賢一
写真:TOYOTA
新車不足の影響で、さらに相場が下がりにくくなっているプラド
「リセールがいいクルマ」といえば、ランドクルーザーが有名だが、その弟分であるプラドもまた、リセールのいいクルマだ。2009年9月に登場した現行150系ランドクルーザープラドは、2017年9月にフロントフェイスを大幅に変更した後期型へとマイナーチェンジをしているが、すでに13年目に突入した長寿モデルだ。
いよいよフルモデルチェンジが近づいてきたプラドだが、国内販売は尻つぼみするどころか、むしろ増えている。過去5年の販売台数をみると(自販連発表のデータ、ランドクルーザーとの合算値)、2017年22,576台、2018年29,416台、2019年28,475台、2020年26,296台、2021年は33,481台、2022年はなんと35,390台となった。プラドはこのうち8割程度(2022年でいえば、28,000台程)を占めるので、トヨタ車において、RAV4(31,118台)に次ぐ勢いで売れていることになる。
なぜこれほど人気があるのか。もちろん、本格クロカンとして、ランクル譲りの走破性の高さは大きな魅力であるが、扱いやすいボディサイズによる「使い勝手のよさ」や、床下格納式の3列シートを備えた7人乗りが用意されていること、また、3列目を畳めば巨大なラゲッジスペースも確保できることも大きな魅力だろう。
決定的なのがコスト面のメリットだ。プラドの最人気グレード、「TX Lパッケージ(7人乗り)」は税込432万円~。300系ランドクルーザーはエントリーグレードでも税込510万円(最人気グレード「ZX」は730万円)であることを考えれば、プラドは圧倒的に安くてお買い得なのだ。
プラドは海外でも人気で、ロシアやケニア、バングラデシュ、マレーシアなど、様々な国へ、中古プラドがバンバン輸出されている。この人気に加えて、昨今では新車生産減少の影響もあり、さらにはロシアにおけるトヨタ撤退の影響もあることで、中古車を日本から輸入するという手段をとるバイヤーが多く、高い人気が保たれている。もともと中古車相場の下がりにくいプラドだが、いまはさらに下がりにくくなっているのだ。
ランドクルーザープラドは、4825×1885×1850(全長×全幅×全高)mm(※300系ランクルは4950×1980×1870)、全高はランクルとほぼ変わらないが、全長は125mm、全幅は95mmもプラドのほうが小さい
買うならば「TX Lパッケージ」の7人乗りでサンルーフは必須
残念ながら、現時点(2023年2月)で、プラドはオーダーストップとなっており、おそらく、いまから現行プラドの新車を買うことは難しいだろう。いまプラドが欲しいのであれば、質の良い中古車を買って、数年間乗ったあと、高く買い取ってもらって(供給が落ち着いたころに新型プラドに乗り換える)という作戦が、プラドの「もっとも賢い買い方」と思われる。
プラドは2017年のマイナーチェンジ以降の後期型(2017年9月~)と、それ以前の前期型(~2017年9月)との間で、中古車相場に50~100万円ほどの違いがあり、前期型と後期型は別物のクルマとしてみたほうがいい。ヘッドライトやグリルなどフロントフェイスが異なるので、違いは一目瞭然だ。また中古車相場を確認したところ、2018年式から2020年式の価格差は、さほどない状況にあった。程度のいい2020年式あたりを狙うのが良いだろう。
また、2.7L直4ガソリンエンジン車のほうが、2.8L直4クリーンディーゼルエンジン車よりも、中古車市場での流通数が多く、5人乗り仕様よりも7人乗り仕様のほうが、人気は高い(=査定も高い傾向)。ボディカラーはパールホワイトかブラック、必須のオプションがサンルーフ、この辺りは外せない。
その上で、走行距離は少なく(5万キロ以内など)、車両評価は「良い」(6点満点で4.5点以上など)を選ぶこと。売却の際には車両評価も重要となるため、車高を弄ってあったり、トヨタ純正パーツ以外でカスタムされたような個体は、極力避けてほしい。
ちなみに、業者向けのオートオークションでは、5年落ち(2018年式)のプラドが、新車価格と変わらぬ価格で取引されている例もある。日本で走行していた質の良い中古車が海外向け輸出車として高値で取引されており、年式やグレード、ボディカラー、走行距離、装備内容次第では、さらに高値で取引されている例もある(業者向けのオートオークションであるため、一般の買取店での査定額とは異なる)。
モデリスタエアロを装着したランドクルーザープラド。エアロパーツは査定でプラスとなることが多いアイテムだ
賢い売り方は、9月ごろに手放す
一方、賢い売り方のポイントは、売却するタイミングだ。売却するのにもっともよいタイミングは、「年式が切り替わる数か月前」。プラドが輸出されていく国の中には、「製造から5年以内まで」のように、年式規制を導入している国があり、その規制が切り替わる直前が、もっとも売り時だからだ。
年式規制に間に合わせるには、年式が上がる前に、現地に到着しておく必要があるが、クルマは輸送船で海外へ移送されるため、現地到着には最低でも3週間~1か月はかかる。プラドに限ったことではないが、海外輸出に絡むクルマ(ランクルやハリアーなど)は、できれば9月、遅くとも10月頭までには手放すと、プラス条件となりやすい傾向にある。
2017年のマイナーチェンジで刷新されたプラド後期型のインテリア。ランドクルーザーほどの豪華さはないが、無骨な雰囲気でカッコ良い
◆ ◆ ◆
気になるのは、新型プラドが登場したあと、旧型となった(現行)プラドの中古相場が下落する可能性だが、筆者は、急激な下落はないと推測している。新型が生産される以前に、既に溜まってしまったプラドのバックオーダーを処理しなければならないし、新車供給は2023年も解消されないと思われるため、急激な下落は考えにくいからだ。ぜひ参考にしていただき、お得にプラドを楽しんでほしい。
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