マツダ株式会社は2023年1月13日、ブリュッセルモーターショーにおいて新しいプラグインハイブリッドモデル「MAZDA MX-30 e-SKYACTIV R-EV」を公開した。航続距離というバッテリーEVの弱点をサポートするのが、発電機としてのロータリーエンジン。マツダを象徴するパワートレーンが、次世代マツダの「らしい走り」を実現すべく、現代に蘇る。
小型・軽量、上質感まで備えたロータリーユニットをチョイス
今回、発電用ユニットとしてロータリーエンジンが搭載されたのは、マツダ初の量産バッテリーEV「MX-30」だ。2020年にマイルドハイブリッドモデルとともに日本市場に導入されたクロスオーバーモデルだが、スタイリッシュなフォルムや素材感にもこだわったインテリアなど、格上のクオリティ感を実現している。
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Brussels Motor Showで公開されたマツダMX-30 e-SKYACTIV R-EV(以下R-EV)は「ハイブリッド」ではあるが、EV仕様と同様に一般道・高速道路を問わず電気モーターで走行、エンジンは発電のみを担う。マツダはこのシステムを「シリーズ式プラグインハイブリッド」と呼んでいる。
マツダが、小型で軽量なロータリーユニットをレンジエクステンダーとして利用する技術は、2018年の新技術説明会で明らかにされた。シンプルな構造はレシプロエンジンとの比較でもスペース効率に優れ、レイアウトの自由度も高いことが積極的に開発を進めた理由のひとつだ。
同時にマツダは、発電ユニットとしてのロータリーエンジンに「上質感」というメリットも見出した。特有の機構、構造、燃焼特性によって、低周波から高周波まで静粛性が高く、澄んだ音質を実現できるという。
ロータリーの「R」×「EV」、そしてさらに特別な「Edition R」を設定
R-EVに搭載されるリチウムイオンバッテリーの総電力量はBEV仕様車のほぼ半分となる17.8kWh、電池だけでの走行距離は85kmとされている。これにロータリーユニットが生み出す電気をプラスことで、さらなる長距離ドライブを可能にする。
実質的なレンジもまだ発表されていないものの、タンク容量がMHEVモデルとほぼ同様の50L確保されていることを鑑みるに、かなりの航続距離が期待できそうだ。普通充電はもちろん急速充電にも対応しており、高速道路を使った移動でも「実用性」が高い。
走行モードは「EVモード」「ノーマルモード」「チャージモード」を備え、ドライブコンディションに合わせてチョイスできる。1500Wの給電機能も備えているので、災害時などにも活躍してくれそうだ。
Brussels Motor Showではさらに、R-EVの魅力をわかりやすくアピールする特別仕様車「MAZDA MX-30 e-SKYACTIV R-EV Edition R」が発表された。エクステリアカラーはブラックを基調に、ルーフサイドに質感の高いマローンルージュメタリックを配する。この差し色のアレンジは、マツダ初の乗用車である「R360クーペ」のル―フ色をモチーフとしているという。
インテリアでも「専用」の雰囲気が演出されている。フロアマットにはローター形状のバッヂを、シートのヘッドレストには同じくローター形のエンボス加工といった専用アレンジを施す。
歴代RX-7をリアルタイムで見てきた世代にとっては、ロータリーエンジンは「飛び切り刺激的だけれど燃費がとても残念なスポーツユニット」というイメージが強い。けれどR-EVは新しい時代の「マツダらしさ」を実現するために、その才能を有効活用している。
ドライビングの醍醐味を見失うことなく、地球・人にやさしい技術を生かすことにこだわり続けているマツダが、隔世の観がある覚醒版ロータリーエンジンでどんなプラグインハイブリッドを作り上げるのか・・・日本への「凱旋帰国」が楽しみだ。
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みんなのコメント
バッテリーの走行距離は85kmで、373マイルは600kmだから、ロータリーエンジンの燃費は10.3km/L。
ここまで燃費の悪い車は新型車として珍しい。実燃費はさらに落ちるはず。
当初、この車をマツダ100周年に間に合わせるつもりだったらしいが「ある性能のブラッシュアップを行なっている為、発表が遅れている」との事だったので、排ガス規制適応か、燃費性能かと思っていたが、英文記事には高効率化と排ガス適合の解説はあったので(高圧縮比、ガソリン直噴、EGRとガソリン粒子フィルター付き三元触媒(!))、この辺りに相当手間取っていたものとみた。