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ナニがすごい? ホンダ「CB650R」を徹底検証! 軽量化とマスの集中化に特化したネイキッドスポーツ

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ナニがすごい? ホンダ「CB650R」を徹底検証! 軽量化とマスの集中化に特化したネイキッドスポーツ

イタリアのミラノで開催されたEICMA2018(ミラノショー)で世界初公開となり注目を浴びたホンダCB650R。3月15日に国内発売される同車の詳細やポイントを、徹底的にチェックしてみた。REPORT●北秀昭(KITA Hideaki)

ホンダ・CB650R……961,200円

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 新世代CBシリーズとしてスタイリングの一新を図り、従来のCB650Fから“R”の称号を与えて更なる進化を遂げた「CB650R」。

 CB650Rの開発コンセプトは、「都市のライフスタイルに興奮を(Middle Sports Roadster)」。スポーツバイクの根源的な楽しさを深めた“新世代CBシリーズ”として、徹底した軽量化とマス集中化を実施。また、直列4気筒エンジン(直4)を搭載したマシンならでは、パワフルな走りを実現しているのがポイントだ。


コンパクト&ダイナミックなスタイリング

CB650Rのスタイリングの狙いは、「コンパクト&ダイナミック」。その実現のため、以下の要素を柱として新世代のスタイリングを成立させ、所有感を高めている。

・Good Stance:マス集中化を図った、凝縮感に満ちたプロポーション
・Round×Hi Tech:“CB”のネイキッドスポーツバイクとしてのスタイルを象徴するアイコンとして、ラウンドシェイプ(丸型)のLEDヘッドライトを採用
・Red,Black:新世代CBシリーズ固有の価値を高めるため、共通イメージのレッドとブラックのカラーリングを設定

また、スタイリングの基調として、鋭くエッジを利かせた稜線と、しなやかな凹曲面を組み合わせた面構成による統一を図ることで、コンパクト&ダイナミックなイメージを具現化している。


“マスの集中化”を実現したフロントマスク

 新世代CBシリーズのイメージリーダーであるCB1000Rと共通のLEDヘッドライトを採用し、ロー/ハイビーム間のHondaロゴプレートとヘッドライト周囲のベゼルをブラック仕上げとすることで、精悍さをアップ。

 このLEDヘッドライトにより、リフレクターを含む灯体の奥行きを従来よりも約25%ショート化。また、メーターマウントを兼ねた新構造のアルミダイキャスト製ヘッドライトステーを採用することで、ヘッドライト位置を従来よりも約97mm車体中心側に移動することなどにより、マス集中化に寄与している。


視認性の高いテールランプ

 新設計のLEDテールランプを採用。レンズには、縦方向に発光面積を増幅させるフルート(溝)カットと下側を取り巻くようにシボ加工を施し、コンパクトながら豊かな光りの表情を実現。

 さらに制動時には、内蔵されたストップランプが点灯することで、メリハリのある視認性に配慮している。


新設計のウインカー&ライセンスランプ

 ウインカー、ライセンスランプは、共にLED化を図り、ウインカー合計で従来比252g軽量化。また、ライセンスランプは、従来比41g軽量化を実現。

薄型&軽量型の多機能メーター

 メーターは、軽量コンパクト化を図りながら、より豊富な情報をライダーに提供。メーター表示面を縁まで透明アクリルで覆って液晶サイズを最大化したフルフラットデザインを採用し、ギアポジションインジケーター、水温計、エンジン回転数のピークホールド表示、エンジン回転とリンクして変速タイミングを知らせるシフトアップインジケーターなどを追加。

 また、これらを実現しながら、従来比約21mmの薄型化と93gの軽量化を実現し、マス集中化に寄与している。


CB650Rのライディングポジションは?

 市街地など混雑したシチュエーションでの前方の見通しやすさや取り回しやすさを確保。ポテンシャルアップした動力性能とのバランスを考慮しているのも特徴だ。

 また、CB650Fと比較して、ステップ位置を上げるとともに後方に移し、ステップへの荷重をかけやすいポジションとすることで、軽量化とマス集中化を図った車体をより軽快に操りやすくしている。


ポテンシャルアップしたフレーム

 フレームはスチールの持つしなやかな特性を活かすとともに、高い効率を誇るダウンドラフト式吸気レイアウトを可能とするツインスパー形状を従来モデルから継承。

 剛性バランスを見直すとともに、フレーム構成部品の見直しを図ることで、さらに運動性能を向上させている。


閉断面のピボット周り

 ピボットプレートは、従来の鍛造プレートからプレス成型品を組み合わせたボックス構造に変更。より薄いスチールプレートを用いながら、閉断面(モナカのように閉じた形状)とすることで、軽量化と高剛性化を高次元で両立させている。

振動を軽減したエンジンハンガー

 エンジン後方上側に位置するエンジンハンガーをクロスパイプに一体化。従来の別体締め付け構造に対し、軽量化を図りながら、CAE解析を活用したシミュレーションとテスト走行によるライディングフィールの作り込みを実践。不快なエンジンの振動軽減を実現している。

短縮されたシートレール

 高い運動性能を実感できるよう、ライダースペースをタイトに設定。同時にシートレールのアンダーパイプがピボットプレートに接合される位置をより上方に移動させることで、シルエットに一層の軽快感を与えるとともに、シート後端を従来よりも約60mm短縮させてマス集中化に大きく寄与している。

 また、部品配置を変更することでステーの廃止やコード類の短縮、新規デザインのステップ採用などによる軽量化も含め、従来比6kgの完成車重量低減を実現。

 これらにより出力向上と併せてパワーウエイトレシオを改善し、市街地からワインディングまでより快活にライディングを楽しめるモデルへと進化を遂げている。


新デザインのアルミホイールに注目

 従来の6本Y字型スポークから、5本Y字型スポークの新デザインを採用。剛性の最適化を行いながら各部を薄肉化し、前440g・後530g軽量化を図り、旋回時の慣性モーメント低減による軽快なハンドリングを実現。

ラジアルマウントキャリパー採用のブレーキシステム

 フロントには新設計のφ310mm・10ピンフローティングディスク、ラジアルマウントキャリパー、倒立型フロントフォークを採用。

 また、ブレーキパッドの材料も変更。リニアな減速フィールと十分な制動力を確保し、幅広いシチュエーションで安定感のあるブレーキコントロール性を獲得している。

 リヤにはφ240mmシングルディスクと1ポットキャリパーを装備。また、ABSを標準装備することで、ブレーキング時の安心感を高めている。


倒立型フォーク等で強化されたサスペンション

 フロントフォークを倒立式としてバネ下重量を低減。さらに新開発のクッションオイルにより、フリクションを低減し、軽快なハンドリングを実現。

 また、ボトムブリッジを従来の鉄からアルミ鍛造品に変更し、高品位な外観にも配慮。加えてリヤにはスイングアームとの締結部にピロボールを新採用し、クッション作動性を向上。これにより、路面に対する車体追従性を大幅に向上させているのもポイントだ。


エンジン&パワーユニットの狙いとは?

「レスポンスと吹け上がりを向上させた官能的な直4フィール」を目指し、『動弁系諸元の変更』『ピストン形状の変更』『吸排気系の変更』を実施。中回転域から高回転域の出力特性を改善・向上させているのがポイントだ。

CB650Rの出力特性

 ピーク回転にかけて、谷のない上昇フィーリングを提供する出力特性に変更。扱いやすさを高めるとともに、従来に対して高回転域の出力を向上させている。

 スロットル全閉から中開度域の3000~8000rpm付近のスロットルレスポンスを高めたことにより、ワインディングなどでのキビキビした走りを実現。特に7000rpm付近からのひときわ刺激的な吹け上がり感は、直4ユニットならではの大きな魅力の一つとなっている。


動弁系諸元の変更点

 従来よりも高回転型の特性とするためにカムプロファイルを見直し、バルブタイミングを最適化。
 また、この高回転化に伴う荷重変化に対応したバルブスプリング諸元の最適化、幅を増やし強度を上げたカムチェーンの採用、バルブシートの材質変更により耐久性を向上。これらの変更により、出力向上とスムーズなトルク特性に大きく寄与している。



ピストン形状の変更点

 ピストン頭部の形状変更に加え、燃焼室形状を最適化。併せて着火性能の高いイリジウムプラグを採用することで、混合気をより効率よく燃焼。吹け上がり感とスロットルレスポンスの向上を実現している。

吸気系の変更点

 吸気ダクトのツイン化とエアクリーナー内部構造の見直しにより、従来に対して主にエンジン高回転域における吸気効率を向上。「直4の魅力最大化」を図っている。

 また、ツイン化した吸気ダクトを専用仕様とし、CB650Rの走りのキャラ
クターをより明確なものとしている。


エアクリーナーの内部構造を変更

 従来モデルから継承した、高回転型エンジンに適したダウンドラフト式吸気レイアウトをベースに新設計。エアクリーナーエレメントを従来よりも20°立てた配置とすることで、吸気がよりスムーズにファンネル側に流れる構造としている。

 併せてエアクリーナー形状の適正化に加え、エレメントガードのパンチング
メタルを廃止することで、エアクリーナーエレメントの開口面積を約1.7倍に拡大。

 これらにより、吸気ダクトからファンネルに至るまでの吸気抵抗を低減させ、高回転域までストレスなく一気に吹け上がる、直4ならではのパワーフィールを獲得。

 この新設計のエアクリーナーは、性能向上に大きく寄与しながら、肉厚変更や内部構造の見直し、前述のエレメントガード廃止などにより、従来に対して約200gの軽量化を実現している。


CB650R独自のツイン吸気ダクト

 従来のシングル吸気ダクトから、より効率的にフレッシュエアを取り入れられるツイン吸気ダクトを新採用。燃料タンク前側左右に配置したシュラウド一体型チャンバーの前端から、安定的に導風する構造により、チャンバー内の気圧を高めている。

 また、エアクリーナーに送り込む左右吸気ダクトの先端部を2ピース化し、前方に加え後方からも吸気する構造とすることで吸気効率を高め、鋭い吹け上がりに大きく寄与しているのもポイントだ。


排気系の変更点

 マフラーは、マス集中化を図った従来からの形式を引き継ぎつつ、テールパイプ径を従来のφ35mmからφ38mmに拡大。より排気の「抜け」をよくすることで、最高出力向上と胸のすくような吹け上がり感を実現している。

 また、テールパイプ後端角度を従来からさらに35.4°上向きに変更することでライダーが排気音をより楽しめる構造に設計。

 これを含めたパワーユニットトータルの変更により、消音性能を維持しながら200~800Hz(低~中音域)帯の音圧を上昇させ、直4ならではのエキサイティングなサウンドを獲得している。


アシストスリッパークラッチを装備

 ライダーの疲労軽減と安心感向上を目的に、アシストスリッパークラッチを採用。アシスト機構により、クラッチレバー操作荷重を従来比約12%軽減。また、シフトダウンに伴う急激なエンジンブレーキによる後輪ホッピングを軽減するスリッパー機構を備えることで、扱いやすさを向上させ、より快適でスムーズな乗り味を可能にしている

Honda セレクタブル トルク コントロール(HSTC)を装備

 リヤタイヤの駆動力を制御し、安心感のある走りを提供するHonda セレクタブル トルク コントロール(HSTC)を採用。

 この機構は、前後の車輪速度差から算出された値に基づき、燃料噴射量調整によるエンジントルクの最適化でリヤタイヤの駆動力を制御し、後輪スリップを緩和するシステム。ライダーは走行状況に応じて、左ハンドルのTCスイッチによりHSTCをOFFにすることも可能だ。


エマージェンシーストップシグナルを装備

 急ブレーキをいち早く伝える機能であるエマージェンシーストップシグナルの採用により、安心感と安全性をアップ。
 56km/h以上で走行している時の急ブレーキをABSモジュレーターが判定し、その情報を受け取ったウインカーリレーがハザードランプを高速点滅することで、後続車などに注意を促してくれる。


CB650Rの純正アクセサリー

 新世代CBシリーズ固有の価値を一層高める、金属の質感豊かな仕上げを施したアクセサリーに加え、よりスポーティなイメージを演出するアクセサリーを設定。写真はアクセサリー装着車。

≪主な純正アクセサリー≫
・アルミシュラウドカバー
・アンダーカウル
・タンクパッド
・アルミサイドカバー
・アルミフロントフェンダーパネル
・スポーツ・グリップヒーター
・クイックシフター(シフトアップのみ)
・リアシートバッグ
・アクセサリーソケット
・Honda二輪ETC2.0車載器キット(アンテナ別体タイプ) 


■主要諸元

車名・型式ホンダ・2BL-RH03
全長×全幅×全高 (mm)2,130×780×1,075
軸距 (mm)1,450
最低地上高 (mm)★150
シート高 (mm)★810
車両重量 (kg)202
乗車定員 (人)2
燃料消費率※3(km/L)
 国土交通省届出値定地燃費値※4(km/h)31.5(60km/h定地走行テスト値)<2名乗車時>
 WMTCモード値★(クラス)※521.3(クラス3-2)<1名乗車時>
最小回転半径 (m)2.8
エンジン型式・種類RH03E・水冷 4ストローク DOHC 4バルブ 直列4気筒
総排気量 (cm3)648
内径×行程 (mm)67.0×46.0
圧縮比 ★11.6
最高出力 (kW[PS]/rpm)70 [95]/12,000
最大トルク (N・m[kgf・m]/rpm)64[6.5]/8,500
燃料供給装置形式電子式<電子制御燃料噴射装置(PGM-FI)>
始動方式 ★セルフ式
点火装置形式 ★フルトランジスタ式バッテリー点火
潤滑方式 ★圧送飛沫併用式
燃料タンク容量 (L)15
クラッチ形式 ★湿式多板コイルスプリング式
変速機形式常時噛合式6段リターン
変速比
 1 速3.071
 2 速2.352
 3 速1.888
 4 速1.560
 5 速1.370
 6 速1.214
減速比(1次★/2次)1.690/2.800
キャスター角(度)★/トレール量(mm)★25°30´/101
タイヤ
 前120/70ZR17M/C(58W)
 後180/55ZR17M/C(73W)
ブレーキ形式
 前油圧式ダブルディスク
 後油圧式ディスク
懸架方式
 前テレスコピック式
 後スイングアーム式
フレーム形式ダイヤモンド


■道路運送車両法による型式指定申請書数値(★の項目はHonda公表諸元)  
■製造事業者/本田技研工業株式会社

※3燃料消費率は定められた試験条件のもとでの値です。お客様の使用環境(気象、渋滞など)や運転方法、車両状態(装備、仕様)や整備状態などの諸条件により異なります
※4定地燃費値は、車速一定で走行した実測にもとづいた燃料消費率です
※5WMTCモード値は、発進、加速、停止などを含んだ国際基準となっている走行モードで測定された排出ガス試験結果にもとづいた計算値です。走行モードのクラスは排気量と最高速度によって分類されます

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