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降雪地域の道路脇にある「箱」! 中身の「砂利」と「白い粒」の正体と使い方とは?

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降雪地域の道路脇にある「箱」! 中身の「砂利」と「白い粒」の正体と使い方とは?

 この記事をまとめると

■降雪地域では冬になると道路に凍結防止剤が散布される

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■凍結防止剤の主成分は塩化カルシウムで凍結防止剤の主成分にピッタリだが、一方で金属を錆びやすくする

■降雪地域には道路脇に滑り止め用の砂が入った砂箱が設置されている

 凍結防止剤としても融雪剤としても有用な塩カル

 厳冬期になると、高速道路や一般道の橋梁、坂道などに、白い小さな粒が散布されることがある。あれは路面の凍結を防ぐための凍結防止剤であり融雪剤でもある。

 その主な成分は塩化カルシウムで、略称「塩カル」として知られている。塩化カルシウムの化学式は「CaCl2」。豆腐の凝固剤や除湿剤にも使われているが、融雪剤に使うのがメジャー。

 水に溶けやすい性質で、水に溶かすと凝固点が低くなるからだ。ご存じのとおり、真水は0℃で凍ってしまうが、塩が溶け込んでいる海水は0℃でも凍らない。その理屈を応用したもの。

 ちなみに塩=塩化ナトリウムをとかした水=塩水は、最大で約-20度まで凝固点を下げることができるが、塩カル=塩化カルシウムの水溶液は、最大約-50度まで凝固点が下られるので、凍結防止剤には最適。

 しかも、塩カルは水に溶けるときに発熱する性質があるので、融雪剤としても有用だ。

 道路に撒いても比較的害の少ないことでも知られているが、道路周辺の植物にとっては歓迎できるものではなく、塩カルを撒布する道路付近では、植物が育ちにくかったり、枯れたりすることもある。

 また、直接素手で触れると、薬品なので皮膚炎になる可能性があり、撒布をするときはゴム手袋などを用いて作業を行なうことが肝心。

 さらに、塩カルの塩分は、金属を腐食させる力があるので、塩カルの撒いてある道路、つまり雪道を通ったあとは、ボディの下まわりを中心に、車体全体を洗車して、塩分を洗い流してやるのが、クルマを長持ちさせるコツになる。

 凍結防止剤と滑り止め用砂は備え付けのものを撒いてもよい

 山道にいくと道路脇に、「凍結防止剤」と書かれた収納箱が設置されているが、あれは行政関係者だけでなく、通行者が自主的に撒布してもかまわない(むしろそのために用意されている)。日陰の坂道などで凍結しやすい路面を通るときに利用するといいだろう。

 また、同じように降雪地帯や山道などに、「滑り止め用砂」「滑り止め剤」を書かれた「砂箱」が設置されているところもある。

 これは車道や歩道が凍結したときに、直接路面に撒いて、摩擦を大きくし、クルマや人がスリップしないようにするためのアイテム。

 乾いたアスファルトなら、砂など撒くとかえって滑りやすくなるだけだが、凍結した路面なら砂のザラザラが摩擦力を高めるのに役立つというわけだ。

 ちなみにこの「砂箱」に入っている「砂」は、砂といっても砂場や海岸で見かけるような砂ではなく、直径2.5~5mmくらいの細かい石=砕石であることが多い。

「砂箱」の砂も、道路に撒くためならだれが利用してもかまわない。砂場のなかにいくつか袋(ペットボトル?)が入っているので、それを1平方メートルに1袋を目安に撒けばOK。市役所などの職員が定期的にパトロールし、使用した分は補充してくれる。

 撒いたあとの空き袋はその辺に放置せず、「砂箱」の中に戻すか、持ち帰るようにしよう。

 どちらも凍結した路面で、スリップしないために欠かせないものなので、感謝を忘れずに遠慮なく使わせてもらおう。

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