WRCのプロモーターは現在、2025年シーズンに向けて“コマンドセンター”と呼ばれるイベント中のストーリーをよりファンに伝えていけるようにするための技術開発を進めている。
WRCプロモーターは、チームとメーカーと協力してより多くマシンのデータを取り入れ、さらにF1スタイルのチーム無線を通じてクルーやチーム間のインタラクティブな動きを増やそうとしている。
■WRC、2026年まで技術レギュレーション変更せず。FIAの提案に反発したチームも安堵
チーム無線のライブ放送に関しては、いくつかのモータースポーツカテゴリーで活用されてきている。ただWRCでは今のところ、Rally.TVでの全ステージライブ配信こそあれ、視聴者はステージ終了時にドライバーの声を聞けるだけであって、ステージでインシデントが発生したりしたときに、何が起きたのかしばしば分からないことがある。
そして現在、WRCは改善のための技術テストを進めている。彼らはM-スポーツと協力して、ラリー・ポーランド前にシステムの評価を進めていく予定を立てている。
「我々はデータをテストしていくが、やりたい事は技術のテストだ。コマンドセンターとテストの結果は、来年のモンテカルロまでは作成するつもりはない」
WRCのイベントディレクターを務めるサイモン・ラーキンは、WRCの最新の計画について尋ねられると、そう答えた。
「我々は評価センターでM-スポーツと共にテストを行なっていて、その後エストニアでも実際の現場でのテストが予定されている。多くの技術パートナーと協力しているんだ。(前ヒョンデWRCボスの)アンドレア・アダモと契約してプロジェクトをリードしてもらっているのだが、今年のテストを通じて、モンテカルロで実装するのが我々のプランだ」
なおラーキンは“コマンドセンター”がラリー期間中チーム代表らが滞在しているサービスパーク内に物理的な構造物として発達していく可能性もあると付け加えている。
「これはコンセプトの名前だ。最終的に建物や物理的な構造物となっていく可能性もあるだろう。しかし我々がやりたいと思っていることは、モンテカルロに向けてしっかりとした利用しやすいストーリーテリングの技術をロールアウトさせることだ」
「それがモンテカルロでどんな形になるのかは分からない。しかしそのコンセプトは実現するだろう。これはデータストーリーテリングのコンセプトなんだ」
その他にもWRCはヘルメットメーカーのStiloと協力しており、ヘルメットカメラを導入し、モータースポーツでも最も過酷な道の様子をドライバーの視線から見ることができるようにするなどの取り組みも行なっている。
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