ビジネスの正当化で外せないラングラー
どうやら、ジープが好調らしい。伝統のラングラーが急激に受注を伸ばしたわけではなく、小さなアベンジャーが人気だから。英国では、前年比248%の売れ行きだという。
【画像】悪路のスーパーヒーロー ジープ・ラングラー シリアスなオフローダーたち 最新ランクル250も 全107枚
前輪駆動のバッテリーEVでスタートした、小さなクロスオーバーが主導権を握ってしまったら、ジープらしさは薄まるだろうか。それは、心配しなくて良いだろう。同社の関係者は、「コア(核心)を守りながら、範囲を広げる」という考えを示している。
ブランドの純粋性を保つには、商業的な安定性が欠かせない。しっかり、ラングラーは重要なポジションに据えられている。販売数を最大化すること以上に、ビジネスを正当化するうえで、外せない存在なのだろう。
今回、ジープがラングラーへ小さな改良を施したのも、このオフローダーを大切にしているから。新鮮さを保ちつつ、新しい安全規制に準拠するよう、アップデートされた。
1番の目標とされたのが、側面の衝突安全性を高めること。新しいカーテンエアバッグと、ジープらしくサイドステップも兼ねたロックレールを与え、それを達成している。跳ね上げた岩だけでなく、横から突っ込んでくるクルマも受け止めるというわけだ。
2024年2月以降の生産車は、運転支援システムも獲得する。車線維持支援に制限速度警告、ドライバー監視機能などが盛り込まれるそうだが、試乗車はそれ以前の生産で、実装されていなかった。働きぶりは確かめられていない。
タッチモニター獲得 271psで2.0Lでも充分以上
スタイリングでは、7本スロットのフロントグリルが、目立つよう立体的なデザインへ改められた。変化は小さく、既存のオーナーでなければ気づかないかもしれない。
インテリアでは、インフォテインメント・システム用として、12.3インチのタッチモニターを獲得。針が回る2枚のメーターや実際に押せるハードボタン、トランスファー用レバーなど、アナログな車内でありつつ、最新のデジタル技術が盛り込まれたわけ。
ソフトウエアは、ジープ・コンパスやフィアット500eなどと同じ、Uコネクトと呼ばれるもの。最新のマセラティとも共有する。バージョンの古いアベンジャーより反応は素早く、メニュー構造は理解しやすい。
運転席の足元は狭い。ペダルは2枚だけでも、左足の置き場には困るほど。
パワートレインは、基本的にキャリーオーバー。ただし、ディーゼルエンジンとショートボディの2ドアは、現在の選択肢から消えた。プラグイン・ハイブリッドの4xeも、英国には導入されていない。構造上、右ハンドルに対応できないからだという。
結果として、販売されているのが2.0Lガソリンターボと8速ATを積んた、ロングボディのアンリミテッド。大きなボディに2.0Lと聞くとパワー不足に思えるかもしれないが、実際は271psで充分以上。驚くほど良く働いてくれる。
1番幸せを感じるのはオフロード
右足を踏み込めば、2.0Lエンジンは滑らかに回転。高負荷時には、ザラ付いたノイズが聞こえてくる。
8速ATの反応は若干ダルに思えるものの、険しい悪路では優しい変速で速度調整しやすい。ラングラーを運転して、1番の幸せを感じられるのはオフロードだ。
もちろん、サスペンションはソフト。サイドウォールの厚いタイヤは、路面からの細かな入力を吸収し、一般道でもドライブを楽しめる。それでも、リジッドアクスルはタイヤへの衝撃の影響を受けやすく、ロードノイズやボディの揺れとは無縁ではない。
長大なサスペンション・ストロークに、ロッキング・センターデフは標準装備。ルビコン・グレードを選べば、前後のデフもロック可能になり、フロント側のアンチロールバーは、複雑な地形でアクスルから切り離すこともできる。
今っぽいオフロード・モードや、直下の路面を映すカメラは備わらなくても、走破性は抜群。今回のオフロードコースには、深い谷や岩が露出した荒れ地が混在していたが、まったく意に介することなく、走り切ってみせた。デフロックさせる必要なく。
ラングラーの能力を完全に引き出すには、本気度の高いオフロードコースが必要になる。サーキットを走らせなければ真価を確かめられない、ポルシェ911 GT3 RSと同様に、秘めた能力の高さに充足感を抱けるタイプのクルマだ。
スーパーヒーローのマシンにもピッタリ
英国での価格は、ベースグレードのサハラで6万1125ポンド(約1174万円)から。ルビコンでは、6万3125ポンド(約1212万円)になる。いつでも大冒険へ出かけられる実力を考えれば、高価すぎるとはいえないだろう。
確かに、一般道での体験には妥協がある。悪路性能も、やりすぎなくらい高いといってもイイ。スーパーヒーローが乗るマシンとしても、ラングラーはぴったりだと思う。
ジープ・ラングラー(アンリミテッド) 2.0GME ルビコン(英国仕様)のスペック
英国価格:6万3125ポンド(約1212万円)
全長:4334mm
全幅:1894mm
全高:1828mm
最高速度:159km/h
0-100km/h加速:7.6秒
燃費:8.8km/L
CO2排出量:−g/km
車両重量:2028kg
パワートレイン:直列4気筒1995cc ターボチャージャー
使用燃料:ガソリン
最高出力:271ps/5250rpm
最大トルク:40.7kg-m/3000rpm
ギアボックス:8速オートマティック(四輪駆動)
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
愛車管理はマイカーページで!
登録してお得なクーポンを獲得しよう
ホンダ新型「プレリュード」まもなく登場? 22年ぶり復活で噂の「MT」搭載は? 「2ドアクーペ」に反響多数!海外では“テストカー”目撃も!? 予想価格はいくら?
レクサス新型「小型スポーツカー」がスゴい! “テンロクターボ”×初の6速MTを搭載! 最小SUV「LBX MORIZO RR」どんなモデル?
不要or必要? やっちゃったらおじさん認定!? 「古い」「ダサい」といわれがちな [時代遅れ]な運転法
【悲報】マジかよ!? ホンダ二輪スポンサーのレプソルが2024年限りで契約解消へ
マジか…? 新制度導入で「車検」通らないかも!? 10月から始まった“新たな車検”何が変わった? 覚えておきたい「OBD検査」の正体とは
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!
みんなのコメント
この記事にはまだコメントがありません。
この記事に対するあなたの意見や感想を投稿しませんか?