現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > 安い軽自動車なぜ激減!? 小型車よりも高価格主流に なぜ立場が逆転したのか

ここから本文です

安い軽自動車なぜ激減!? 小型車よりも高価格主流に なぜ立場が逆転したのか

掲載 更新 32
安い軽自動車なぜ激減!? 小型車よりも高価格主流に なぜ立場が逆転したのか

■軽自動車と小型車に起きている逆転現象とは

 軽自動車といえば、コンパクトで取り回しがしやすく、「通勤・通学」や「買物・送迎」といった近場の利用に便利で、日常にはなくてはならない存在といえるクルマでしょう。

トヨタ車が100万円以下!? シエンタより小さい 人気ミニバン「カリヤ」とは

 しかし、近年は新車の軽自動車の価格帯が上昇傾向にあり、軽自動車であっても「気軽に買う」という風潮でなくなりつつあるといわれています。いったいなぜ高価格化しつつあるのでしょうか。

 自動車検査登録情報協会が調査する自動車保有台数によると、2020年3月末時点で、普通車(通称3ナンバー車)の保有台数は1961万4910台、小型車(通称5ナンバー車)の保有台数は1966万5498台です。

一方、軽自動車の保有台数は2252万8178台となっており、軽自動車の保有者が普通車や小型車より多いことからも、その人気がうかがえます。

 軽自動車は、ひと昔前までは普通車や小型車に比べて安全・快適装備が少ない代わりに安く購入できる、というイメージを持たれるクルマでしたが、最近は標準装備化された安全支援システムなども増え、普通車や小型車に引けを取らないほど装備や機能が充実しています。

 例えば、日産と三菱が共同開発して2019年3月に発売された「デイズ」と「eKクロス/eKワゴン」には、軽自動車初の高速道路同一車線運転支援技術「プロパイロット(三菱ではマイパイロット)」が搭載されるなど、運転時の快適性も格段に向上しています。

 こういった装備や機能の充実により、装備や機能の差がなくなってきたことに加え、スズキ「ハスラー」や新たに加わったダイハツ「タフト」など最近ブームのSUVタイプや、居住性や積載性のある軽トールワゴン/軽スーパーハイトワゴンなど種類も充実しているため、とくに小型車との差別化が難しくなっています。

 年々上昇傾向にある軽自動車の新車価格は、最近ではコンパクトカーとほぼ同価格帯です。

 例えば、日産では「マーチ」の128万92000円からに対して「デイズ」が132万7700円からというように(いずれも消費税込、以下同様)、コンパクトカーよりも軽自動車の方が価格が上回る“逆転現象”も起きています。

 いまや200万円を上回るグレードを設定するモデルも存在しており、軽自動車は上級志向の路線が続いている状況です。なぜこのような状態になったのでしょうか。

 この理由について、人気の軽自動車「N-BOX」などを扱うホンダ販売店スタッフは次のように話します。

「最近は、価格の安さよりも装備や機能面を気にしてクルマの購入を検討される人が増えている印象です。そういったニーズに合わせるために、昨今では軽自動車でも装備や機能を充実させているのだと思います。

 その代わり、軽自動車としては以前より価格が上がり、普通車と変わらない価格帯となっています。しかしその分、機能や装備などが大差なくなってきたため、むしろ税金などの維持費が安い軽自動車がいいという人は結構多いです」

 最近のユーザーのニーズは、価格の安さよりも、装備や機能を重視して検討する傾向にあるようです。そういった変化するユーザーのニーズに応えようとした結果、軽自動車が上級志向になったといえそうです。

 また、最大のメリットである維持費の安さはやはり大きな武器のようです。軽自動車の上級化やラインアップが充実したことより、軽自動車とコンパクトカーとの差が感じられなくなったことで、維持費の安さが軽自動車のメリットとして優位なポイントとなっています。

■100万円以下の軽自動車、現存するのは“わずか2車種”

 軽自動車の上級化にともない、今ではほとんどの軽自動車が100万円台で設定され、なかには200万円超えのグレードを持つモデルも存在しています。

 では、ひと昔前では、当たり前だった100万円以下の軽自動車は現在どのくらいあるのでしょうか。

 2020年8月現在、軽自動車市場には約40車種以上のモデルがラインナップされています。

 そのなかで、ベースグレードが新車価格100万円以下の乗用軽自動車は、スズキ「アルト」86万3500円、マツダ「キャロル」86万3500円、ダイハツ「ミライース」85万8000円、トヨタ「ピクシスエポック」85万8000円、スバル「プレオプラス」91万3000円の5車種のみとなっています。

 このなかでも、キャロルはアルトのOEM車、ピクシスエポックとプレオプラスはミライースのOEM車なので、実質2車種のみです。

 ちなみに軽商用車であれば、ほかにも100万円以下で購入できるモデルが存在しています。

※ ※ ※

 スズキの初代アルトは、1979年に47万円という低価格で発売され話題となったモデルで、徹底したコスト削減によりこの安い価格を実現していました。

 現在でも100万円以下という低価格なクルマですが、初代から2倍近くまで価格が上がったのは、物価の向上はもちろんなもののユーザーのニーズが「価格の安さ」ではなく、「安全性の高さ」に移り変わったことで、装備や機能を充実したため、軽自動車の高級化が進んだといえます。

こんな記事も読まれています

新型ロータス・エレトレ Sへ試乗 「5.1m」が小さく感じる敏捷性! 歴代最高のインテリア
新型ロータス・エレトレ Sへ試乗 「5.1m」が小さく感じる敏捷性! 歴代最高のインテリア
AUTOCAR JAPAN
GTWCアジア第2ラウンドタイはアウディ&ポルシェが優勝。レース2で5ZIGENが2位に
GTWCアジア第2ラウンドタイはアウディ&ポルシェが優勝。レース2で5ZIGENが2位に
AUTOSPORT web
盟主PWRが『クプラ・ボーン』披露と同時にEuroRX1王者起用を発表。エクシオンは異車種6台体制に/STCC
盟主PWRが『クプラ・ボーン』披露と同時にEuroRX1王者起用を発表。エクシオンは異車種6台体制に/STCC
AUTOSPORT web
ル・マンの戦いはすでに始まっている。LMDhの逆襲を象徴するポルシェの躍進と謎多き性能調整の裏側
ル・マンの戦いはすでに始まっている。LMDhの逆襲を象徴するポルシェの躍進と謎多き性能調整の裏側
AUTOSPORT web
ラッセル「毎週5位~8位を争うのが現状」短期的な解決策は役に立たず、今後数週間は“痛みを伴う”と覚悟
ラッセル「毎週5位~8位を争うのが現状」短期的な解決策は役に立たず、今後数週間は“痛みを伴う”と覚悟
AUTOSPORT web
免許取得したてで「高級ミニバン」購入!? 「初心者」マーク貼付けた“斬新な姿”に「なかなかいないですよ」 芸人、エハラマサヒロが実車を公開!
免許取得したてで「高級ミニバン」購入!? 「初心者」マーク貼付けた“斬新な姿”に「なかなかいないですよ」 芸人、エハラマサヒロが実車を公開!
くるまのニュース
ボッタスのレースエンジニア交代は、アウディのF1参戦に向けた取り組みの一環。本人とも計画を話し合ったと代表が明かす
ボッタスのレースエンジニア交代は、アウディのF1参戦に向けた取り組みの一環。本人とも計画を話し合ったと代表が明かす
AUTOSPORT web
PHEVには馴染めなかった? V8へ "リターン" の可能性 メルセデスAMG新型「CLE 63」に導入か
PHEVには馴染めなかった? V8へ "リターン" の可能性 メルセデスAMG新型「CLE 63」に導入か
AUTOCAR JAPAN
ロータスが持続可能なモビリティの未来を牽引する動画を公開。2038年までのカーボンニュートラル達成に向けた戦略とは
ロータスが持続可能なモビリティの未来を牽引する動画を公開。2038年までのカーボンニュートラル達成に向けた戦略とは
Auto Messe Web
【顧客の平均年齢43歳】 カリナンがシリーズIIへ進化 ロールス・ロイス製SUVが成し遂げた功績
【顧客の平均年齢43歳】 カリナンがシリーズIIへ進化 ロールス・ロイス製SUVが成し遂げた功績
AUTOCAR JAPAN
第9戦はキャシディが21番手から逆転優勝。第10戦はダ・コスタがポルシェに母国勝利をもたらす/フォーミュラE
第9戦はキャシディが21番手から逆転優勝。第10戦はダ・コスタがポルシェに母国勝利をもたらす/フォーミュラE
AUTOSPORT web
ポルシェ・ペンスキー、キャデラックの牙城を崩しIMSAラグナ・セカを制す。恐竜カラーの911がGTDプロ初優勝
ポルシェ・ペンスキー、キャデラックの牙城を崩しIMSAラグナ・セカを制す。恐竜カラーの911がGTDプロ初優勝
AUTOSPORT web
3500万円! 日産が新型「GT-R」実車展示! 存在感スゴい「最強仕様」がNYに登場! 進化した「新デザイン」採用に反響あり
3500万円! 日産が新型「GT-R」実車展示! 存在感スゴい「最強仕様」がNYに登場! 進化した「新デザイン」採用に反響あり
くるまのニュース
テインの純正互換ショック「EnduraPro」シリーズにカローラクロスなど5車種の適合が追加
テインの純正互換ショック「EnduraPro」シリーズにカローラクロスなど5車種の適合が追加
レスポンス
「デコトラ=ど派手な改造=違法」は偏見でしかない! いまほとんどのデコトラが「合法改造」に収めているワケ
「デコトラ=ど派手な改造=違法」は偏見でしかない! いまほとんどのデコトラが「合法改造」に収めているワケ
WEB CARTOP
【2024年】自動運転・運転支援機能の満足度調査。車線維持支援システムの意外な不満とは?
【2024年】自動運転・運転支援機能の満足度調査。車線維持支援システムの意外な不満とは?
グーネット
多彩なキャンピングカー&アウトドアビークルが大集結!モーターキャンプエキスポ2024
多彩なキャンピングカー&アウトドアビークルが大集結!モーターキャンプエキスポ2024
グーネット
アウディ「Q2」 街乗りのシーンにピッタリ、シックな限定モデル発表
アウディ「Q2」 街乗りのシーンにピッタリ、シックな限定モデル発表
グーネット

みんなのコメント

32件
  • 原油高所得減少子化により軽のニーズが増え、セカンドカーからメインカーへ昇格し、快適装備や安全装備を求めた結果でしょうね。
    規格内でよりコンパクトにより広くより快適にとなると普通車より技術は必要になるでしょう。

  • このような記事が出ると軽を目の敵のように、アンチ軽のコメントが多い
    内容を読むと、当たってるのもあるけれど、ほとんどが、この人軽を運転したことあるのかなと思うコメント多い
    今の軽と、10年前の軽では全然違うし、実際運転するとこれが軽?と思う車多い
    オーナーが、よいと思って購入したのだから、それでいいのでは?
    もし、自分が気に入って購入された車が、ボロクソにコメントされたらどんな気持ちですか?
    税金が安いからといってもオカミが決めたこと、オーナーは関係なし
    白ナンバーだってオカミが許可したこと、軽で白ナンバーで有人料金所で高く払わされなければいいこと
    何か、コメントした人に迷惑かけましたか?
    年取ると、2人程度の乗車なら、大きい車いらないと思う人多い、その人が満足していれば軽でもいい
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

138.7183.4万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

24.0316.8万円

中古車を検索
ハスラーの車買取相場を調べる

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

138.7183.4万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

24.0316.8万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離(km)

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村