1月28日(日)、WRC世界ラリー選手権開幕戦『ラリー・モンテカルロ』のSS15~17が行われ、前日のデイ3で総合首位に立ったヒョンデ・シェル・モービスWRTのティエリー・ヌービル/マルティン・ウィダグ組(ヒョンデi20 Nラリー1)が、最終日デイ4も勢いをそのままに、後続へのリードを広げて総合優勝を飾った。
2位、3位にはTOYOTA GAZOO Racing WRTのセバスチャン・オジエ/ヴァンサン・ランデ組とエルフィン・エバンス/スコット・マーティン組(いずれもトヨタGRヤリス・ラリー1)が続いた。日本人ラリードライバーの勝田貴元(トヨタGRヤリス・ラリー1)は、4日間をとおしての総合順位が7位、日曜日のみの順位は6位となっている。そんな2024年シーズンの開幕戦を終えた各ドライバーのコメントを紹介する。
ヌービル完勝! 2度目のWRCモンテカルロ制覇。トヨタのオジエとエバンスが表彰台、勝田貴元は7位完走
■Mスポーツ・フォードWRT
●アドリアン・フルモー(#16 フォード・プーマ・ラリー1)/総合5位
「総合5位でフィニッシュできてうれしい。もっと良い結果を出したかったのはもちろんだが、シーズンのスタートとしては良かったと思う。自分たちの戦い方にとても満足している。僕たちはトップ4のすぐ後ろにいたし、日曜日も、彼らと肩を並べられることを証明した。チャンピオンシップに向けて多くのポイントを獲得できたことも含めて、とてもポジティブだ。これからも継続して結果を出せるよう願っている」
●グレゴワール・ミュンスター(#13 フォード・プーマ・ラリー1)/総合21位
「今回の目標は、モンテカルロでのトリッキーなラリーで経験を積むことで、僕たちはそれを達成できたと思う。残念ながら、土曜日にデイリタイアしてしまったけれど、日曜日には素晴らしいペースを見せることができたからよかったよ」
「また土曜日のSS9では、グラベルクルーのおかげで、WRCのステージでこれまでのベストリザルトとなる3番手タイムを記録することができた。ティエリー(・ヌービル)から、1kmあたり0.5秒以内に収まることができたんだ。彼は最速のマシンだったから、これは本当にポジティブなことだった」
「WRCでの初ポイントも獲得できたし、土曜日のミスがなければもっと多くのことを成し遂げることができたはずだ。チームのおかげで、マシンは週末を通して完璧に機能していたし、開幕戦から素晴らしい学びがあったよ」
■ヒョンデ・シェル・モービスWRT
●ティエリー・ヌービル(#11 ヒョンデi20 Nラリー1)/総合優勝
「正直、言葉が出てこないよ。今週末は本当に素晴らしかったし、クルマはドライブしている最中もとても快適だった。チームも素晴らしい仕事をしてくれたし、パッケージ全体がとてもうまく機能していたと思う」
「チームがこのような位置につけたのは初めてで、今後に向けた良い兆しだ。課題はつねにあるものだから、これからも懸命に改善を続ける必要があるが、このラリーで優勝できてとてもうれしい。今週末は僕らが“ボス”だった。マシンも素晴らしかったので、チームに心から感謝したい」
●オット・タナク(#8 ヒョンデi20 Nラリー1)/総合4位
「今大会は、途中からは4位に入ることがターゲットになったが、それは明らかに簡単なことではなかった。ヒョンデのマシンについて、学ぶべきことと、発見すべきことがたくさんあった。安定したラリーというわけにはいかなかったが、僕たちは週末を乗り切ったよ」
「まずは、次のラリー・スウェーデンで何ができるかを見直してみようと思う。すぐに次の大会がやって来るから、イベント前のテストでは、今週末よりもさらに準備を整えられるよう願っているよ」
●アンドレアス・ミケルセン(#9 ヒョンデi20 Nラリー1)/総合6位
「今週末を楽しめたと感じている。土曜日はスピードをかなり改善できたが、それでもまだまだ慎重に走っていた。日曜日のパワーステージでは最大限プッシュして、1kmあたりのペース差はわずか0.3秒だったので、ライバルたちに近づくことができたと感じているよ」
「ヒョンデi20 Nラリー1のマシンは素晴らしいものだった。マシンのポテンシャルを引き出すには、ラリー1クラスでのドライビングに慣れる必要がある。とくに、ダウンフォースが徐々に効いてくる中高速区間で、どれだけ速く走れるかを今も学んでいるところだ。僕にはまだあと少し知識が足りないけど、シートにいる時間が増えれば、万端の準備ができるはずだ」
■TOYOTA GAZOO Racing WRT
●エルフィン・エバンス(#33 トヨタGRヤリス・ラリー1)/総合3位
「優勝を手にするポテンシャルは充分あったと思うが、なぜか土曜日の午後に良いフィーリングが失われてしまった。しかし日曜日は調子が良くなり、路面のコンディションこそ複雑だったが、新しいポイントシステムのもとで多くを獲得するために攻め続け、うまく走ることができた」
「自分としてはつねに優勝したいと思っているが、それ以上にこのラリーではしっかりとポイントを獲得したかったので、全体的には満足できる週末だったね。もちろん、この先の大会では勝ちたいと思うので、次のラリー・スウェーデンで何ができるのか見直していきたい」
●セバスチャン・オジエ(#17 トヨタGRヤリス・ラリー1)/総合2位
「今週末は、自分にできることをすべてやったし、優勝を争った戦いは誇るべきものだったと思う。自分にとって、ジェットコースターのように感情が大きく揺れ動いた、難しい一週間だった。実は月曜日に、自分をモータースポーツの世界に導いてくれた大切な人に別れを告げなければならなかったんだ」
「いろいろな理由で、ラリーのスタートは簡単ではなかったが、最後まで戦い続けることができたことには満足しているし、ファンにとってはとてもエキサイティングなラリーになったと思う。最終的には、ティエリー(・ヌービル)のほうが速かったが、彼は優勝にふさわしかった。それでも僕はチームに多くのポイントをもたらすことができたので満足だ。今回は自分にとって15回目のラリー・モンテカルロ出場となり、13回目の表彰台獲得だったので、このようなチャレンジングなラリーでの自分の記録を誇りに思うよ」
●勝田貴元(#18 トヨタGRヤリス・ラリー1)/総合7位
「金曜日の朝のミスによって、いい結果を得るチャンスを失い、週末の戦い方が変わってしまったのは本当に残念です。それでも、総合7位でフィニッシュすることができましたし、日曜日の順位(6位)とパワーステージ(3番手タイム)でポイントをさらに加算することができたので良かったです」
「クルマの調子はとても良く、運転を楽しむことができました。コンディションによるリスクがそれほど高くない場面では、リラックスしてプッシュすることもできましたし、かなり良いタイムが出たので、それについてはポジティブに感じています。次のスウェーデンは、個人的に好きなラリーのひとつなので、いい結果を残せるようにベストを尽くしたいと思います」
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