BTCCイギリス・ツーリングカー選手権のトップチームとして活躍する名門、チーム・ダイナミクスが2019年型FK8ホンダ・シビック・タイプRのマシンカラーリングを公開。引き続きチームはハルフォズ・ユアサ・レーシングとして長年のパートナーからバックアップを受け、2台体制でタイトル奪還を目指す。
近年はマット・ニールとゴードン・シェドンの黄金コンビで複数のタイトルを獲得してきたBTCCを代表するトップチームは、2018年シーズンからワークスカーのシビックをFK8型にスイッチ。エースのニールとルーキーのダン・カミッシュがデビューイヤーながら2勝を挙げ、チーム部門、マニュファクチャラー部門の両ランキングでともに2位に入っている。
2019年のイギリス・ツーリングカーに参戦するトヨタ・カローラがシェイクダウン
このオフの間にもマシンの開発、熟成作業を進めてきた両ドライバーは、引き続き2019年もチームに残留。2000年代に獲得した6度のチームタイトルをさらに上積みすべく、今週からイギリス・ドニントンパークでテストを開始する予定だ。
チーム・ダイナミクスのマネージャーを務めるジェームス・ロジャースは「チームはこのオフの期間、本当に全員がハードに仕事を続けてきた」と、今季に向けた意気込みを語った。
「このニューカラーリングが示すとおり我々は2018年のパッケージングをさらに改善し、他のライバルとは違う領域に行こうと努力してきた。チームの努力と技術的変化が組み合わさり、2019年に向けて競争力のある体制とパッケージが構築できたと感じているよ」
一方、昨季よりホンダ陣営の一員に加わったBTCノーリンは、2019年シーズンに向けFK2型から最新世代のFK8にマシンスイッチすることを発表し、そのレンダリングイメージを披露した。
これにより、ボクスホール・ワークスのパワー・マックス・レーシング(PMR)からチームに移籍したジョシュ・クックと残留組のクリス・スマイリーは、チーム・ダイナミクスと同様に最新型のシビックをドライブすることになった。
BTCノーリンが2018年に走らせたFK2型シビックは、2017年にユーロテック・レーシングが使用した個体だが、その出自を辿れば2016年のチーム・ダイナミクス車にまでさかのぼり、今回のFK8へのスイッチは当然、2018年にダイナミクスが使用していた個体そのものとなる。同時にBTCノーリンは契約の一環としてチーム・ダイナミクスから技術的サポートを受けることも決まっている。
「我々とチーム・ダイナミクスの関係性はギヤを上げて、もう一歩先へ進める段階に来た」と語るのは、BTCノーリン代表のバート・テイラー。
「彼らの20年以上にわたるハードワーク、データ、そしてチャンピオンシップを獲得した経験への特権的アクセスが与えられることで、我々のチームはより安定した基盤を手にすることになる」
このFK8型へのスイッチに合わせて、チームはエンジンサプライヤーも変更することになり、過去2シーズン、シボレー・クルーズとFK2シビックに搭載してきたスウィンドン・エンジニアリング製のTOCA共通エンジンから、2台のワークスカーと同じニールブラウン製のK20C型4気筒直噴ターボの供給を受ける。
「もちろん、この2シーズンをともに戦ったスウィンドン・エンジニアリングと袂を別つのは悲しいことで、決断は容易ではなかった」と続けたテイラー代表。
「しかし、BTCCの共通エンジンからより競争力のあるパッケージへ移行することは理にかなった選択だった。我々はかつてNBE(ニールブラウン・エンジニアリング)と仕事をした経験があり、私にとってもチームにとっても家に帰ってきたような気分だ。NBEチューンのホンダ製エンジンで戦うことは、シリーズでの争いに向け最高の武器を得たようなものだ」
そしてチーム・ダイナミクス同様にファクトリーバックアップを受けるボクスホールのワークスチーム、PMRも2019年向けマシンカラーリングのイメージを公開し、タイトルスポンサーシップ契約の一環として保険会社のスターリング・インシュアランスを新たに迎え入れ"スターリング・インシュアランス・ウィズ・パワーマックスド・レーシング"としてシリーズを戦うとアナウンスした。
さらにPMRはもうひとつのパートナーとして自動車部品販売のユーロリペアとの契約も発表した。同社はグループPSA傘下であることから、今後もボクスホールのワークスチームとしての立場をより強化していく表れだとみられている。
発表同日より、チームはブランズハッチでのプレシーズンテストを開始しており、既報どおりウエスト・サリー・レーシングから移籍のロブ・コラードが初めてアストラBTCCのステアリングを握っている。
「前輪駆動のマシンに戻るのは少し違和感があったけど、ほんの数周でアストラBTCCの感触をつかむことができたよ。ベースとしては非常に満足している」と、久々のFFマシン、久々のボクスホールをドライブしたコラード。
「チームは1日中、私のテストに集中してくれてさまざまなセットアップ変更も試すことができた。そのなかでいくつかよいバランスも見つけ出し、コンシスタントで力強いラップタイムを記録することもできた。彼らはとてもよいマシンを作ったね。ジェイソン(・プラト)とともにシーズンを戦うのが楽しみになってきたよ」
コラードとチームは変わりやすい天候にもかかわらず、ブランズハッチのインディ・レイアウトで100周以上をノートラブルで走破している。
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