現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > プロドライバーでも気持ち悪くなる速さ…ヒョンデ「アイオニック5N」のサーキット専用モードはまさにF1レベルの緻密さでした【Key’s note】

ここから本文です

プロドライバーでも気持ち悪くなる速さ…ヒョンデ「アイオニック5N」のサーキット専用モードはまさにF1レベルの緻密さでした【Key’s note】

掲載 33
プロドライバーでも気持ち悪くなる速さ…ヒョンデ「アイオニック5N」のサーキット専用モードはまさにF1レベルの緻密さでした【Key’s note】

サーキットを攻められる数少ない電気自動車

レーシングドライバーであり自動車評論家でもある木下隆之氏が、いま気になる「key word」から徒然なるままに語る「Key’s note」。今回のキーワードは「ヒョンデ アイオニック5N」です。WRCなどモータースポーツでも活躍しているヒョンデですが、電気自動車も精力的に開発しています。そのなかでも、アイオニック5に、パフォーマンスブランドである「N」の名を冠したモデルが存在。高い運動性能を、筆者が体感してみました。その実力は?

ファルケンが世界一過酷な「ニュル24時間レース」に参戦して25年! 歴史を振り返る貴重映像が公開中です【Key's note】

圧倒的加速力は気分が悪くなるほど……

韓国最大手「ヒョンデ」の勢いが止まりません。次々と魅力的なモデルを開発し、世界戦略を進めています。また1台、とんでもないモデルを開発し、日本に投入してきたことで世間がザワザワしています。

そのモデルは「アイオニック5N」です。アイオニック5はすでにデビューしており、純粋なBEV(バッテリー・エレクトリック・ヴィークル)として高く評価されています。そのアイオニック5の走りの戦闘力を過激なほどに高めたのが「アイオニック5N」なのです。

搭載するバッテリーは84.0kWhと大容量ですし、最高出力は650ps、最大トルクは770Nmに達します。フルスロットルの加速力に挑んでみましたが、加速して数秒で頭がクラクラし、気持ち悪くなってしまうほど。仮にも僕はプロのレーシングドライバーとして日頃から激辛パワーのモンスターに乗っていますが、それでもこの加速には身体的にやられたのです。

そんな獰猛なモンスターなのですが、驚かされるのは、サーキット専用の電子制御モードが設定されていることです。

これまでも、GPSでサーキットにいることが確認されれば、速度リミッターが解除される、あるいはフルパワーモードにスイッチングすることが可能なスポーツカーは存在していましたが、「アイオニック5N」はさらに緻密です。レースでのスタートに備えて、ローンチコントロールが組み込まれていることではもはや驚きません。さらにレース展開を予想したプログラミングがなされているのです。

バッテリーの電力は電気分解です。つまり、積極的にバッテリーエネルギーを消費すれば発熱します。回生で電力を溜め込めばそれでも発熱します。駆動用モーターも同様です。

異常発熱すると、性能が低下します。充電能力が低下するばかりか、有効な出力が発揮できません。ですから、充放電が激しく繰り返されるスポーツ走行で速く走らせるのは苦手なのです。

1000Nmのエネルギーがあっても、そんな脱兎のごとき速さが味わえるのは最初の数秒ほどで、すぐにカメのように鈍重になるのがBEVの特性なのですが、「アイオニック5N」は緻密に温度管理することで、出力低下の被害を抑えようとしています。

最適制御のおかげで決勝レースを走り切れる

予選モードは1周だけ速く走ればいいわけですから、発熱のことは気にせずにフルパフォーマンスを発揮するようにプログラミングされています。一方決勝レースでは、コンスタントラップが求められます。レースモードでは、バッテリーとモーターの発熱を監視しながら最適な出力コントロールをするというのです。これはもう、F1やWRCなどの世界選手権レベルですよね。

メーター内には、前後のモーターとバッテリーの温度が表示されています。それを目で追いながらスロットルコントロールするのも楽しみですが、クルマにすべてを委ねて走るのも都合がいいかもしれませんね。

ちなみに、「アイオニック5N」の「N」はヒョンデのトップパフォーマンスブランドの名称です。例えるならばBMWの「M」、メルセデスの「AMG」、アウディの「RS」ですね。

語源はニュルブルクリンクの「N」です。最近でヒョンデは難攻不落なニュルブルクリンクのレースに挑戦しています。そこでマシンを鍛えているのです。だからといって、レースモードを組み込んでいるなんて、想像もつきませんでした。素晴らしいです。

【キャンペーン】第2・4 金土日はお得に給油!車検月登録でガソリン・軽油5円/L引き!(要マイカー登録)

こんな記事も読まれています

給油所で「レギュラー“なみなみ”で!」って言ったら店員にバカにされました。私が悪いんですか?怒りの投稿に回答殺到!?「なにそれ」「普通は通じない」の声も…悪いのは結局誰なのか
給油所で「レギュラー“なみなみ”で!」って言ったら店員にバカにされました。私が悪いんですか?怒りの投稿に回答殺到!?「なにそれ」「普通は通じない」の声も…悪いのは結局誰なのか
くるまのニュース
市川團十郎がF1日本GPの公式アンバサダーに! F1文化に“新たな風”を吹き込むことを目指す
市川團十郎がF1日本GPの公式アンバサダーに! F1文化に“新たな風”を吹き込むことを目指す
motorsport.com 日本版
[かわいい]見た目して超[ホット]!! スズキ[アルトラパンSS]今買うのアリ説
[かわいい]見た目して超[ホット]!! スズキ[アルトラパンSS]今買うのアリ説
ベストカーWeb
追突事故を避ける「2秒ルール」ご存知ですか? あおり運転にならず割り込まれもしない、ほどよい安全な車間距離の保ち方をお教えします
追突事故を避ける「2秒ルール」ご存知ですか? あおり運転にならず割り込まれもしない、ほどよい安全な車間距離の保ち方をお教えします
Auto Messe Web
「足が長くて」スタイリッシュな新型SUVが2024年内に正式発表か!?DSオートモービルズの電動化戦略が新たなステージ
「足が長くて」スタイリッシュな新型SUVが2024年内に正式発表か!?DSオートモービルズの電動化戦略が新たなステージ
Webモーターマガジン
都内の“旧式小型バス大活躍”路線ついに廃止へ 「リエッセ」と運命を共に 西武バス
都内の“旧式小型バス大活躍”路線ついに廃止へ 「リエッセ」と運命を共に 西武バス
乗りものニュース
ディーゼルトラックをEVへ改造、国内初の量産予定車が完成 ヤマトモビリティが発表
ディーゼルトラックをEVへ改造、国内初の量産予定車が完成 ヤマトモビリティが発表
レスポンス
FIAがフロア摩耗に関する取り締まりを強化。フェラーリ、メルセデス等に加え、抜け穴を指摘したレッドブルも修正
FIAがフロア摩耗に関する取り締まりを強化。フェラーリ、メルセデス等に加え、抜け穴を指摘したレッドブルも修正
AUTOSPORT web
頭文字Dの次なる遠征先は豊田市駅前? ラリージャパン2024はイベント盛りだくさん/WRC写真日記
頭文字Dの次なる遠征先は豊田市駅前? ラリージャパン2024はイベント盛りだくさん/WRC写真日記
AUTOSPORT web
優れたラリードライバーならF1でもきっと戦える! 8度のWRC王者オジェは確信「ファンも見たいと思っているはず」
優れたラリードライバーならF1でもきっと戦える! 8度のWRC王者オジェは確信「ファンも見たいと思っているはず」
motorsport.com 日本版
新車150万円台で「5速MT」あり! イチバン安い「普通乗用車」どんなモデル? 「国産ダントツ安価」でも装備は必要十分! めちゃ“リーズナブル”な「トヨタ車」とは
新車150万円台で「5速MT」あり! イチバン安い「普通乗用車」どんなモデル? 「国産ダントツ安価」でも装備は必要十分! めちゃ“リーズナブル”な「トヨタ車」とは
くるまのニュース
“熊本~東京1300km” 電気自動車でも快適に移動できる「裏ワザ」とは? 新型「タイカン クロスツーリスモ」で体感! ポルシェらしい走りと遊び心に触れる旅
“熊本~東京1300km” 電気自動車でも快適に移動できる「裏ワザ」とは? 新型「タイカン クロスツーリスモ」で体感! ポルシェらしい走りと遊び心に触れる旅
VAGUE
[15秒でニュース]メルセデスAMG、初の電動SUVを市販化へ
[15秒でニュース]メルセデスAMG、初の電動SUVを市販化へ
レスポンス
軽自動車の6MT!! 2020年登場ホンダ[N-ONE RS]の中古ってどうなん
軽自動車の6MT!! 2020年登場ホンダ[N-ONE RS]の中古ってどうなん
ベストカーWeb
車両火災対策で「消火器」を積むなら「種類」に注意! 場合によっては人体に有害なものも存在する!!
車両火災対策で「消火器」を積むなら「種類」に注意! 場合によっては人体に有害なものも存在する!!
WEB CARTOP
エンツォフェラーリへ通じる「DNA」 マセラティMC20 長期テスト(2) 車重を測ったら1710kg
エンツォフェラーリへ通じる「DNA」 マセラティMC20 長期テスト(2) 車重を測ったら1710kg
AUTOCAR JAPAN
アプリリアの新型スポーツバイク『RS 457』、日本上陸 85万8000円
アプリリアの新型スポーツバイク『RS 457』、日本上陸 85万8000円
レスポンス
100kg軽い車重580kgのベーシック軽[新型アルト]が2026年に登場!? 軽量化と48Vスーパーエネチャージで勝負!!! 燃費は30km/L到達か!?
100kg軽い車重580kgのベーシック軽[新型アルト]が2026年に登場!? 軽量化と48Vスーパーエネチャージで勝負!!! 燃費は30km/L到達か!?
ベストカーWeb

みんなのコメント

33件
  • ******
    仕事なんだから褒めなきゃいかんのは分かるけど、乗用車をF1レベルって言われると一気に胡散臭くなるよ。
  • oke********
    それはどんな市販車も耐久性を犠牲にし、レーシングモードに振れば速くなるだろう。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

479.0858.0万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

257.6409.0万円

中古車を検索
アイオニック5の車買取相場を調べる

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

479.0858.0万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

257.6409.0万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村