エクスペリエンスの質が年次改良前のモデルと比べても向上した
text:Kazuhiro Nanyo(南陽一浩)
【画像】内装に注目 取材したCX-5/CX-8 4台【ディテール】 全89枚
photo:Keisuke Maeda(前田恵介)
2月某日、横浜のマツダR&Dを拠点に「CX-8」と「CX-5」の試乗会が行われた。マイナーチェンジでもなく、年次改良にしても不思議な時期に、あえて既存モデルの試乗会という点に、少しひっかかりながら参加してきた。
両モデルとも試乗車は、昨年末から今年初にかけて投入された年次改良仕様だが、CX-8は「プロアクティブSパッケージ」のスカイアクティブD、つまりディーゼルのパワーユニットにレザー内装の仕様。
加えて今回は静的評価のみながら、2列目にキャプテンシートを採用しつつナッパレザーをおごった「エクスクルーシブ・モード」という特別仕様車だった。
一方のCX-5は、「25T Lパッケージ」のスカイアクティブG、つまりガソリン仕様のレザー内装を公道で試乗。
加えて「XDシルクベージュ・セレクション」という新しく追加された、明色の合成皮革&スウェード調素材のコンビ内装に触れてきた。
早い話、見えるところだけでいえばハイエンド内装を1モデル2種類、追加パッケージを含めて乗って触って試す、というワケだが、それでもエクスペリエンスの質が年次改良前のモデルと比べても向上したことを示すのが、この試乗会の目的のようだ。
実際、レザー内装は黒が人気というのは世界的に日本ぐらいのもので、暗色でも微妙なトーンあるいは明色インテリアを、マツダが提案する意義は大きい。
視覚や触覚に直接影響する内装は、クルマの印象を大きく左右するのだ。
国産車離れしたインテリアの質感、大人が落ち着ける内装として合格点
まず「CX-8プロアクティブSパッケージ・スカイアクティブD」に乗りこんでみる。
シートやダッシュボードはブラックでありながら、センターコンソールとドアパネル両側のアームレストにはダークチョコレート色のブラウンレザーが張られている。
ブラックも真っ黒というより、少し赤みを帯びた濃い目のチャコールグレーといった温かいニュアンスだ。
こうしたトーンの微妙な差異は、乗せられた人はよく見れば気づくという程度で、控えめ趣味のオーナーなら満足度は高いはず。
クロームのインサートに引き立てられた質感も上々で、国産車離れした、欧州車に近い雰囲気といえる。
さらに華やかな雰囲気が好みなら、インテリア全体でチョコレートブラウンが優勢で、ナッパレザーを用いた「エクスクルーシブ・モード」がある。
シートバックそのものの造形がSパッケージと少し異なるが、これは2列目にもベンチレーション機能を備えた電動スライド&リクライニングのキャプテンシートを採用したがため。
人生のミニバン期を卒業した、大人中心の家族には明らかに分割可倒式の2列目ベンチシートより適しているだろう。
いずれも、ルーフ部の制震性を高めて雨音などを低減したり、センターディスプレイを7インチから8インチへ拡げている。
また2列目ベンチシートでもキャプテンシートでも、3列目の乗降がしやすくなるよう、スライドスイッチのワンタッチ化が図られた点が、おもな改良だが、その差異は細部だけにとどまらない。
反アル・ヴェル派の福音となる 地味ハデ・トーンの3列シート
というのもエクスクルーシブ・モードの2列目キャプテンシート仕様を筆頭に、CX-8のこれらレザー仕様は、自称大人の子どもがイキって手を出す「大人っぽさ」ではなく、いい意味で「お子様お断り」オーラを放っている。
ゴルフあるいは両親連れの小家族旅行など、島耕作的シチュエーションからマスオさんプレイにマッチする、そういう地味ハデさなのだ。
実際、CX-8はマツダのSUVラインナップのハイエンド・モデルというだけでなく、ピープルムーバー的な使われ方を睨んだ実用的3列シート車でもあり、国内市場では3列シートSUVとして2年連続トップを獲っている。
いわば2列目キャプテンシートといえば、露悪趣味で鳴るハイエンド系ミニバンの十八番だったが、「審美的に良識ある」大人にとって、CX-8のそれは福音になっているのだ。
ただしそれは、静的質感やボディタイプだけではない。
欧米市場ではフォルクスワーゲン・ティグアンのオールスペースやプジョー5008、シュコダ・コディアックといった3列シート車種と競合する、CX-8の動的質感の高さにもよる。
今回連れ出したスカイアクティブGは、市街地でも首都高速でもトルクフルかつスムーズで、ひと昔のV6相当のグライド感すらある。
ただし2000rpmと、欧州のディーゼルより最大トルク発生回転域がやや高く、これをドラマチックな回転フィールととるか、やや鈍いと取るかは、嗜好の分かれどころだろう。
レスポンス重視派にはやはりガソリン仕様、スカイアクティブGだが、そちらはベージュ系インテリアのCX-5で乗ることになった。
ジーンズお断りの明色インテリアと極上の吹け上がりで小綺麗にかぶく
展示車の「シルクベージュ・セレクション」は、想像していたより明るいトーンのハーフレザーコンビ内装だが、ドアパネルやダッシュボードにベージュ色がなく、ややアドオン感が否めない。
一方で「Lパッケージ」仕様のCX-5には、パーフォレーションレザーのシート同様のピュアホワイトがセンターコンソールやアームレストにもあしらわれる分、インテリアにより統一感がある。
ベージュや白は無論、色移りを気にせざるをえない内装ゆえ、「クルマに乗るからジーンズは止めておこう」といった習慣やロジックで乗るべき、お洒落仕様でもある。
ドアを開けた際に光が漏れてくるような華やいだ雰囲気は、女性ドライバーにも勧められるだろう。
肌や目に触れる部分は、それだけ体感上の影響が大きい訳だが、スカイアクティブGのスムーズなフィールが、さらに興を添える。
先ほどのディーゼルのCX-8とダークトーン内装の落ち着きとは180°異なる、軽快でヌケのいい回転フィールやハンドリングといった動的質感が、明色の内装にこの上なく似合うのだ。
逆にいえば、ミドルコンパクトのSUVとして世界観が緻密で堅固だからこそ、エレガント系でもラグジュアリー系でも、または今回追加されたアウトドア・スポーツ志向の「タフ・スポーツ・スタイル」など、どのスタイルでも筋の通ったインテリアに仕上がる。
いずれもマツダの目指す「プレミアム」の具現化として、ポジティブな年次改良といえた。
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