今、クルマに求められている性能で大切なものって何でしょうか?
時代が求める安全性や環境性能はもちろん必要不可欠なものです。パッケージも含めた実用性もとても大切です。でもそれだけじゃ何だか物足りない。やっぱりクルマはカッコ。これがとても大事な要素だと思っています。もちろんデザインの好みは人それぞれですが、今回は空気を切り裂いて疾走しそうなスピード感あふれるスタイリングが個人的に印象に残っているクルマを集めてみました。いづれも世界各国のモーターショーでお披露目されながら量産に至らなかったコンセプトモデルですが、それだけに記憶に残しておきたいモデルばかりです。
1)マツダRX500(1970年)
1967年に発売されたコスモスポーツでロータリーエンジンの実用化を果たしたのがマツダ(当時の社名は東洋工業)です。そんなマツダが創立50周年を迎えた1970年の東京モーターショーで発表したローターリースポーツのコンセプトモデルがこの「マツダRX500」。ちなみに発表当時のボディカラーはイエローでした。写真は2009年の東京モーターショーで展示されたときのもの。色こそ違いますが、じつは39年前に展示された個体そのもので、しっかりとレストアされ現在に至っているとのことです。フェンダーミラーやホイールのデザインに時代を感じつつも、全体的なフォルムは今なお色あせない魅力を放っています。
2)日産MID4-II(1987年)
1985年のフランクフルトモーターショーで日産が発表したスポーツカーのプロトタイプ「MID4」の進化版が「MID4-II」です。独創的なサイドビューとリトラクタブルヘッドライトを持つフロントマスクが魅力的です。1987年の東京モーターショーで発表されたこのクルマで培ったテクノロジーの数々は後の日産車に生かされることとなります。またインテリアデザインにおいてもその後の日産車に強く影響を与えているようで、インパネ周りなどはまるで後に発売されるR32スカイラインそのもののようです。ちなみにミッドシップレイアウトの4WDだからMID4、その2代目だからMID4-IIとまさに名は体を表しています。
3)トヨタ アレッサンドロボルタ(2004年)
2004年のジュネーブモーターショーで発表されたハイブリッド4WDスポーツカーのコンセプトモデルです。スポーティーかつクリーンな造形を手がけたのは世界的な工業デザイナー、ジョルジェット・ジウジアーロが設立したイタルデザインによるもので、パワートレーンはトヨタのハイブリッドシステムを採用しています。ガソリンV6エンジンをリアアクスル後方に置き、フロントにはモーターのみを配置したレイアウトにより4WDながらスラリとしたフロントのスタイリングを実現しています。クルマの電動化がカーデザインに与える影響の大きさもチラリと感じる1台です。
4)ランボルギーニ ミウラ コンセプト(2006年)
1966年に発表されたランボルギーニ ミウラ。その40周年を記念して2006年のデトロイトモーターショーで発表されたのがこの「ランボルギーニ ミウラ コンセプト」です。スペックはおろかインテリアも公開されなかったこのモデルのウリは何と言ってもそのスタイリングです。評価の高かった流麗なオリジナルのボディよりは少々ボリュームを増した感もあり賛否ともにあったようですが、どこから見てもあのミウラを感じさせるデザインは素晴らしい仕上がりだと感じます。このころ、フォードGTやフィアット500などかつての名車を現代に蘇らせたようなモデルが多数デビューするなど世界的なリバイバルデザインの流行の中で生まれたコンセプトモデルでしたが、結局デビューは果たせませんでした。
5)アキュラ アドバンスドスポーツカーコンセプト(2007年)
1990年にデビューを飾ったホンダNSXの後継として2007年のデトロイトモーターショーで発表されたのが「アキュラ アドバンスドスポーツカーコンセプト」です。初代NSXの登場から10年以上経過し次期モデルの期待が高まっている中での発表でしたので、大きなV10エンジンの採用とロングノーズのFR的スタイリングには初代の熱烈なファンからは厳しい評価もあった1台です。その後ホンダからはNSXの後継として様々なコンセプトカーが発表されましたが、その実現は初代のデビューから四半世紀を経た2016年まで待たなければなりませんでした。
今後のモーターショーは大丈夫だろうか…?
モーターショーにはさまざまなコンセプトモデルやプロトタイプモデルが登場しますが、今回紹介したクルマのように実現しなかったものも少なくありません。そして仮に販売されたとしても誰もが気軽に買えるようなクルマではありません。もちろんモーターショーは実際に手にできそうなクルマの発表の場としても大切ですし、これからの自動車社会を提示するような役割もあると思います。でもそれだけではない、今回紹介した5台のような、パーソナル感、スピード感にあふれたモデルや道無き道を走破できるようなワイルドなモデルなど色々なカッコいいクルマを発表し続ける場でもあり続けてほしいものです。
〈文&写真=高橋 学〉
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ワクワクが止まらなかった思い出。