F1参戦のためには現在、FIA F2などの別シリーズの結果に基づいて与えられるスーパーライセンスポイントを一定以上溜めて、スーパーライセンスの発給を受ける必要がある。そしてスーパーライセンスが発給される最低年齢は18歳と規定されていたが、その規定に一部変更があった。
国際スポーツ規約の13条1項2付録Lは、次のように改められた。
■ハミルトン、メルセデスでの”後任”にF2アントネッリを支持。期待の秘蔵っ子どうなる
『FIAの独自の裁量によって、シングルシーターのフォーミュラカー競技において最近一貫して傑出した能力と成熟を示していると判断されたドライバーには、17歳でスーパーライセンスが与えられる可能性がある』
17歳のドライバーにもF1デビューの可能性が開かれることになるこの規約更新は注目に値するものだ。なぜなら、メルセデスの育成ドライバーで“秘蔵っ子”とされるアンドレア・キミ・アントネッリが今年8月に18歳を迎える前にF1公式セッションデビューを果たす可能性が出てくるためだ。
アントネッリは2024年シーズンからFIA F2に参戦しているまだ17歳の若手。メルセデスが高い期待を寄せているドライバーで、2022年にイタリアとドイツのFIA F4でチャンピオンを獲得し、2023年はフォーミュラ・リージョナル欧州と中東でチャンピオンに。今シーズンはF3を飛び級してプレマからF2に参加しているが、まだ未勝利という状況だ。
F2へ足を踏み入れたばかりのアントネッリへの注目が大きくなっている理由には、ルイス・ハミルトンがメルセデスを離れることと関係している。
メルセデスが後任ドライバーを探している中で、アントネッリはその候補として持ち上がってきた。そして一説ではメルセデスがパワーユニットを供給するウイリアムズで、2024年シーズン中にもローガン・サージェントと交代してF1デビューを果たすのではないかという憶測があった。
その交代を実現させるにはスーパーライセンス発給条件のひとつである18歳という年齢の壁があったが、FIAに対して免除申請が行なわれたことが明らかになり、がぜん注目は高まった。
そして今回の文言の修正によって、アントネッリが18歳を迎える前にスーパーライセンスを与えられる可能性が浮上してきた。そのため、FIAが許可を与えれば、アントネッリはサマーブレイク前にFP1、もしくはF1のレースデビューを果たせるかもしれない。
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みんなのコメント
都合の良いようにルール改定する欧州らしいエピソード。
アントネッリに関してはF2の成績をみる限り、マックスの再来とはいえなさそうですが、手持駒の少ないメルセデスとしては、そういう夢を見ざるを得ない状況なのだと思います。是々非々でサインツと複数年契約したほうがよいとは思うけどね〜