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次世代F1マシン概要発表で浮上した“懸念”。解消に向けてF1チーム代表陣が会合へ

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次世代F1マシン概要発表で浮上した“懸念”。解消に向けてF1チーム代表陣が会合へ

 2026年に導入される新レギュレーションに関する懸念についてF1カナダGPでチーム代表陣が話し合いを行なう予定だとmotorsport.comの調べで分かった。

 FIAは6月6日(木)、2026年からF1に導入されるレギュレーションの概要とマシンのレンダー画像を公開されたが、それに関していくつかの懸念点が指摘されている。

■スリム化する2026年F1マシン、FIAは大きな進歩確信も「理想的にはあと100kg軽くしたかった」

 6日に行なわれたFIA技術諮問委員会のオンラインミーティングでは、いくつかの問題点が明らかとなり、情報筋によると、チーム代表陣はカナダGPの2日目の朝にジル・ビルヌーブ・サーキットのパドックで行なわれる会合で、2026年の話題を中心に取り上げるよう求めているという。

 この会合は、F1のステファノ・ドメニカリCEOをはじめ関係者たちが、F1が抱える直近の問題について話し合うためほぼ定期的に開かれているモノだ。

 現在、懸念の中心となっているのは、FIAと一部チームの考えの相違だ。FIAが推し進めているレギュレーションの中には、チーム側が意図した通りに機能しないはずだと感じる要素もあるのだ。

 ここには全体的な空力コンセプトも含まれており、次世代F1マシンではダウンフォースが不足しバッテリー切れも頻発することから、特にペースが低下する可能性があると指摘するチームもある。

 またチームが懸念しているのは、FIAが推し進める軽量化計画だ。次世代マシンでは電気モーターのパワーが引き上げられバッテリーの総量が増える一方で、車重は現行マシンよりも30kg軽くすると概要では示された。

 チームはこの最低重量までマシンを軽量化することが不可能と考えており、わずかな改善を見つけるために莫大な資金を投じることになるのではないかと懸念している。

 FIAは、次世代マシンでウイングを高ダウンフォース仕様の“Zモード”とストレートの低ドラッグ仕様の“Xモード”に切り替えるシステムを導入するつもりだとしているが、チームはこのアクティブエアロについても詳細な説明を求めている。

■FIAのデッドライン

 2026年のレギュレーションの在り方に関する懸念は今に始まったことではないが、正式に計画が発表されたことで、これらの問題が大きな注目を集めることとなった。

 FIAが発表に踏み切ったところからは、2026年に向けて多くの決定が下されたということをチームに示し、レギュレーション公布がより複雑になる6月末を前に最終決定にまで持っていこうという意図が感じられる。

 FIAの国際モータースポーツ競技規則では、FIAが「マシンの技術設計および/またはマシン間の性能バランスに実質的な影響を与える可能性が高い」と判断した場合は、施行1年半前、つまり6月30日に公布される必要があるとされている。

 この期限を過ぎると、改定には競技参加者の支持が必要となるが、全チームが同じ見解を持っている訳ではなく、厄介なことになりかねない。

 F1チームは来年1月までマシンの空力面に関する作業に着手できないため、一部にはレギュレーション公表を10月まで遅らせ、FIAに微調整の時間を与えたいと考えるチームもいた。

 しかしFIAが6月という期限を守ることが重要だと考えた1チームによって、期限を伸ばす提案は阻止されたようだ。

 国際モータースポーツ競技規則の第18条2.4項には、6月30日という期限よりも短い予告期間でのレギュレーション公布は、各チームの全会一致でのみ可能とされている。

 しかし、ある情報筋によると、FIAは第18条2.4項のもと、正当な理由があると判断した場合、過半数のチームの支持を得て、10月にレギュレーション公布を実施する選択肢もまだ手にしているという。

 規則にはこうある。

「選手権、カップ、トロフィー、チャレンジ、またはシリーズに適切に参加申込をした競技参加者全員が一致して同意した場合は、上記に定めるものより短い告知期間を適用する場合がある」

「ただし、例外的な状況において、問題となっている変更が当該選手権、カップ、トロフィー、チャレンジ、またはシリーズの保護のために不可欠であるとFIAが判断した場合には、正しくエントリーした競技参加者の過半数の同意があれば十分とする」

 6日に発表されたプレゼンテーション資料の中で、FIAはこのレギュレーションが6月28日(金)の世界モータースポーツ評議会(WMSC)で批准される見込みであると記した。

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