現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > 「クラス最速」「タイプR」…帰ってきたホンダの顔、「シビック」45年の歩みとは

ここから本文です

「クラス最速」「タイプR」…帰ってきたホンダの顔、「シビック」45年の歩みとは

掲載 更新
「クラス最速」「タイプR」…帰ってきたホンダの顔、「シビック」45年の歩みとは

7年ぶりの販売再開、知らない若年層も…?

 ホンダが国内での「シビック」の販売を2017年9月29日より再開しました。日本での「シビック」の販売が終了したのは2010(平成22)年ですから、7年ぶりの新型「シビック」となります。

「カー・オブ・ザ・イヤー」上位10台決定 「カムリ」「スイフト」「N-BOX」など

 その試乗会に参加したところ、若々しいルックスに相応しい軽快な走りを楽しむことができました。昔の「シビック」を知る人間としては「ああ、元気なころの『シビック』が帰ってきた」という印象です。

 また、試乗会でホンダの開発陣に話を聞くこともできましたが、みなさん非常に「シビック」に対する熱い思いがあるようです。よく考えてみれば、日本での販売がなくなった時期でも、世界市場において「シビック」はホンダの顔的な存在のまま。「『シビック』がアメリカで売れなくなったら、ホンダは相当にまずいことになります」と開発スタッフが真顔で説明するほどです。

 しかし、販売のない時期が7年もありましたから、実際のところ「シビック」のことをあまり知らないという若い方も多いようです。そこで今回は「シビック」の歴史を振り返ってみたいと思います。

オイルショックを追い風に クラス最速への道

 まずは、「シビック」の前史から。

 1950年代から60年代にかけてホンダはオートバイメーカーとして世界的な存在に成長しました。そして1963(昭和38)年に軽トラック「T360/T500」で自動車市場に参入。「N360」などのヒットもあり、軽自動車メーカーとして認められることに成功します。

 そうなれば、次に狙うは軽自動車の上の普通車。まずは1969(昭和44)年に空冷エンジンを搭載する「ホンダ1300」を販売します。しかし、セールスはいまひとつ。そこでホンダは、さらなる魅力的なモデルを投入するのです。

 それが1972(昭和47)年にデビューした初代「シビック」です。エンジンは1.2リッター。のちに排気ガス浄化装置であるCVCCを搭載。CVCCは、「誰もクリアできないだろう」と噂されたほど厳しいアメリカの排気ガス規制「マスキー法」を、世界で初めてクリアする画期的なものです。また、時代は第一次オイルショックのさなかでしたが、小さくて燃費のよい「シビック」には追い風になり、大ヒットモデルとなります。ここでホンダの乗用車メーカーとしての基礎ができあがるのです。

 1983(昭和58)年には3代目となる通称「ワンダー・シビック」が登場。シャープな台形デザインが採用され、レースでも大活躍。スポーティで若々しいという「シビック」のイメージは、この頃から定着していきます。

 続く4代目の「グランドシビック」(1987〈昭和62〉年~)もスポーツ路線をまっしぐら。最強モデルである「SiR」にはVTECエンジンを搭載。「『シビック』=クラス最速」というイメージが決定的になります。

人気は「タイプR」のみ? 国内販売終了から復活へ

 そして1991(平成3)年発売の5代目「スポーツシビック」に続いて、1995(平成7)年発売の6代目「ミラクルシビック」の時代には、ついに「シビック タイプR」(1997〈平成9〉年~)が誕生します。

 ところが2000(平成12)年の7代目「スマートシビック」では、スポーティ路線をちょっと逸れて、実用性に優れた背の高いボディに。残念ながら、このモデルの国内販売は不振。2005(平成17)年の8代目ではセダンのみの販売となってしまいます。

 ちなみに7代目にも8代目にも「タイプR」が用意されていて、そちらの人気はそれなりに維持されていました。しかし、日本国内での「シビック」の販売は取り返せないほど悪化。結果、2010(平成22)年をもって「シビック」の国内販売は終了してしまいます。

 ただし、世界市場での「シビック」の販売は堅調。アメリカでも欧州でもアセアンでも「シビック」は人気モデルであり続けていたのです。そのためホンダの人には、「ホンダの顔=『シビック』」が日本で売っていないという現実に忸怩(じくじ)たる思いがあったのでしょう。

「セダンが売れない」と言われる日本市場に再び「シビック」を投入するという英断の陰には、そうしたホンダの思いがあったに違いありません。

こんな記事も読まれています

道路の冠水へ「ザッバーン」実は死への一直線!? 多発する死亡事故 「ドア開かない」「エンジン止まった」水圧はどれだけ恐ろしいのか
道路の冠水へ「ザッバーン」実は死への一直線!? 多発する死亡事故 「ドア開かない」「エンジン止まった」水圧はどれだけ恐ろしいのか
くるまのニュース
どうすればいい? バイクに屋根を付ける方法とは
どうすればいい? バイクに屋根を付ける方法とは
バイクのニュース
[15秒でわかる]アストンマーティンの新型V12エンジン…『ヴァンキッシュ』に搭載か
[15秒でわかる]アストンマーティンの新型V12エンジン…『ヴァンキッシュ』に搭載か
レスポンス
スズキ、2024年鈴鹿8耐の参戦体制を発表。サステナブル燃料での実験クラスで挑戦…プロジェクトリーダーにはMotoGPチーム率いた佐原伸一
スズキ、2024年鈴鹿8耐の参戦体制を発表。サステナブル燃料での実験クラスで挑戦…プロジェクトリーダーにはMotoGPチーム率いた佐原伸一
motorsport.com 日本版
タイ製も日本クオリティ超え!? [新型アコード]は質感が爆増!! 心地よいハンドリングを実現できたワケ
タイ製も日本クオリティ超え!? [新型アコード]は質感が爆増!! 心地よいハンドリングを実現できたワケ
ベストカーWeb
2026年にF1参戦のアウディがスポンサーフィーを値上げ、キック・ザウバーの現パートナーは他チームとの契約を検討へ
2026年にF1参戦のアウディがスポンサーフィーを値上げ、キック・ザウバーの現パートナーは他チームとの契約を検討へ
AUTOSPORT web
ランチア『イプシロン』新型、3グレードで欧州再進出…EVとハイブリッドから選択可能
ランチア『イプシロン』新型、3グレードで欧州再進出…EVとハイブリッドから選択可能
レスポンス
「燃費悪くてもサイコー!」リッター“1ケタ”は当たり前!?  数値では語れない国産車3選+α
「燃費悪くてもサイコー!」リッター“1ケタ”は当たり前!? 数値では語れない国産車3選+α
くるまのニュース
赤旗中断中のタイヤ交換ルール、見直しませんか? F1ドライバーからも変更望む声。アロンソは議論噴出を予知
赤旗中断中のタイヤ交換ルール、見直しませんか? F1ドライバーからも変更望む声。アロンソは議論噴出を予知
motorsport.com 日本版
道路に合わせて制限速度以上のスピードが出せなくなる装置! 欧州で「ISA」の搭載が義務化されるが日本はどうなる?
道路に合わせて制限速度以上のスピードが出せなくなる装置! 欧州で「ISA」の搭載が義務化されるが日本はどうなる?
WEB CARTOP
アキュラ『MDX』に「タイプS」、新フェイスに355馬力ターボ搭載…2025年型を米国発売
アキュラ『MDX』に「タイプS」、新フェイスに355馬力ターボ搭載…2025年型を米国発売
レスポンス
トヨタ新型「シエンタ」発表! 人気の“コンパクトミニバン”が進化! 上品ホワイトやオシャ2トーンも追加された多彩なバリエーションとは
トヨタ新型「シエンタ」発表! 人気の“コンパクトミニバン”が進化! 上品ホワイトやオシャ2トーンも追加された多彩なバリエーションとは
くるまのニュース
埼玉の“悪名高き渋滞ポイント”いよいよ変貌へ 準備の車線規制に注意! 全ての原因「途切れた高速側道」開通いつ?
埼玉の“悪名高き渋滞ポイント”いよいよ変貌へ 準備の車線規制に注意! 全ての原因「途切れた高速側道」開通いつ?
乗りものニュース
【MotoGP】マルケス「グレシーニとファクトリーのみがドゥカティ残留の選択肢」7月ドイツGPが決断のデッドラインへ
【MotoGP】マルケス「グレシーニとファクトリーのみがドゥカティ残留の選択肢」7月ドイツGPが決断のデッドラインへ
motorsport.com 日本版
ヨハン・ザルコ、鈴鹿8耐にTeam HRCからの参戦が正式発表。チームメイトは高橋巧と名越哲平
ヨハン・ザルコ、鈴鹿8耐にTeam HRCからの参戦が正式発表。チームメイトは高橋巧と名越哲平
motorsport.com 日本版
マツダ「新型ロードスター」発表へ! 登場は“2024年”内!? ゴールドが映える「オシャカラー」採用の“35周年記念車”の登場が確実に
マツダ「新型ロードスター」発表へ! 登場は“2024年”内!? ゴールドが映える「オシャカラー」採用の“35周年記念車”の登場が確実に
くるまのニュース
クルマの窓ガラス内側の曇り「水道水で拭く」のは逆効果⁉ 何で拭くのが正解? 効果的なやり方とは
クルマの窓ガラス内側の曇り「水道水で拭く」のは逆効果⁉ 何で拭くのが正解? 効果的なやり方とは
VAGUE
ホンダの人気バイク「カブ」シリーズ! 共通点と違いとは
ホンダの人気バイク「カブ」シリーズ! 共通点と違いとは
バイクのニュース

みんなのコメント

この記事にはまだコメントがありません。
この記事に対するあなたの意見や感想を投稿しませんか?

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

193.7235.2万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

19.9229.0万円

中古車を検索
シビックの車買取相場を調べる

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

193.7235.2万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

19.9229.0万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離(km)

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村