フォルクスワーゲンのコンパクトSUV「T-Roc」が日本にも上陸した。小川フミオが試乗した印象は?
ディーゼル&FWDのみの設定
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小型クーペ卒業生のためのクルマが「T-Roc」だとか。フォルクスワーゲンが本国でこのSUVを発表したとき、同社のクーペ「シロッコ」の生産中止が発表されたそうだ。英国の自動車メディアがそこに注目して、記事に書いていたのをおぼえている。
スタイリッシュなゴルフを欲しいひとに、などとも評されてきたT-Rocが、7月15日に日本でもようやく販売開始された。
SUVだけれど、リアフェンダーあたりはベントレーのスポーツSUV「ベンテイガ」を連想させるアクティブなデザイン。2トーンの塗り分けというカラースキームもあり、スタイルが好きなら買うのもよさそうだ。
T-Rocの注目点はほかにもある。先発の「T-Cross」とどこかで通じる、心が浮き立つようなカラフルな内外装の配色と、2.0リッター直列4気筒ディーゼルターボ・エンジンと前輪駆動にのみしぼられたドライブトレインだ。
1968cc直列4気筒ディーゼルターボは、110kW(150ps)の最高出力と340Nmの最大トルクを発生する。最大トルクが1750rpmから発生する設定どおり、市街地でも扱いやすい。変速機はツインクラッチタイプの7ATのみ。
全長4240mmで、T-Crossより125mm長い。「従来のハッチバックになぞらえれば、T-Crossがポロで、T-Rocはゴルフに相当します」と、フォルクスワーゲングループ日本の広報担当者は述べる。
とはいえ、ゴルフは全長が4265mmなので、それよりコンパクト。ホイールベースを比較してもゴルフの2637mmに対して、T-Rocは2590mmに抑えられている。
とはいえ、前後席はヘッドルームもレッグルームも窮屈なかんじとは無縁。パッケージングにすぐれたフォルクスワーゲンならではのプロダクトだ。ラゲッジルーム容量は「クラストップ」とフォルクスワーゲンがうたう445リッター。ゴルフの370リッターを上まわっている。
ディーゼルのみ、という設定はたいへん珍しいが、「燃費と扱いやすさのために」と、フォルクスワーゲンの日本法人では理由を説明する。発表されている燃費は、リッターあたり18.6km(実燃費にかなり近い数値が出るWLTCモード)だ。
軽快なドライビング
加速するときの音や振動は、それなりにある。いっぽう、乗り心地は上質。ゴルフよりコンパクトなクルマとは思えないほどの重厚感があるのに感心した。
ステアリングホイールを切ったときの動きは、“超”がつくほどクイック、というわけでない。すこし反応がゆるい。それでもコーナリング能力は高く、いいペースでとばしているときに小さなカーブが現れたとしても、安心してとびこんでいける。
足まわりはしっかりふんばり、ボディのロールは少なめ。ドライビングを楽しむためにのみ作られたクルマではないだろうが、コーナリング性能(とりわけ下り坂)に卓越しているところに、ゴルフやポロを含めたフォルクスワーゲン製品に通じる美点を感じる。
やや高めのドライビングポジションに身をおちつけた運転者は、ひらりひらりと軽快なドライビングを楽しめるだろう。
斜め後方のデザインが魅力的
スタイリングは、個性がある。太いリアクオーターピラーを前傾させたのは、ゴルフに通じるフォルクスワーゲン車のデザインアイデンティティをしっかり継承したものだ。
SUVといいつつ、後席用ドアの後ろにもうひとつ窓は設けていない。いわゆるシックス・ライトではなくフォー・ライトにしたのは、基本的にT-Rocはドライバーズカーという主張のあらわれとみていいのではないだろうか。
私はとくに斜め後方からのスタイルがいいと思っている。T-Crossはやっぱりオシャレだけれど、落ち着いたSUV的な雰囲気がある。それに対して、T-Rocはひとり、あるいはふたりで、長い距離のドライブに出けるのが好きだというひとに合いそうだ。
ダッシュボードパネルやシートのステッチなどを、ボディカラーとのマッチングを考えたものにするなど細部にもこだわりが感じられる。趣味性では、日本のSUVはまだまだかなわないだろう。これもT-Rocオーナーのプライドになりそうだ。
価格は「TDI Style」の384万9000円にはじまり、「TDI R-Line」の453万9000円まで。999cc直列3気筒ガソリンターボ・エンジン搭載の「T-Cross」(303万9000円~)より上だ。
輸入車から競合を探すと、シャシーをT-Rocと共用しながら、999cc直列3気筒ガソリンターボ・エンジンを載せたアウディ「Q2」(312万円)が筆頭に上がる。こちらも前輪駆動車だ。
くわえて、4120mmのボディに1199cc直列3気筒ガソリンターボ・エンジンの「DS3クロスバック」(363万6000円~)や、1331cc直列4気筒ガソリンターボ・エンジンに前輪駆動を組み合わせた仕様もある全長4255mmのジープ「レネゲード」(299万円~)も思いついた。
どのモデルもスタイリングでひと味もふた味もひねりのある個性的なモデルばかり、ではないか。T-Rocの導入によってスタイリッシュなコンパクトSUVの市場はますます面白くなりそうだ。
文・小川フミオ 写真・安井宏充(Weekend.)
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