ザウバー/アウディF1は2025年のドライバー1名が未定となっており、その選定を進めている。そして最近になり、FIA F2参戦中のガブリエル・ボルトレトが有力候補となりつつあるようだ。
ボルトレトは2023年にFIA F3でチャンピオンとなり、今年はF2へ昇格。ルーキーながら、これまでに2度フィーチャーレースで勝利してランキング2番手と、いきなりチャンピオン争いを繰り広げている。
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ボルトレトがザウバー/アウディの来季ドライバー候補として名前が上げられ始めたのは数週間前だが、その時点では現在チームに所属しているバルテリ・ボッタスが最有力候補だと考えられていた。
しかしボルトレトがF2モンツァ戦フィーチャーレースで、最後尾から逆転優勝するという劇的な勝利を収め、ザウバー/アウディ側はここ最近になってニコ・ヒュルケンベルグのチームメイトとすることを真剣に検討していると理解されている。
アウディのCOO(最高執行責任者)兼CTO(最高技術責任者)に就任したマッティア・ビノットは最近、ヒュルケンベルグのチームメイトとして経験豊富なドライバーを置くのか、若手を選ぶのかチームとして検討する必要があると話していた。
「間違いなく判断を下すべきことがある。それは経験を追い求めるのか、それ以外のものを求めるのかということだ」
「このプロジェクトは長期的なものだ。したがってここから目標に向かうにあたって、何がベストなのかという点(が重要)だ」
「短期的には経験を優先してから、そこから違うものに移るのか? 決断を下す必要があるし、今の段階ではそれに答えられる状況にないと思う」
「あらゆるドライバーの意見を聞いているのは確かだ。何が長所で何が短所で、何が妥協点なのかを評価している」
ただザウバー/アウディがボルトレトを起用するにはいくつかハードルがある。そもそもボルトレトはマクラーレンの育成ドライバーであるため、相手側がレンタルに同意して貸し出すか、もしくは育成プログラムからの開放が必要になってくるためだ。
マクラーレン側もボルトレトの育成にはリソースを投じており、つい先週彼はレッドブルリンクで2022年仕様の旧車でF1テストを行なったばかりだ。
情報筋からマクラーレンは既に、ボルトレトが他のF1チームでシートを得るチャンスがあるのなら邪魔はしないと表明したともされているが、チームはこれを公式に認めてはいない。
そして実際、マクラーレンはボルトレトの契約解除、もしくは貸出に同意したという噂は正しくないと見られていて、協議もさほど進んでいないようだ。
ザウバー/アウディがボルトレトへ興味を抱いている状況は、ボッタスにとっては悪い知らせだろう。
ザウバーとしては今シーズンここまで無得点と、ボッタスはフラストレーションの溜まるシーズンを過ごしているが、ビノットがアウディへ加入したことで、チームからの関心が高まったと感じていた。
イタリアGPでボッタスは自らの豊富な経験がもたらす価値を、ビノットが理解してくれるだろうという自信を示していた。
「僕の選択肢は限られたものだ」とボッタスは言う。
「そういう状況だ。(ビノットは)僕からチームにとって何を得られるのかをしっかりと理解してくれている。それは僕にとって良いことなのは明らかだ。今後数年間、自動車メーカーの関わる興味深いプロジェクトへ関与するのに、僕も興味がある」
「つまり僕らは双方向に興味があるということだ。それで、いくつか進歩もあった。でもそれ以上のことは言いたくない」
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