2017年9月28日、ホンダステップワゴンがマイナーチェンジを実施しました。最大のトピックスは「ハイブリッド仕様の追加」です。これにてライバルであるトヨタのノア/ヴォクシー/エスクァイアや日産のセレナに対して販売上優位に立てるのか? それとも今回のマイチェン&ハイブリッド追加ではまだまだ及ばないのか? 国産ミニバン市場もっとも苛烈な販売合戦を繰り広げている2Lボックス型ミニバンカテゴリーの状況を、遠藤徹氏がホンダディーラーを回って届けてくれました。
文:遠藤徹 写真:HONDA
■納期は2カ月待ち、メーカー側はヒットを予測
ステップワゴンは今回マイナーチェンジをすると同時にスパーダにハイブリッド車を設定して発売した。
当初9月21日発表、22日発売としていたのを、なぜか9月28日発表、29日発売に先送りしている。事前の受注は1ヶ月ほど前から開始している。受注は上々の滑り出しで、9月下旬現在の納期は約2ヶ月の11月下旬。かなり待たされる状況といえる。ガソリンよりもハイブリッド車の方が2週間程度納期は長い。
ハイブリッドについては枠配車(台数割り当て制)を採用している店舗が多い。過去の販売実績に基づいて販売できる台数を決め、そのぶんの受注が終えると次の枠まで納車待ちになるので、そのぶん待たされる期間が長くなる。メーカーが傘下販売店に対して平等に配車できるように設けているもの。販売台数が多い人気モデルに採用されるケースが多い。したがって今回のステップワゴンハイブリッドはかなりの量販が見込めるモデルといえそう。少なくともホンダ側はそう考えている。
■値引きは10万円、ライバルと比べると……?
首都圏にある某ホンダカーズの営業マンによると、
「今回の改良は、もともと人気の高いスパーダにフロントマスクを一本化し、足回りを強化した。施設内で試乗したが、ハイブリッドは静かで加速性のよさ、コーナリングでの踏ん張り感があって快適な印象だった。これなら胸を張ってお客さんに勧められる」
とコメントしている。
首都圏にある某ホンダカーズでステップワゴンスパーダハイブリッドの最上級グレードG・EXプラチナホワイトパールで見積もりを取ると、車両本体価格385万6680円にドアバイザー、マッドガード、コーティング、フロアマット、ドライブレコーダー、ETC車載器、ディーラーオプションナビ、点検パックをつけ、法定、法定外費用を含めてはじいて貰うと、総額合計480万円弱と出た。値引きは「発売したばかりの人気モデルだから、しばらくの間は10万円プラスアルファが限度になる」と販売店の声。
これに対して近くのネッツトヨタ店で(ステップワゴンスパーダハイブリッドの直接のライバルとなる)ヴォクシーの見積もりを取ってみた。グレードは「ハイブリッドZS」、ホワイトパールクリスタルシャインが車両本体価格326万9160円、これに両側パワースライドドア、ボディコーティング(8万6400円サービス)、9インチディーラーナビ(13万7500円割引)、ETC車載器、バックガイドモニター、フロアマット、サイドバイザー、点検パックをつけ法定、法定外費用を含め総額388万円強と出た。車両本体から、こちらもやはり10万円の値引きだという。
セレナハイウェイスターはヴォクシーZSとほぼ同じ価格で、条件はこれより値引き幅が10万円程度大きい。
これを比べると、ステップワゴンのほうが約50万円程度高い勘定になるが、下取り車の買取額や値引き交渉次第でどう変わるかである。
■年末にかけてステップワゴン有利、その先は……?
今年1~8月の月販平均台数はセレナが8257台、ヴォクシー7242台、ノア4199台、ステップワゴン3409台で、この中ではステップワゴンは4位に甘んじている。
このカテゴリーではノア/ヴォクシー/エスクァイアが2017年7月にマイナーチェンジしたことで、最近はヴォクシーがセレナを抜き、首位に浮上。今回ステップワゴンがマイナーチェンジ&スパーダハイブリッドの設定したことで、急速にセレナやノア/ヴォクシーを追い上げるのは確実だろう。場合によっては首位を奪還することになるかも知れない。
ただ、セレナは来年早々にe-POWER車を加える大幅マイチェンを実施予定している。これが強力な巻き返し策となるのは必至であり、以降のシェア争いは一段と活発化する見通しとなっている。
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