新型スバルBRZ、どこがどう変わった
text:Kouichi Kobuna(小鮒康一)
【画像】スバルBRZ 内外装も変化【新旧モデル比較】 全227枚
日本時間の18日23時に、ついに世界初公開となったスバルの新型BRZ。
発表されたスタイルは概ね好意的な意見をもって迎えられており、早くもローダウンやツライチなどのカスタムコラージュ画像が出回っているほどだ。
そんな新型となったBRZはまだ非公表の部分も多くあるが、現在発表された情報を元に先代型からの違いをチェックしてみたい。
まずはボディサイズ。ベースのプラットフォームは先代BRZにも使われたものを基本として、スバルグローバルプラットフォームのノウハウを投入してブラッシュアップしたものとなっており、そこまで極端な変更はなされていない。
新型BRZのボディサイズは全長167.9インチ×全幅69.9インチ×全高51.6インチとなっている。
従来型の全長166.7インチ×全幅69.9インチ×全高52.0インチと比べると1.2インチ(約3センチ)長くなり、0.4インチ(約1センチ)低くなったということになる。
写真ではフェンダーの隆起が大きくなったように見えたのだが、実際の全幅は変わっておらず、フロントフェンダーやサイドシルスポイラーの形状が変わったことによる視覚的な錯覚ということのようだ。
また、ホイールベースは101.4インチで、従来型の101.2インチよりも0.2インチ(約5ミリ)伸びている。
プラットフォームが共通ということなので、もしかしたらサスペンションのジオメトリーに若干の違いがあるのかもしれない。
なお、サスペンションの形式は従来型と同じくフロントがストラット式、リアがダブルウィッシュボーン式の四輪独立サスペンションとなっている。
エンジン排気量アップ、安全装備追加
新型BRZに搭載されるエンジンは水平対向4気筒の2.4Lエンジンとなり、従来型よりも400ccの排気量アップとなる。
最高出力は228hp、最大トルクは187lb-ftで、従来型の205hp/156lb-ftよりもパワー、トルク共に向上した(北米データ)。
排気量アップによって主に低回転域でのトルクアップが図られていると想像できるが、タコメーターのレッドゾーンは従来型と同じく7500rpm付近となっており、NAらしく回して楽しいエンジンであることを期待させてくれる。
そのエンジンに組み合わされるミッションは6速のMTとATとアナウンスされている。
MTに関しては特にアナウンスはなく、ATは「スポーツモードの制御が進化」と記載されていることから、従来型がベースとなっているということだろう。
またAT車には先進安全装備のアイサイトが標準装備されることが発表された。バージョンの記載はないが、スバルグローバルプラットフォームを採用していないことも考えると、最新のアイサイトXではなく、アイサイトVer.3である公算が高い。
従来型はオーディオレスが基本でナビはディーラーオプションであったが、新型はアップル・カープレイとアンドロイド・オートに対応した8インチのマルチメディアインフォテイメントシステムを採用。
さらにコネクティッドサービスの「スバル・スターリング・セーフティ&セキュリティ」も採用することで、一気に近代化が図られている。
装備も充実、価格もアップするのか?
その他、細かい部分ではルーフ、フード、フロントフェンダーに軽量なアルミを採用し、排気量アップや安全装備の充実による重量増を抑制。
前後左右重量の適正化やさらなる低重心化を実現して運動性能を向上させている。
タイヤサイズは従来型と同じく215サイズとなっているが(215/45R17か215/40R18)18インチにはミシュラン・パイロットスポーツ4がおごられる。
排気量アップ、安全装備の充実、インフォテイメントシステムの採用、外板部品のアルミ化、ハイパフォーマンスタイヤの装着と、ここまでの変更点を見る限り価格のアップは避けることはできないだろう。
新型BRZの最も装備が充実したグレードでは、従来型の最も高価なグレードである「STIスポーツ」の6速AT車の365万7500円を上回る可能性もあると見る。
ちなみに現在発表されているのは「プレミアム」と「リミテッド」の2グレードであるが、北米スバルのグレード体系は何も名称のつかないスタンダードから始まり、「プレミアム」、「スポーツ」、「リミテッド」、「ツーリング」と価格が上がっていくことが多い。
装備充実の最上級グレードが高額になるのは一向にかまわないが、新型BRZにほれ込んだ若いユーザーのためにも、従来型の「Rカスタマイズ・パッケージ」のように普段乗りに必要な最小限の装備だけを残した「素材」のような安価なグレードも継続設定していただきたいものだ。
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