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“速さ”で本気の勝負を挑む、BMWのウェポンがヴェールを脱いだ!──東京モーターサイクルショー2019リポート【第6弾:BMW編】

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“速さ”で本気の勝負を挑む、BMWのウェポンがヴェールを脱いだ!──東京モーターサイクルショー2019リポート【第6弾:BMW編】

「より速く」移動するというのは、ドイツ人が自動車をつくるさいに最も重要視するファクターのひとつだ。だが不思議なことに、こと二輪に関してはあまり重きを置かれていなかった。ラップタイムよりも安全性、最高速よりも快適性を重視し、「より遠くへ」移動することを目的にしたモデルが多勢を占めてきたのだ。

BMWモーターサイクルもやはり、ツアラーを主軸にしたモデルを展開してきた。サーキット走行を本分とするスーパースポーツ・モデルもラインナップしているが、それらでさえ乗り心地や扱いやすさにプライオリティが置かれ、決して「速さ」が最優先事項ではなかった。

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だが今回のショーで公開された「S1000RR」は、過去のモデルとは明確に異なるコンセプトを持っている。開発目標は「あらゆるサーキットでラップタイムを1秒短縮すること」と謳われ、そのためにすべてが刷新された。じっさい197kgという装備重量は従来モデルから11kgも絞られ、999cc直列4気筒エンジンの最高出力は199psから207psに向上している。「より軽く、よりパワフルに」という正攻法により、他メーカーのスーパースポーツ勢に挑んでいるのだ。

BMWモーターサイクルとして初めて、「M」の名を冠するグレードが追加されたことも大きなトピックだ。四輪ではお馴染みのハイパフォーマンスな「M」仕様が、「S1000RR Mパッケージ」という名称で設定された。カーボンホイールやスポーツシート、可変式フレームといった専用パーツを装備して軽量化、ラップタイムのさらなる短縮を目指している。

じつはS1000RRはコストパフォーマンスにも優れている。スタンダードモデルの価格は227万7000円と、国産のリッター・スーパースポーツと同等か若干高い程度だ。「Mパッケージ」にセミアクティブサスペンションを追加した最上級グレードでも278万7000円に抑えられ、競合するドゥカティ・パニガーレV4のプライスが300万円を優に超え、500万円近いモデルもラインナップしていることを考えると、かなりの優位性を感じさせる。

高性能モデルをリリースするだけではなく、それを使ったアクティビティの充実も図られる。アメリカで長い歴史を誇るライディングレッスン、「カリフォルニア・スーパーバイクスクール」を日本でも開催することが発表された。「The Art of Cornering(美しきコーナリング)」をテーマに掲げるこのスクールを、BMWは車両貸与などを含めサポート。ビギナーのスキルアップはもちろん、プロライダーが0.1秒を削るためのプログラムまで予定されているという。

S1000RRの初代モデルがデビューしたのは2009年のことだが、今回のフルモデルチェンジにより性能面でもシェアでもカテゴリーのトップを奪う準備が整えられたと言っていい。ショー冒頭に行われたアンヴェールの場面では、宣戦布告さながらの「熱」が感じられた。

いっぽう、より「BMWらしい」、つまりツーリングの楽しみを重視した新型モデルも披露された。「R1250R」や「R1250RS」、「R1250GS」などがそれだ。いずれのモデルにも可変バルブタイミング機構を備える新エンジンを搭載する。これは燃費、静粛性、扱いやすさ、高出力、環境性能といった、エンジンに求められる様々な性能を高次元でバランスさせているという。これからの主力ユニットとして長くBMWを支えていくことになるだろう。

このほかにも日本初公開のモデルやカスタムパーツも多数展示された。電動スクーターからグランドツアラー、ネオクラシックまで揃える幅広いラインナップで、BMWモーターサイクルの実力と厚みを感じさせる内容となっていた。

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