元F1ドライバーのマルク・スレールは、ハースがミック・シューマッハーを2シーズンで放出したことは間違いだったと考えている。
シューマッハーは2021年のバーレーンGPでハースからF1デビューを飾ったが、23歳の彼は2022年末で解雇され、より経験豊富なニコ・ヒュルケンベルグが後任となった。だが、1980年代初頭にエンサイン、ATS、セオドール、アロウズ、ブラバムから88戦に出走し、その後は『Sky Sports Germany』のテレビ解説者になったスレールは、これは誤った決断だと感じていた。
ラルフ・シューマッハー、甥ミックのメルセデスF1加入を喜ぶ「このような状況下では最適な解決策だった」
「ミックは、F1で実質2年間の見習い期間を終えたところで、追い出されてしまった」と今週スレールは『formel1.de』に語った。
「これから飛躍の時が来るかもしれなかった……」
またスレールはヒュルケンベルグの起用について、2023年の早いうちにチームが結果とポイントを得るために、短期的にはよりよい選択だと認めた。
「これは諸刃の剣だ。短期的に、1年間ハングリーで経験豊富なドライバーを使うのはよりよい選択肢だと思う」
「しかしミックは、長期的にはもっと良い選択肢だったのは確かだ。我々はまだ彼の最高の部分を目にしていないと思う。彼は優れたレーシングドライバーだ。優れたレーサーは世界チャンピオンにもなれる。彼が才能を持っていることは正確に見てとれる」
「F2やF3で見てきたように、彼は優れたマシンを与えられてそれが機能すれば、実力を発揮できる。彼は素晴らしい才能の持ち主だ。スピードの面では、たいていはすぐに速さを発揮する……。彼は繊細なドライバーではないが、オーバーステアであろうがアンダーステアであろうが、常に速く走行できる」
「この観点から見ると……今の状況は少々混乱している」
2020年末、ハースはマグヌッセンとロマン・グロージャンを放出し、シューマッハーとニキータ・マゼピンのルーキーふたりによるラインアップを選択した。2022年の新テクニカルレギュレーション導入前に、ハースはシャシーの開発作業をほとんど行わなかったが、“持ちこたえなければならない”2021年を前に、このラインアップは資金を節約するひとつの方法だった。
しかしハースは2022年初頭に起きたロシアによるウクライナ侵攻後にマゼピンを解雇して、タイトルスポンサーのウラルカリ社との契約を打ち切り、マグヌッセンを呼び戻した。
そして今では、シューマッハーも去った。彼は何度か大きな事故を起こしており、チームには修理費用の大きな負担がかかったからだ。
ハースは、2023年に経験豊富なドライバーを選択した。ケビン・マグヌッセンをヒュルケンベルグと組ませるのだ。これはチーム代表のギュンター・シュタイナーによる方針転換であることは間違いない。ヒュルケンベルグはベテランF1ドライバーであり、ウイリアムズ、フォースインディア、ザウバー、ルノーから181回のグランプリに出走した。最近では体調不良のセバスチャン・ベッテルの代役を務め、アストンマーティンから2戦に出場した。
しかしながらヒュルケンベルグはキャリアのなかで表彰台に登壇したことがない。35歳の彼は今年のグリッドではフェルナンド・アロンソとルイス・ハミルトンに次いで3番目に年長のドライバーであり、F1での長期的な将来には疑問がある。
シューマッハーは2023年のグリッドに並ぶことはないが、メルセデスとのリザーブドライバー契約を締結したため、そのうち戦いの場に復帰するチャンスもあることだろう。
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