現在位置: carview! > ニュース > ニューモデル > ライバルほぼ不在の能力 BMW M240i xドライブ・クーペへ試乗 直6に四駆で373ps

ここから本文です

ライバルほぼ不在の能力 BMW M240i xドライブ・クーペへ試乗 直6に四駆で373ps

掲載 更新 15
ライバルほぼ不在の能力 BMW M240i xドライブ・クーペへ試乗 直6に四駆で373ps

肉食動物的で運動神経に長けたルックス

BMW 2シリーズ・クーペが生まれ変わった。FR基調のレイアウトはそのままに。

【画像】モデルチェンジ BMW M240i xドライブ・クーペ 同クラスのクーペモデルと比較  全131枚

スペックシートを眺めるだけでも、近づきたいと強く思わせる。実際わせる。実際に運転すれば、すぐに仲良くなれるニューモデルだ。

今のご時世、エンジニアの苦労は想像に難くない。ツインターボの直列6気筒エンジンを、高価な特製プラットフォームへ縦置きしている。さらにリアタイヤ側へ軸足が置かれた、四輪駆動システムも搭載している。ボディは小柄で、充分に低い。

かつてない勢いで、純EVへ業界はシフトしている。現在の売れ筋モデルは、SUVが中心という状態だ。BMWの上層部が、新しい2シリーズ・クーペへゴーサインを出したことには驚かされるし、とてもうれしい。

AUTOCARでは2021年の年末に、M240iをドイツで試乗している。並外れた能力の持ち主であることは、確認できている。それでは、維持管理が良いとはいえない英国の舗装路では、どんな乗り味を楽しませてくれるのだろうか。

M240iは、停まった状態でも気持ちをアゲる雰囲気を放つ。フェンダーは筋肉質に膨らみ、ラインに無駄なたるみは感じられない。

ボディの四隅へ、踏ん張るように大きなタイヤがレイアウトされ、車高も低い。いかにも肉食動物的で、運動神経に長けたクルマに見える。

3.0L直列6気筒ターボで373psと50.9kg-m

インテリアの仕立ても美しい。ボディの低い位置へ座るドライビングポジションで、操作系はすべてドライバーが中心。ちゃんと、大人4名が乗れる空間も確保されている。

ダッシュボードは3シリーズから受け継がれた。大きなタッチモニターが備わり、メーターパネルもモニター式だが、実際に押せるハードスイッチとのバランスも良い。インフォテインメント・システムは、iXなどの最新システムより運転中でも操作しやすい。

2シリーズ・クーペが基礎としているのは、後輪駆動用CLARアーキテクチャの縮小版。エンジンは先代のM240iに搭載されていた、B58型3.0L直列6気筒ターボの大改良版となる。4気筒が中心のライバルと比較して、明らかに力強い。

少々設計は古いものの、最高出力373ps、最大トルク50.9kg-mを発揮し、0-100km/h加速は4.3秒を誇る。この数字は、先代の初代M2とほとんど変わらない。相当にシリアスなスペックといって良い。

走り始めれば、その能力さがビシビシと伝わってくる。スポーツ・モードを選択すると、過剰にすら感じるほど。

アクセルペダルを傾ければ、アイドリング直後からパワーが解き放たれ、4000rpmを超えた辺りで本領が発揮される。サウンドは多少劣るようだが、従来のM2と遜色のない、猛烈な加速力を獲得できている。

本気で回転する直6エンジンからは、不足ない唸り音が響いてくる。技術的に遠い親戚といえる、トヨタGRスープラで聞いたことのある、人工的な印象も拭えないけれど。

鋭いコーナリングと長距離の快適性を両立

パワーバルジが付いたボンネットをコーナーの頂点へ向ければ、M240iはコーナリングでも初代M2に肉薄していることが見えてくる。リムの太いステアリングホイールは、フィードバックが薄いものの、正確性や反応はパーフェクト。

標準装備のアダプティブ・ダンパーによるビタリと見事な姿勢制御と相乗し、シャシーへ思い切り負荷を掛けられる。ちなみに、ダンパーにはコンフォートとスポーツのほかに、自動調整されるアダプティブ・モードも用意された。

フロントタイヤのグリップ力は高く、コーナリング姿勢はニュートラル。しかしドライバーの気分次第で、リアのラインを鋭く変化させることもできる。

アクセルペダルを踏み込めば、電子制御リミテッドスリップ・デフがリアタイヤへ掛かるトルクを調整しつつ、パワー・オーバーステア状態へ持ち込める。xドライブは徐々にフロントタイヤへもトルクを分配し、弾けるような脱出加速へも結びつく。

走りがいのあるルートでは、M240iほど高速で縫えつつ、オールドファッションな楽しみ方にも開放的なモデルは、このクラスでは思い浮かばない。だが、それだけではないのが最新型だ。

設定をコンフォート寄りへ切り替えれば、穏やかな移動にも浸れる。ダンパーをソフトにすることで、乗り心地は硬めながら、鋭い隆起などの衝撃はしっかり吸収してくれる。

英国の一般道でも、不快に感じるような揺れはほぼ皆無。ロードノイズなども抑え込まれている。長距離移動も快適にこなせるといえ、先代のM2より訴求力は高そうだ。

同等の実力を備えるライバルはほぼ不在

マイナス面は、と考えてみると、MTを選べないことが1つ。それでも、8速ATはキビキビと巧みに変速をこなす。

またブレーキは、自信を高めてくれるような、踏み始めの減速感がもう少し欲しいと感じた。ペダルのストロークも長い。踏み込むほど、不足のない制動力は引き出せるのだが。

この2点を踏まえても、BMW M240iのドライビング体験は素晴らしい。英国価格は4万5795ポンド(約709万円)からに設定され、価格価値という面でも非の打ち所はない。

確かに、純血統の先代M2と比べれば、生々しさや興奮度合いでは少し劣るかもしれない。とはいえ、肉薄したと表現できる違いでしかなく、現実世界では相当に速い。より多くのドライバーが惹かれるであろう、動的能力のバランスに仕上がっている。

穏やかな220iと同じくらい、快適に大人数名での移動ができる。それでいて、気分次第ではシリアスな走りにも没頭できる。スタイリングも悪くないし、インテリアには豪華さがあり、装備も充実している。車内の実用性に不満はないだろう。

これほどの実力を備えるライバルは、殆ど存在しないといっていい。唯一気になる存在といえば、追って登場する2代目M2だ。既にM240iとひと回り大きいM4との間には、さほど明確なブランクはない。その隙間へ、巧妙に送り込まれてくるのだろう。

BMW M240i xドライブ・クーペ(英国仕様)のスペック

英国価格:4万5795ポンド(約709万円)
全長:4537mm
全幅:1838mm
全高:1390mm
最高速度:249km/h(リミッター)
0-100km/h加速:4.3秒
燃費:11.4-12.2km/L
CO2排出量:186-200g/km
車両重量:1690kg
パワートレイン:直列6気筒2998ccツイン・ターボチャージャー
使用燃料:ガソリン
最高出力:373ps/5500-6500rpm
最大トルク:50.9kg-m/1900-5000rpm
ギアボックス:8速オートマティック

【キャンペーン】第2・4 金土日はお得に給油!車検月登録でガソリン・軽油7円/L引き!(要マイカー登録)

こんな記事も読まれています

18年ぶりに復活を遂げたトヨタ新型「クラウン・エステート」“待望”の発売! SUVの魅力をプラスした「新発想ワゴン」は635万円から
18年ぶりに復活を遂げたトヨタ新型「クラウン・エステート」“待望”の発売! SUVの魅力をプラスした「新発想ワゴン」は635万円から
VAGUE
ヒョンデ、『インスター』4月導入でEV普及を加速…新拠点開設やパートナーとの連携強化へ
ヒョンデ、『インスター』4月導入でEV普及を加速…新拠点開設やパートナーとの連携強化へ
レスポンス
軽自動車にこそEVがピッタリです。ル・ボラン編集部が選ぶ! 「EVアワード」日産サクラ
軽自動車にこそEVがピッタリです。ル・ボラン編集部が選ぶ! 「EVアワード」日産サクラ
LE VOLANT CARSMEET WEB
18年ぶり復活のトヨタ新型「クラウン“エステート”」! 「ワゴンとSUVの融合」実現した“デザイン”に込められた“想い”とは
18年ぶり復活のトヨタ新型「クラウン“エステート”」! 「ワゴンとSUVの融合」実現した“デザイン”に込められた“想い”とは
くるまのニュース
トヨタ「クラウンエステート」登場! “シリーズ第4”のモデルはなぜ「SUV×ワゴン」融合した? 伝統の「エステート」名称“復活”にかけた開発の想いとは【開発者インタビュー】
トヨタ「クラウンエステート」登場! “シリーズ第4”のモデルはなぜ「SUV×ワゴン」融合した? 伝統の「エステート」名称“復活”にかけた開発の想いとは【開発者インタビュー】
くるまのニュース
56年前の「ランボルギーニ」がオークションに登場 名スーパーカー「カウンタック」以前の“4人乗りランボ”とは
56年前の「ランボルギーニ」がオークションに登場 名スーパーカー「カウンタック」以前の“4人乗りランボ”とは
VAGUE
マルティン、MotoGP第3戦アメリカズGPも欠場へ。第4戦カタールでの復帰も不透明「思うように回復できず、本当に苦労している」
マルティン、MotoGP第3戦アメリカズGPも欠場へ。第4戦カタールでの復帰も不透明「思うように回復できず、本当に苦労している」
motorsport.com 日本版
レクサス [LS]2013年モデルが想像以上に良すぎる件!! マイナーチェンジってウソだろ!?
レクサス [LS]2013年モデルが想像以上に良すぎる件!! マイナーチェンジってウソだろ!?
ベストカーWeb
新車購入で後悔したくないなら徹底チェック! 購入前にディーラーの実車で穴が空くほどガン見して確認すべき項目とは
新車購入で後悔したくないなら徹底チェック! 購入前にディーラーの実車で穴が空くほどガン見して確認すべき項目とは
WEB CARTOP
トヨタ新型「クラウンエステート」発表! “ワゴン×SUV”を「よりメッキきらめくスタイル」に! スタイリッシュなモデリスタパーツを設定、KINTOでも取り扱い開始!
トヨタ新型「クラウンエステート」発表! “ワゴン×SUV”を「よりメッキきらめくスタイル」に! スタイリッシュなモデリスタパーツを設定、KINTOでも取り扱い開始!
くるまのニュース
レーシングブルズとエクソンモービルが燃料パートナー契約を締結。レッドブルファミリー全体との提携が強化
レーシングブルズとエクソンモービルが燃料パートナー契約を締結。レッドブルファミリー全体との提携が強化
AUTOSPORT web
動かす前に何をすべき!? 冬の間に乗らなかったバイクのメンテナンス
動かす前に何をすべき!? 冬の間に乗らなかったバイクのメンテナンス
バイクのニュース
ワゴン×SUV!? トヨタ新型「クラウンエステート」18年ぶりに復活! 完成された16代目クラウン独自の「乗り味」とは【試乗記】
ワゴン×SUV!? トヨタ新型「クラウンエステート」18年ぶりに復活! 完成された16代目クラウン独自の「乗り味」とは【試乗記】
くるまのニュース
高速道路に「人が運転していない」トラックが出現…なぜ? 一般車の自動運転と何が違うのか
高速道路に「人が運転していない」トラックが出現…なぜ? 一般車の自動運転と何が違うのか
乗りものニュース
トヨタ新型「クラウンエステート」正式発表! ワゴン×SUVとして18年ぶり復活の理由は? ブランド70周年で4モデル揃う!エステートが担う役割とは 635万円から設定
トヨタ新型「クラウンエステート」正式発表! ワゴン×SUVとして18年ぶり復活の理由は? ブランド70周年で4モデル揃う!エステートが担う役割とは 635万円から設定
くるまのニュース
スバル新「クロストレック」発表! 鮮烈な「オレンジ」ボディ採用した“サンブレイズ仕様”に大注目! 同時に「インプレッサ」と「レヴォーグ」特別仕様車も公開!
スバル新「クロストレック」発表! 鮮烈な「オレンジ」ボディ採用した“サンブレイズ仕様”に大注目! 同時に「インプレッサ」と「レヴォーグ」特別仕様車も公開!
くるまのニュース
「アントネッリ圧倒は必須とは思っていない」先輩ジョージ・ラッセル、”速いヤツは最初から速い”理論を提唱
「アントネッリ圧倒は必須とは思っていない」先輩ジョージ・ラッセル、”速いヤツは最初から速い”理論を提唱
motorsport.com 日本版
ホンダ『ZR-V』のゴツゴツ感を低減、スタビリティも向上させるテインの車高調「フレックスZ」発売
ホンダ『ZR-V』のゴツゴツ感を低減、スタビリティも向上させるテインの車高調「フレックスZ」発売
レスポンス

みんなのコメント

15件
  • だからツインターボじゃないんだよ
    ツインスクロールターボ
    タービンは1個だけ
  • 前輪には駆動力をどうやって伝えてるのかな。
    GT-Rと同じ方式かミッションから分岐させてるのか。
    車格のわりに重いのは四駆のせいだろうけど。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

610 . 0万円 806 . 0万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

98 . 0万円 738 . 0万円

中古車を検索
BMW 2シリーズ クーペの買取価格・査定相場を調べる

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

610 . 0万円 806 . 0万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

98 . 0万円 738 . 0万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村