3月3日、ベントレーはイギリス・クルーの本社で、“ベントレー・ミュリナー”の原点回帰を意識した新型オープン2シーターモデル『バカラル(BACALAR)』を世界初公開した。
6.0リットルW12 TSIをさらに強化し659psを発揮するエンジンを搭載したこのクルマは、世界随一の歴史を誇る名門コーチビルダーであるベントレー・ミュリナーがその原点に立ち返って制作するモデルの先駆車だ。
バカラルというモデル名は現実離れした美しさで知られるメキシコ、ユカタン半島にあるバカラル湖にちなんだもの。ベントレーの新型車は、その名を表すかのような“魅せる”ラグジュアリー2シーターオープンカーを具現化したものとなっている。
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イタリア語で小舟を意味する“バルケッタ”デザインが採用されたバカラルは世界12台の限定車だ。すでに予約完売済みで今後、個々のオーナーの要望に応じながら1台1台が手作業で製作される。ベントレー・ミュリナーは同モデルの製作を通じて、目の肥えたオーナーのためだけに特別なクルマをコーチビルドするという原点に立ち返るとしている。
そんなバカラルはベントレーの100周年記念コンセプトカーとして2019年夏に発表された『EXP 100 GT』から、クラフトマンシップの結晶であるデザインのDNAを受け継ぐとともに、サステナブルな素材の使用を踏襲した。
デザインチームは今回、かつてないほどダイナミックで彫刻のようなモデルを目指しており、それはベントレーが新たな100年へと踏み出す未来への意思表明であるという。
特徴的なテーパー形状のリヤカウルはかつてのバルケッタ・スポーツカーを彷彿とさせると同時に、乗る人を心地よい空間に包み込みながらダイナミックな走りでドライバーを楽しませる実力を暗示させる。
また、ラップアラウンドデザインのコクピットはすっきりと美しく、角度をつけた新設計のセンターコンソールからダッシュボード、ドアへとシームレスなラインが描かれた。座席後方には半密閉式のラゲッジスペースが設けられている。
さらにベントレーはEXP 100 GTで採用された、環境に配慮した方法で採取された持続可能な素材の使用をふたたび実現。もみ殻の灰を原料とする塗料やイギリス産ウール、イングランドで発見された5000年以上前の倒木“リバーウッド”が使われている。
「バカラルにはEXP 100 GTに影響されたデザインと、過去のモデルに影響されたデザインが共存している」と語るのは、ベントレーのデザインディレクターであるステファン・シエラフ。
「ベントレーのオープンコクピットカーの歴史は古く、1920年代に製造されたバーキン卿の『ブロワー・ベントレー』のデザインも参考にした」
「お客様が関心を示したのは、この価格帯でより表情豊かな、ベントレーならではのクルマ作りでしたので、私たちは可能な限り上を目指した」
「また、サステナブルな素材を使用するという我が社の公約実現にも着手している。未来の在り方を示したコンセプトカーの発表から1年足らずで、実行に移したのだ」
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