1960年代後半、トヨタや日産のレーシングカー、3L、V8のTOYOTA7や2L、直6の日産R380といった大排気量車を相手に、たった1.3Lという小排気量で挑んだ、ダイハツのレーシングカーが存在した。
そのレーシングカーの名は、ダイハツP5。その伝説のレーシングカーが、レストアされ、滋賀県竜王町にあるダイハツテクニカルセンターで、約50年ぶりに走ったのだ。
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さて、P5のその走りはどうだったのか? ダイハツのレーシング活動とともに報告しよう。
文/ベストカー編集部
写真/西尾タクト
初出/ベストカー2018年12月26日号
■ダイハツのレーシングカー、P5が50年ぶりに走行!
ダイハツといえば、まじめに軽自動車や小型車を作るメーカーという印象だが、かつて1960年代後半には、ポルシェやトヨタ、日産(プリンス)を相手にサーキットで奮戦した歴史があり、その主役がP5なのだ。
ブォン、ブォン、ギュー、ボアアン。気持ちのいいレーシングサウンドが滋賀県竜王町にあるダイハツテクニカルセンターにこだました。小さなレーシングカーP5がお披露目され、俊敏な走りを見せ、多くの笑顔が溢れた。
P5は本格レーシングカーで、鋼管パイプフレームに風洞実験によって得られた流麗なFRPボディを持ち、当時最強のポルシェ906にも似たシルエットが印象的だった。
ミドシップに搭載するエンジンは1.3L、直列4気筒DOHC4バルブエンジンで、コンパーノの1Lエンジンをベースに開発。DOHC、しかも4バルブを持つレーシングエンジンは、当時ごくまれだった。
R92A型と呼ばれた最高出力130psのダイハツオリジナルエンジンを搭載したP5は1967年第4回日本グランプリに出場するが、エンジントラブルで予選落ち。エンジンをR92B型とし、翌1968年の第5回日本グランプリに挑んだ。
R92B型は140ps/8000rpm、13.0kgm/7000rpmのスペックとなり、最高速度は240km/h近くまで伸びたという。
4台出走したP5は次々にトラブルに見舞われ脱落していくも、最後の1台が総合10位でチェッカーを受け、クラス優勝を果たした。
トヨタ7、日産R380、ポルシェ906といった大排気量勢を相手の大健闘に富士スピードウェイに詰めかけた観衆は大声援を送ったという。黄色に赤の小さなレーシングカーが、必死に走る姿が"判官贔屓"を呼んだのだ。
続く鈴鹿1000kmレースではトヨタ7、ポルシェ906に続く総合3位の成績を残した。最後のワークス活動となった翌1969年の鈴鹿1000kmレースでは、これまでの最高となる総合2位に入賞。「ハイパーコンパクト」と呼ばれたP5は軽量で空力に優れ、燃費がよかったことが好成績を生んだのだった。この思想は現在のダイハツのクルマ作りに脈々と受け継がれているのだ。
■待望のエンジンを入手し、レストアが完成する
今回走ったP5は伊丹の倉庫に眠っていたものだが、残念ながらエンジンがなく、ボディだけのレストアが進められていたが、2018年8月23日に京都府綾部市の山本自動車からエンジンを譲り受け、ダイハツ技術研究会が、完全レストアにこぎつけたものだ。
ダイハツ技術研究会は発足1970年、P5の成功から50年の節目にあたることからP5の走行にこだわり、10月10日に晴れの日を迎えることになった。
もちろん本来の仕事ではなく就業時間を終えてからの活動で、困難も多かったというが、先人たちのチャレンジスピリットを再び学びたいという思いで約35人がR92B型エンジンと向き合い、充実の2カ月間を送ったという。
今回、奥平総一郎社長もステアリングを握り、200mほどを加速した。「軽くて気持ちいい。もっと乗りたかった。今回P5のレストアを通してみんなの気持ちがひとつになったことがうれしい」とコメント。
ダイハツ技術研究会は1964年の東京五輪の際にギリシャ・オリンピアから東京までの聖火コース約1万8000kmを走破したコンパーノ・ベルリーナのレストアを次の目標に活動を続けていくという。期待して待っていよう!
■ダイハツのレース活動を振り返る!
ダイハツのレース活動は1965年船橋サーキットで行われた全日本自動車クラブ選手権へのコンパーノ・スパイダー参戦に始まる。
次に空力面での不利を補うためにコンパーノ・ベルリーナをベースとし、フロントノーズを丸くし整流効果を上げたP1が登場する。
翌1966年にはアヒルを思わせるユーモラスなボディの「ピー子ちゃん」ことP3が誕生。当時としては最先端の1.3L、DOHC16バルブエンジンを搭載する本格派だった。
そしてP5誕生となるが1967年トヨタの傘下になることが決定する。翌1968年9月22~23日に開催された「鈴鹿1000kmレース」では、トヨタ7(福澤幸雄選手/鮒子田寛選手)、チュードルカレラ906(高野正也選手/米山二郎選手)に次ぐ総合3位を勝ち取った。
さらに翌1969年5月31~6月1日に開催された「鈴鹿1000kmレース」では、チュードルカレラ6(津々見友彦選手/米山二郎選手)に次ぐ総合2位(ゼッケン10、久木留博之選手/矢吹圭造選手)に入る快挙を成し遂げた。ちなみに周回数およびタイムは、カレラ6が167周、7時間11分23秒2、P5が162周、7時間13分31秒3だった。
この2位がP5のこれまでの最高位となり、このレースが事実上、最後のワークス活動によるレースとなった。
■シャレードDe Tomaso 譲ってください!
最後にお願いごとがひとつ。ダイハツは、過去の名車から学ぶ活動を進めているそうだが、現在、1984年2代目シャレードに設定されたデ・トマソ ターボを捜索中なのだが、なかなか見つからないらしい。
安価で譲ってもいい! 庭先にある! という方はベストカー(下記アドレス)にご連絡ください。
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