■本来「あってはいけない」トヨタ四駆が米に流出…
2024年2月8日、アメリカのカーオークションサイト「Cars & bids」において、トヨタ「メガクルーザー」と称する四輪駆動車が2万9250ドル(当日レートで約437万円)で落札されました。
どのような個体なのでしょうか。
【画像】「えっ…!」 これが“本来存在してはいけない”「トヨタ最強モデル」です(60枚)
Cars & bidsはアメリカのオークショニアで、主に1981年以降のクルマを対象にオークションが開催されています。
今回落札されたのは1996年式で3万7200キロを走行しているとするトヨタのメガクルーザーで、2023年9月に米国で中古輸出されたと言います。
メガクルーザーは1996年1月に登場した大型本格四輪駆動車です。源流は米軍で使われている軍用車「ハンヴィー」を参考に、トヨタが開発した自衛隊納入向け「高機動車」がベースとなっています。
主に自衛隊の活動現場で運用されるのが基本ですが、1993年の「東京モーターショー」で一般向けのコンセプトカーが公開されると市販化を求める声が多く寄せられたことから、2001年まで販売されました。
ボディサイズは全長5090mm×全幅2170mm×全高2075mmと極めて大きく、これは大型ミニバン「アルファード」や本格四輪駆動車「ランドクルーザー300」、さらには北米向けフルサイズSUV「セコイア」よりも大柄な体躯を持ちます。
車幅は、これまで市販化された国産車の中でも最大とも言われ、大きさと実用性に大きく振った迫力のある見た目から、敬愛を込めて「和製ハマー」と呼ばれることもあります。
パワートレインは最高出力170馬力・最大トルク43.0kgmを発揮する4.1リッター直列4気筒ディーゼルターボを搭載し、4速ATを組み合わせます。
駆動方式はフルタイム4WDですが、デフロック機構を装備し、泥ねい地や雪道などでの駆動力確保に有効な後輪の空気圧調節機能も装着可能とするなど、並みの四輪駆動車とは大きくことなる高い悪路走行性能を持っています。
また、巨大なボディながら最大12度の逆位相4WS(4輪ステアリング)を装備することで、最小回転半径5.6mの小回り性能を実現しています。
インテリアは最低地上高の確保のためにデフやプロペラシャフトを引き上げたことによって、助手席と運転席が離れて設けられており、左右で分断されたようなレイアウトになっています。乗車定員はフロント2名・リア4名の計6人乗りです。
そんなメガクルーザーですが、今回落札された個体はやや様子が異なっています。
出品名はメガクルーザーとして提供されましたが、エクステリアは設定のないグリーンに塗装されているほか、リアドアがなく、ルーフも幌が装備されるなど、民生用のメガクルーザーにはない特殊仕様なっていることがわかります。
さらに、フロントフェイスもメガクルーザーの角型ライトではなく整備性の高い丸形ヘッドライトが装着され、エアコンは非装着。シートもパイプとクッションのみの簡素なもので、リアシートは乗員を増やした縦型シートが装備されるなど、明らかに民生車両とは異なります。
インパネや幌に残されたコーションプレートや印字を見ると「高機動車」の文字があり、極めつけは車体番号の「BXD10」という型式表記(メガクルーザーは「BXD20」型)から、この個体はメガクルーザーではなく自衛隊で使われていた高機動車であると推測できます。
状態は外装の塗装ムラや幌の汚れ、下回りのサビなどがあるものの、自衛隊として使われていたことからかメンテナンスは行き届いており、不必要なカスタムなどが施されずに純正状態で維持されているようです。
入札は1万ドルでスタートし、13件もの激しい入札合戦を繰り広げた後、2万9250ドルで落札。
通常手に入らない希少車両である点や、優秀な整備履歴が残されていることなどが評価されたのか、日本円で430万円を超えるプライスで取り引きされ、次のオーナーへと引き継がれていきます。
※ ※ ※
自衛隊の車両や警察車両は、機密保持などの理由からその役割を終えると復元できないように解体や切断処理が施され、パーツとして残存することはありません。
しかし、防衛省は2023年12月に解体のために売却された高機動車やトラックなどが国内外で販売・使用されていることを確認し、不正に転売したとして複数の業者を指名停止にしています。
こうした不正輸出にはさまざまな問題をはらんでいるため、防衛省は確実な解体作業のために隊員立会で行うなどの再発防止を図るといいます。
今後、海外オークションにおける高機動車の出品は完全になくなると見られます。
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みんなのコメント
不正輸出はおろか、盗んだ車も横流ししてるよ
労働者だと思ってるのか
マフィアや泥棒も外国から招き入れ放題です。
日本政府は駄目過ぎます。