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「595」「695」の数字だけで毒に冒される! 激速ハッチを作り続ける「アバルト」の名前の魔力

掲載 更新 4
「595」「695」の数字だけで毒に冒される! 激速ハッチを作り続ける「アバルト」の名前の魔力

激速コンプリートカーをリリースするブランド

 アバルトといえば、フィアットをベースとしたスポーツグレードとしてお馴染み。以前は単なるスポーツグレード程度だったが、イタリア本社が本格的なアバルト復活に力を入れて、世界中のクルマ好きを楽しませてくれている。

派生モデルも存在した「ルパン三世が愛した旧フィアット500って?」 

 そもそも、アバルトの魅力はというと、実用車をベースにカリカリにチューニングすることで、エンブレムにあしらわれたサソリの毒のように刺激的な走りを実現していることにある。

 1975年に表だっての活動を停止するまで(その後はランチアのWRC車両などを開発)、コンプリート車両としての柱はレースでの使用を目的としたプロトタイプと、市販車ベースの2本立てで、そのどれもが大排気量はほぼなく、2リッターがせいぜい。ほとんどは1リッター前後だった。

 なかでもコンパクトなのが、FIAT500、チンクチェントをベースにしたもの。現代にも蘇っていて、往年のアバルトの血統を受け継ぎ、人気を博しているのはご存じのとおりだ。

 特別仕様車も含めて、グレードはいくつかあるが、大きく分けて、595と695に分かれる。695のほうがハイパワーなのはなんとなくわかるが、そもそもこの数字はなんなのだろうか?

「基本的」には排気量を示す

 ルーツは、いわゆるルパン三世の愛車のチンクエチェントをベースにしたアバルトにさかのぼる。当初はアバルト500としてリリースされたが、1963年に登場したのがアバルト595で、翌年にはアバルト695も発売されている。

 想像が付くように、排気量を表しているのだが、じつはそれぞれ595ccと695ccというわけではなく、正確には593.707ccと689.548ccとなる。

 最初に出たほうは、切り上げても594ccでゴロが悪いことから、595にしたとされているし、それに続くということで695にしたというのも想像に難くない。確かに字面的にも精悍な感じがする。ちなみにオリジナルの500ccと比べて、グレードにもよるが倍以上のパワーを出している。

 往年のネーミングを引き継いだといえば、ほかにはエッセエッセキットがある。いわゆる純正のチューニングキットで、エッセエッセというのはアバルト595と695に用意されていたスポーツグレードのこと。エッセとはSのことで、エッセエッセとはSSとなり、英語でのスペシャルスポーツなどの意味が込められている。

 これだけでなく、ワンメイクレース用の車両に付けられたアセットコルサもアバルト595エッセエッセと695エッセエッセに存在したグレードで、意味としてはレース用セットアップ。以前話題になったレースシミュレーションゲームの名前になっていたのは、このためだ。当時のアセットコルサもレース参戦を想定して発売され、ワイドフェンダーや10インチホイールによるローダウンなど、迫力十分のフォルムとなっている。

 そのほか、純正のスポーツマフラーであるレコードモンツァは、チューニングマフラーメーカー(マルミッタアバルト)でもあったアバルトの代表的なシリーズの名前に由来したもの。

 このように、知る人ぞ知る的に、細かい部分でマニア心をくすぐるネーミングづけがされているのを見るとなんともうれしくなってくる。

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みんなのコメント

4件
  • 激速ハッチ
    笑うとこですか?
  • クルマはセリカやスカGなのにナルディ等のステアリングに交換しホーンボタンはアバルト。
    ホーンボタン・チューニングも流行っていた時代が有った。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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