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【またも軽規格】ケータハム「セブン170」 日本資本となって初の新型車

掲載 更新 32
【またも軽規格】ケータハム「セブン170」 日本資本となって初の新型車

軽のセブン 新型にモデルチェンジ

執筆:Wataru Shimizudani(清水谷 渉)

【画像】セブン170だけじゃない 近年の軽スポーツ【細部まで見る】 全109枚

編集:Tetsu Tokunaga(徳永徹)

9月23日、英国のケータハムカーズが、同社史上最軽量の量販車「セブン170」を発表。日本ではケータハムカーズ・ジャパンから同日19時に販売が開始された。

セブン170は、2014年12月に発売されて大成功をおさめた、セブン160の後継モデルだ。

つまりそれは、セブン160と同様に日本の軽自動車の規格に準拠していることを意味している。そう、日本では軽自動車として登録することができるのだ。

日本独自の自動車規格、軽自動車。1998年10月に施行された現在の規格は、全長3.4m以下×全幅1.48m以下×全高2m以下、乗車定員は4名以下、貨物積載量は350kg以下、そしてエンジン排気量が660cc以下であれば、どこの国で生産されたクルマでも軽自動車として登録できる。

それゆえ、かつてはスマートやフィアット126が規格に適合していたので、軽自動車として登録することができた。

いまや日本の軽自動車市場は、ホンダNボックス、スズキ・スペーシアといったスライドドアのハイト系ワゴンが大半を占めており、趣味的なスペシャルモデルといえそうなのは、ダイハツ・コペンとスズキ・ジムニーくらい。

軽唯一のスポーツカーとして奮戦していたホンダS660も2022年3月で生産終了が決定し、最終モデルの「モデューロXバージョンZ」はすでに完売してしまった。

軽自動車だけでなく「スポーツカー受難の時代」に、170にアップグレードして登場した軽のケータハム・セブン。では、その概略を紹介していこう。

最高出力/最大トルクがアップ

セブン170のエンジンは、セブン160よりもパワーアップされたスズキ製658cc 直3ターボだ。

日本では軽自動車のエンジンは自主規制値として最高出力を64psにおさえているが、セブン170では最高出力は85ps/6500rpm、最大トルクは11.8kg-m/4000−4500rpmを発生する。

ちなみに、セブン160のパワースペックは80ps/7000rpmと10.9kg-m/3400rpmだったから、最高出力は5ps、最大トルクは0.9kg-mアップされている。

トランスミッションは、5速MT。スズキ・エブリイ用のリアアクスルを流用し、もちろん後輪のみを駆動する。

サスペンション形式は、前がダブルウィッシュボーン、後ろがマルチリンク・ライブアクスル。ブレーキは、前がソリッドディスク、後ろがドラムとなる。

タイヤはパワーとのバランスを考慮して、ワイドなハイグリップタイプではなく、155/65R14(このサイズもセブン160と同じ)のエイボンZT7を履く。

わずか85psだが、後述する軽量ボディのおかげで、0-100km/h加速はわずか6.9秒と瞬足。最高速度も168km/hに達する。

しかも、ユーロ6やロンドンの超低排出ゾーンであるULEZ(ウルトラ・ロー・エミッション・ゾーン)の基準をクリアしており、ケータハム史上もっとも環境に優しいモデルの1つとなっている。

外観/サイズ 50kgも減量

セブン170のボディサイズは、全長3100×全幅1470×全高1090mm、ホイールベースは2225mm。このサイズは、セブン160とまったく変わっていない。

だが、ケータハム・セブンのルーツであるロータス・セブンのパイオニア精神を忠実に守り、「簡素化と軽量化」を徹底した結果、セブン170の車両重量(オプション装備による最軽量乾燥重量)は440kgにおさえられた。

ちなみに、セブン160では490kgだったから、さらに50kgの軽量化が図られている。

パワー・トゥ・ウェイト・レシオ(単位重量あたりの出力)は193ps/t。184psの2Lエンジンを搭載したマツダ・ロードスターRFでも167ps/tくらいだから、かなりの数値といえるだろう。

スタイリングは、従来からのセブンと基本的に変わらない。リアアクスルの直前にドライバーが位置する、ロングノーズのクラシカルなものだ。前述のようにスズキ製のリアアクスルを採用し、リアフェンダーの幅を縮めて全幅を1470mmとして、軽自動車の規格におさめている。これは現行販売されている他のセブンより105mmも狭い。

ボディは無塗装のアルミで、カラーコンポジットのノーズコーン/前後フェンダーが標準装備。

セブン160ではスチール製だったホイールは、アルミニウム合金製になった。フロントはサイクルフェンダーが標準。リアコンビネーションランプはLED製になるなど、プリミティブなセブンといえども21世紀のクルマとして少しずつ進化しているようだ。

内装/グレード/装備 「R」登場

セブン170には、ロード志向のSモデルとサーキット志向のRモデルが設定された。

このうち「170 S」は、よりロード志向のドライバー向けに、5速ギアボックス、ロードサスペンションパック、14インチのJunoシルバーアロイ&ポリッシュドリップ・ホイール、エイボンZT7タイヤ、フル・ウインドスクリーン、ソフトトップ&ドア(エアロスクリーンは付属しない)、ブラックレザーシート、MOMO製ステアリングホイールなどを標準装備する。

「170 R」は、前モデルのセブン160では選択できなかった追加バリエーションだ。
5速ギアボックス、スポーツサスペンションパック、14インチのJunoブラックアロイ&ポリッシュドリップ・ホイール、エイボンZT7タイヤ、コンポジットレースシート、4点式レースハーネス(車載)、LSD、MOMO製ステアリングホイール、カーボンダッシュボードなどを標準装備する。

いずれもインテリアでは、ラバーフロアマットやトランクフロアカーペット、3点式シートベルト、12Vソケット、プッシュボタンスタート、イモビライザーなどが標準装備。

オプションパーツについては、セブン170も他のセブンと同じように豊富に設定されている。

ボディの素材やペイント、ストライプやデカール、LEDヘッドランプ、シートの素材、ハーフドアやトノカバー、さらにサーキット走行にも対応するロールバーなど、オーナーの好みのセブン170を仕立てるためのアイテムは十分以上の品揃えだ。

価格 VTホールディングスとの関係

ケータハム・セブン170(日本仕様)の税込み車両価格は、「170 S」が539万円、「170 R」が561万円。

「軽自動車なのに500万円超え!」と思われる人も多いだろうが、いまや貴重な軽自動車のピュアスポーツカー。

これを高いと思うか、安いとは思わないまでも妥当な線と思うかは、まさに読者諸氏の考え方次第といえるだろう。

なお今年4月1日に、愛知県名古屋市に本社を置く自動車ディーラーグループ、VTホールディングス社(ケータハムカーズ・ジャパンの親会社)が、英ケータハムカーズ「Caterham Cars Group Limited」の株式を取得し、連結子会社化している。

日本資本になってから発売される最初のモデルとあって、我が国のクルマ好き、スポーツカー乗りには見逃せない1台の登場となった。

ケータハム・セブン170 スペック

ケータハムセブン170の主要諸元は、下記のとおりとなっている。

イギリス本国発表値をもとにしているため、日本仕様の車検証に記載される数値は異なる可能性があるという。

車両価格:539万円(170 S)/561万円(170 R)
最高速度:168km/h
0-100km/h加速:6.9秒
全長×全幅×全高:3100×1470×1090mm
ホイールベース:2225mm
乾燥重量:440kg(最軽量仕様)
エンジン形式:658cc直3ターボ
最高出力:85ps(62.6kW)/6500rpm
最大トルク:11.8kg-m(116Nm)/4000−4500rpm
トランスミッション:5速マニュアル
駆動方式:FR
燃料:プレミアム
タンク容量:36L
タイヤサイズ:155/65R14

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  • エイボンのタイヤというのが、いかにも英国産らしい。
  • このクルマにエアコン求める奴なんか居ないだろと思ったら居るんだw
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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