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【20世紀名車】スタイル/性能/ヒストリー、全てが最高。’67トヨタ2000GTの華麗なる世界

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【20世紀名車】スタイル/性能/ヒストリー、全てが最高。’67トヨタ2000GTの華麗なる世界

世界中で高く評価されるスポーツ・レジェンド

 1960年代は日本の自動車界が「スピード」に目覚めた時代だった。1962年、日本初の本格的レーシングコース、鈴鹿サーキットが完成。翌年に第1回日本グランプリレースが開催された。同じ1963年には初の高速道路、名神高速道路が一部開通している。こうした流れを受け、日本の自動車界はスピードやパワーを追求する方向に進んでいった。

【20世紀名車ギャラリー】世界中で高く評価されるJ’sスポーツ・レジェンド、1967年式トヨタ2000GTの肖像

 トヨタ2000GTがベールを脱いだのは1965年。トヨタはその年の東京モーターショーに流麗な2シータークーペ、2000GTのプロトタイプを展示した。2000GTは翌年から、開発を兼ねて日本グランプリなどのレースに積極的に参戦、茨城県谷田部の高速試験路では速度記録に挑戦する。その中で走りを磨き、完成度を高めていった。

 そして1967年、ようやく市販に至る。価格は238万円と、当時のクラウンの2倍以上。大卒の初任給が3万円前後だった時代の238万円である。庶民には高嶺の花で、とても購入できるクルマではなかった。すべてが特別な「スーパーカー」だったのである。

 2000GTの高性能は圧倒的だった。エンジンはクラウンの2リッター直列6気筒をDOHC化して150㎰を発生。5速MTを介して国産トップの220km/hのトップスピードをマークした。シャシーも当時の日本車とは一線を画すほどハイレベルだった。鋼板溶接のバックボーンフレームに、4輪ダブルウィッシュボーン式サスペンションという、欧州のスポーツカーを思わせる凝った構造だった。

 エンジン開発には、高性能パワーユニットの開発経験があったヤマハ発動機が協力した。またウッドパネルを張り巡らせたコクピットは、日本楽器(現ヤマハ)の楽器作りの技術が生かされた。ヤマハが生産を担当したため、2000GTはトヨタとヤマハの合作という説もある。

 2000GTは1969年9月にマイナーチェンジを実施。約4年間にわたる生産期間で337台が作られた。希少性が高いモデルでもあり、その評価は近年ますます高まっている。日本が世界に誇る伝説のスポーツカーである。

取材車は貴重な「帰国子女」。文化遺産という表現が似合う

 取材車は1967年10月26日にラインオフし、米国に輸出された数少ない左ハンドル仕様。1995年に日本に里帰りし、入念なレストア作業が施された。微妙に崩れていたボディラインを完璧に仕上げたうえで、全塗装を実施。エンジン回りは、キャブレターをOHすると同時に、ラジエターを含む冷却系を新品に交換。足回りはダンパーやブッシュを交換し、アライメントを再調整している。センターロック式のホイールは、腐食の心配があるマグネシウム製から、純正品と同一デザインのアルミに交換済み。このホイールはワイドな6Jリムを持ち、現代のラジアルタイヤが装着できる。

 現在のコンディションは新車以上のレベル。オーナーが積極的にヒストリックカーイベントに参加している関係で、ラリー用トリップメーターが装着されているものの、各部はオリジナルの状態を維持している。

 走りは非常に力強い。エンジンの吹き上がりは豪快で、加速はシャープ。足回りも実にしっかりとしていた。高速道路の追い越しを楽々とこなす実力がある。室内は横幅がタイトで、クルマとの一体感は現代のクルマ以上に強く感じられる。しかも低い着座位置からの視界は、乗り慣れたクルマとは明らかに異なる。信号待ちで隣にクルマが並ぶと、見上げてしまうほどだ。市街地を走っていて、周囲から多くの視線を集めた。
 トヨタ2000GTは、貴重な文化遺産ともいえる存在だ。鑑賞しているだけでも幸せになれる名品である。

1967年トヨタ2000GT主要諸元

モデル=1967年式/トヨタ2000GT
全長×全幅×全高=4175×1600×1160mm
ホイールベース=2330mm
車重=1120kg
エンジン=1988cc直6DOHC
エンジン最高出力=150ps/6600rpm
エンジン最大トルク=18.0kgm/5000rpm
トランスミッション=5速MT
サスペンション=前後ダブルウィッシュボーン
タイヤ&ホイール=165HR15+マグネシウム
駆動方式=FR
乗車定員=2名

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みんなのコメント

3件
  • 投資家のコメント
    伝説の車ですな。今から50年後、今のどのモデルが伝説になっているのでしょうか?
  • eco********
    輸出仕様は、2400ccでOHCだったのでは?
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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