英国ではロングホイールベースのみの7代目
BMWの最上級サルーン、7シリーズが7代目へモデルチェンジした。先代とは一線を画す内容といえ、英国ではロングホイールベースのみが提供される。
【画像】リムジンかつスポーツサルーン BMW 760i xドライブ 競合の上級サルーンと写真で比較 全157枚
パワートレインの選択肢は拡充されている。2022年らしくプラグイン・ハイブリッド(PHEV)も選べるが、兄弟モデルとして、バッテリーEVのi7も登場したのだ。
北米を含む多くの市場では、充電作業が必要ない従来的なパワートレインへの需要も小さくない。今回試乗した760i xドライブが積むのは、V型8気筒のマイルド・ハイブリッド。先代の750Li xドライブの後継に当たり、M社が開発へ関わっている。
新しい7シリーズはイチから開発し直され、ボディサイズは明らかに大型化している。全長は5391mmで、全幅は1950mm、全高は1544mmある。
そのおかげで、車内空間は6代目7シリーズと比べてゆとりを増した。内装は大幅に高級感を高めており、リアドアのグリップ部分に小さなタッチモニターが内蔵されるなど、新しい技術もふんだんに取り入れられている。
760i xドライブのエンジンは従来と同じ、BMWが開発した4.4LのV8ツインターボ・ガソリン。M社の関与を示すように、N63型からS63型へ名称が改められている。
最高出力は750Li xドライブ比で13ps増強され、543psを獲得。1800rpmから5000rpmで生み出される最大トルクは、76.3kg-mで変わりない。
マイルドHVのモーターは8速ATに内蔵
7代目のパワートレインで注目すべき部分が、ZF社製8速ATに内蔵された、電圧48Vで稼働するマイルド・ハイブリッドの駆動用モーター。最高出力は18psと小さいものの、最大トルクは20.4kg-mと太く、加速時にエンジンをアシストしてくれる。
さらにエグゾースト・マニフォールドはクロスバンク構造になり、ターボチャージャーも一新。エンジンのクランクシャフトや冷却系、オイルポンプなども新しくなっている。オイルサンプは軽量化されたという。
実際に760i xドライブを発進させてみると、スポーツ・モード時のレスポンスに感心させられる。出だしは力強く、中間加速は粘り強く、高回転域へ迫るほどエネルギーが高まっていく。
BMWの四輪駆動システム、xドライブは常に不足ないトラクションを維持。V8エンジンのパワーを、効果的に路面へ伝達してくれる。
ステアリングホイールの裏側にはシフトパドルが装備され、優れた動的能力を引き出しやすい。高負荷状態でも、滑らかかつ迅速に変速をこなしていた。Mモデルではないにしろ、V8エンジンが放つサウンドにも聴き応えがある。
駆動用モーターのトルクで得られる、加速時のメリットは明確。車重は先代から295kgも増えて2270kgあるが、勢い良く速度を高めていく。
高速道路でのクルージング時にも有効。本来印象的なまでに洗練されているが、エンジンを積極的に停止させることで、一層静かな移動空間を生み出していた。
能力の幅に驚く テールスライドも可能
シャシー側も先進的といえ、セルフレベリング機能付きのエア・サスペンションは、フロントがダブルウイッシュボーン式でリアがマルチリンク式。電子制御のアダプティブダンパーと組み合わされる。
アンチロールバーには電動油圧システムを採用し、コーナーなどでのボディの傾きを制限。リアタイヤの角度を自動的に制御する、アクティブ四輪操舵システムも搭載する。
ブレーキはスチール製ディスクながら、直径は大きい。フロントには4ポッドキャリパー、リアには1ポッドのフローリングキャリパーが採用された。
サイズや車重を踏まえると、7シリーズの能力の幅には驚く。コンフォート・モードで高速道路を流していても、スポーツ・モードでワインディングを駆け登っていても、印象的なまでに落ち着いている。
ダイナミック・スタビリティコントロールをオフにすれば、スポーツプラス・モードで派手なテールスライドに持ち込むことすら可能。しかも、不安感なく。
これに貢献しているのが、軽く回せ正確に反応するステアリングホイール。敏捷性では、アウディA8やメルセデス・ベンツS 500Lを凌駕していると感じた。オンロードでの能力は、明確な魅力といって良いだろう。
乗り心地も素晴らしい。路面の細かな凹凸だけでなく、周期の長いうねりによる揺れも見事に抑え込んでいる。高速域ではロードノイズや風切り音も小さく、長時間穏やかな気持ちで移動できるに違いない。
リムジンでありスポーツサルーン
760i xドライブは、フロントシートでステアリングホイールを握っていても、リアシートでくつろいでいても極めて快適。しかも、操縦性にはBMWらしい個性が与えられている。ドライバーは、実際よりひと回りコンパクトにすら感じるかもしれない。
7代目へモデルチェンジしたBMW 7シリーズは、フラッグシップとしてリムジンの能力を磨き込んできた。だが同時に、スポーツサルーンとしての実力も決して低くない。目をみはる新世代の登場といえそうだ。
ちなみに今回は北米での試乗だったが、760i xドライブの英国導入は予定されていないという。
BMW 7シリーズ 760i xドライブ(北米仕様)のスペック
北米価格:11万7930ドル(約1745万円)
全長:5391mm
全幅:1950mm
全高:1544mm
最高速度:249km/h(リミッター)
0-100km/h加速:5.2秒
燃費:8.9km/L
CO2排出量:255g/km
車両重量:2270kg
パワートレイン:V型8気筒4395ccツイン・ターボチャージャー+電気モーター
使用燃料:ガソリン
最高出力:543ps/5000rpm
最大トルク:76.3kg-m/1800-5000rpm
ギアボックス:8速オートマティック
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