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【センチュリーの系譜】世界に誇る「日本の最高級車」の歴史を紐解く

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【センチュリーの系譜】世界に誇る「日本の最高級車」の歴史を紐解く

車の歴史 [2023.09.11 UP]


【センチュリーの系譜】世界に誇る「日本の最高級車」の歴史を紐解く
 9月6日、日本生まれのショーファーカー「センチュリー」の新モデル追加が発表されました。昨今人気のSUV然としたスタイルに伝統のセンチュリーらしさを融合した堂々たるフォルムは、新時代のショーファーカーを提案するもので、注目を集めています。

センチュリーの未来予想図【自動車ジャーナリスト九島辰也が解説】

 そんなセンチュリーの歴史の始まりは、今から半世紀以上前に遡ります。今回はセンチュリーの誕生から今日までの歴史を紐解いてまいります。


【1964年 クラウンエイト】日本車初のV8エンジン搭載 欧米車に勝負を挑んだセンチュリーの祖

(左写真)1964年式 クラウンエイト、(右写真)東京1964オリンピック聖火リレーのクラウンエイト
 トヨタは1955年にクラウン、1957年にコロナ、そして1961年にはパブリカといったモデルを発表し、国産自動車メーカーとしての地位を固めていきました。一方で大型高級車市場は欧米の外国車が占有しており、国産メーカーは後れを取っている状態でした。

 そんな中、トヨタは2代目クラウンをベースとした「クラウンエイト」を1964年4月に発売し、大型高級車市場へ参入します。

 車両はクラウンに対し、ホイールベースを50mm、前後トレッドを160mm、全長を120mm、全幅を150mm拡大。クラウンを縦横に広げたようなスタイルで、大型車らしい外観を作り上げました。

 そして注目は、日本車として初となるアルミ合金製 2,600cc V型8気筒エンジンの導入。これにトヨグライド2段自動変速機、パワーウィンドウ、電磁ロックドア、パワーシートなど当時先進のオートマチック装備を組み合わせ、本格的な高級車に仕立てました。

 クラウンエイトは3年余りで3,834台が生産されたものの外国車の壁は高く、1967年7月で生産終了となりました。


【1967年 初代センチュリー】「日本の高級車」を追求 燦然と輝く“鳳凰”の誕生

1967年式 初代センチュリー
 1967年11月、クラウンエイトからのバトンを継ぐ形で発売されたのが初代センチュリー。創業者・豊田佐吉の生誕100周年を記念して名付けられ、世界の豪華車を目指して全てが新規開発されたという意欲的モデルです。

 エンジンはクラウンエイト用のものを発展させたV型8気筒OHVの3,000cc(3V型)を搭載しますが、後の改良によって1982年10月には4,000ccまで排気量が拡大。これに対してトランスミッションは3速ATコラムシフト、3速MTコラムシフト、4速MTフロアシフトの3種類が用意されました。

 装備はクラウンエイト同様に先進のオートマチック装備を備えて快適性を向上。さらにドアトリムなどに楠杢(くすもく)を配してシックな装いを演出、最上級グレードには本革仕様のバケットシートが用意されるなど、高級感を前面に押し出した内装に仕立てられました。また、ボディカラーは神威岬、鳳来山、雲仙岳など日本の景勝地にちなんだ名前が付けられています。

 初代センチュリーは細かな改良が加えられつつも、基本構造が変えられることなく30年間にわたり生産・販売されました。


【1997年 2代目センチュリー】30年分のアップデートを実施 日本車初の5リッターV12エンジン搭載

1997年式 センチュリー
 1997年4月、誕生から30年目で初めてのフルモデルチェンジとなった2代目センチュリー。伝統美の継承と深化を図りつつ、機構面では30年分のアップデートを行い、フォーマルサルーンとしての性能を進化させました。

 エンジンは、日本車で初となる5L V型12気筒エンジンを新開発して搭載。これに高剛性ボデーや多層構造の制振材、吸遮音材の適所配置などが組み合わされ、高い静粛性を実現しました。

 デザイン面では、手彫り金型による鳳凰マーク、精緻な格子形状のフロントグリル、水平基調のボディなどが合わさって気品のある外装を表現。内装も本木目を採用したコンソールパネル、クリスタル調ガラスでしつらえたクロック、ジャガード織ウールファブリックなど風格を感じさせる装備で上質な車内空間に仕立てられています。


【2018年 3代目センチュリー】21年ぶりフルモデルチェンジでハイブリッドシステム導入

2018年式 センチュリー
 2018年6月に発売された3代目センチュリーは、21年ぶりのフルモデルチェンジ。外装は、伝統と品格を守りつつ、あえて傾斜を立てたクォーターピラーで後席の存在感を強調、フロントグリルには七宝文様のデザインを施して“華”を感じさせるデザインを採用しました。

 内装は、「紗綾形(さやがた)崩し柄」の織物をあしらった天井や本杢オーナメントで上質さを表現。さらに、65mm延長したホイールベースを後席スペースの拡大に充てて足元のゆとりを提供、電動オットマンや11.6インチリヤシートエンターテインメントシステムを搭載するなど、装備をグレードアップして快適性を高めました。

 エンジンは、V型8気筒5.0Lハイブリッドシステムを新たに採用し、スムーズな走りと環境性能を両立させています。


(左写真)七宝文様のフロントグリル、(右写真)天井の紗綾形崩し柄織物

【2023年 新センチュリー追加】V6 3.5L PHEVシステム搭載 セダンと合わせて2タイプ展開に

2023年式 センチュリー KIWAMI LINE(紅蓮(ぐれん)グローリーレッド×シルバー)
 「次の100年を見据えたセンチュリー」として発表された新センチュリーは、SUVのような体格とセンチュリーならではの品格が融合し、独自の存在感を放つ姿となりました。

 新たにV6 3.5L プラグインハイブリッドシステムを搭載し、ショーファーカーとしてのみならず、ドライバーズカーとしてオーナー自らが運転を楽しめる走行性能が備えられています。

 なお、今回の発表でトヨタでは、現行のセダンタイプを「センチュリー(セダン)」とし、2タイプ展開で販売していくことを明らかにしました。

【参考資料】
トヨタ自動車75年史 車両系統図:
http://www.toyota.co.jp/jpn/company/history/75years/vehicle_lineage/family_tree/index.html

【あわせて読みたい】

https://www.goo-net.com/magazine/newmodel/by-vehicle-type-information/202212/https://www.goo-net.com/magazine/newmodel/by-vehicle-type-information/202460/

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みんなのコメント

11件
  • 前後のライト類があまりに品が無くて嫌になる。
    どうせ出すならもう少しデザインなりを煮詰めてから出して欲しかったな…。
  • 汎用FFシャシーに重いボディ載せれば乗り心地の向上など無理
    走れば腰砕け、後席はトランポリンじゃないの
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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