ミニバンのフルモデルチェンジ続く
5月27日、フルモデルチェンジしたホンダ・ステップワゴンが発売される。「#素敵な暮らし」をグランドコンセプトに開発したという。
【画像】新型ステップワゴン 3タイプを比べる【詳細写真】 全155枚
大胆にデザイン変更されたエクステリアは、「自由」と「安心」を表現したといい、カタマリ感のあるシンプルなフォルムが特徴的。
フィットやシビックなどに通じる、最近のホンダのデザイン・フィロソフィが体現されている。さらにいうと、このシンプルさは初代ステップワゴンをオマージュしたそうだ。
特にサイドビューは無駄なキャラクターラインのない、面が強調されたデザインだが、ドッシリ感のある「樽型」にしたいとのことで、何とデザインのためにトレッドを拡大したという。
もちろん、これは操安性能にもプラスに作用する。
シンプル&クリーンな「エア」と、スタイリッシュな「スパーダ」の2タイプが設定される。
そして今回、全モデル3ナンバーサイズとなったのが大きなトピックとなる。
とはいえ、今年1月、ひと足先にフルモデルチェンジした最大のライバル、トヨタ・ノア/ヴォクシーも奇しくもすべて3ナンバーになったので、やはり新世代においてもガチなライバルとなる。
ガソリン/ハイブリッド 各々の特徴
パワートレインは2種類で、ホンダ独自の2モーター・ハイブリッドシステム「e:HEV」を搭載したハイブリッドモデルと、1.5L直噴VTECターボエンジンを搭載するガソリンモデル。
e:HEVモデルには、直列4気筒2.0Lエンジン(145ps/17.8kg-m)が搭載されるが、徹底したフリクションを低減することにより、熱効率の向上を図った。
モーター走行時には、低速域から高速域までモーター(184ps/32.1kg-m)ならではのトルクフルで滑らかな加速、そして車速に対するリニアな加速感を実現した。
一方、クルーズ時にはホンダ独自のシステムであるエンジン直結技術により効率の良い走りとしている。
そして、クランクの剛性を高める(肉抜き廃止/あご下肉盛り)ことにより、静粛性の向上も図られた。
ガソリン車に搭載される1.5Lエンジン(150ps/20.7kg-m)は、シビックのものと同じ型式だ。
エグゾーストやタービンが変更され、ターボチャージャーの過給応答を向上させ、トルクがより早く発生することで、爽快な加速を味わえる。また、ガソリンモデルには、AWD仕様も設定される。
変わる、3列目シートの位置づけ
ところで、ミニバンにとっては室内のパッケージングや快適性が重要となる。が、3列目シートに座って、何の罰ゲームか、と思ったことが幾度となくある。
“閉所恐怖症”で“乗り物酔いしやすい”という最悪の条件を備える個人的事情もあるとは思うが、イベント時の移動などでミニバンが用意された際も、私に限らず、やはり率先して3列目に乗りたがる人はほぼ見かけない。
そもそもスペースが狭く、前方視界も悪く閉塞感この上ない。
さらに、リアタイヤの真上に座っているからゴロゴロうるさいし、乗り心地も悪い。というのが車種問わずミニバン3列目シートの基本的印象だ。
しかし、朗報が!
今回のステップワゴン、3列目を含む室内空間の快適性が格段に向上している。
まず、乗り物酔いしにくい工夫がなされている。何ともユニークなアピールだが、乗員にとっては重要なポイントだ。
テストコース試乗 視界/乗り心地
フロントウインドウの上下部は水平なラインで、そこから左右に伸びるように、3列目シートまで、サイドウインドウが直線的なラインで囲まれている。
クルマの揺れによって酔うわけだが、人間には、水平なラインを見ると三半規管を補正する機能が備わっているそうだ。そしてこの視界確保のパッケージは、ただ今特許申請中とのこと。
シートアレンジもホンダの得意とするところだが、2列目シートが前後にロングスライドするだけでなく左右にも動き、カップルディスタンスも変えられる。
3列目シートが床下に収まりフラットなフロアになるのは従来のまま。
そして、3列目に座った時、ヒップポイントが1・2列目より高く、2列目シートの形状、さらには一番視界を遮っていたヘッドレストの形状も変えることで、開放的になった。
シートクッションの厚みも増しており、座り心地も良くなっている。
3列目はどうだった?
今回、ワクワクゲートはなくなり、通常のリアゲートが採用された。それにより、軽量化が図れたので消音材を入れることができ、3列目は静粛性も高まったのだ。
限られた環境ではあるが、新旧モデルの違いを実際に走行する中で各列シートに座って確認した。
中でもやはり3列目の快適性は格段に向上している。ドライバーとの会話も普通にできる静粛性の高さ。
ちなみに、マイクも設定されているが、80km/hまでは必要ないことを確認。視界の良さに加え、ボディもしっかりしているのでヨーの遅れによる“酔いそう”な動きも感じられない。
もう、3列目が罰ゲームだなんて言いません。
そして、ドライバーにとっても塊感のあるボディは運転しやすく、トレッドを広げながらも最小回転半径5.4m(エア/スパーダ:ライバルより0.1m小さい)という取り回しの良さも確認できた。
価格/納車時期について
執筆:AUTOCAR JAPAN編集部
新型ホンダ・ステップワゴンの価格は、下記のとおりだ。
同社ウェブサイトには、5月23日時点の工場出荷時期の目処は、ガソリン仕様が「4か月程度」、e:HEV仕様が「5か月程度」と記載されている。なお、販売計画台数は月販5000台。
納車までには、ホンダの工場出荷後、ディーラーへの輸送・納車準備の日数が加わることを覚えておこう。
e:HEV仕様 価格
e:HEVエア(FF):338万2500円(7名)/340万4500円(8名)
e:HEVスパーダ(FF):364万1000円(7名)/366万3000円(8名)
e:HEVスパーダ・プレミアムライン:384万6700円(FF)
ガソリンエンジン仕様 価格
エア(FF):299万8600円(7名)/302万600円(8名)
エア(4WD):324万600円(7名)/326万2600円(8名)
スパーダ(FF):325万7100円(7名)/327万9100円(8名)
スパーダ(4WD):347万7100円(7名)/349万9100円(8名)
スパーダ・プレミアムライン:346万2800円(FF)/365万3100円(4WD)
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みんなのコメント
自分は嫌いじゃないなこのデザイン
性能部分は何も伝わってこない。