こだわり抜いたホットハッチでも200万円以下で買える!
スポーツカーが欲しいけれど、ロータスやケータハムのような超本格派はハードルが高すぎる。そう考えているクルマ好きは少なくないだろう。
エグい見た目からは想像つかない! 超絶「ハード系」なのに「長距離移動がラク」なスポーツ車3選
そこで今回は、「肩ひじ張らずに気軽に乗れるスポーツモデル」を11台紹介しよう。快適面において日常生活の犠牲がなく、細かいことに神経を使わなくても乗れるスポーツモデルたちだ。
そんなテーマで選んだので「走りが楽しい」という共通点を除けば車体サイズやパッケージング、そして価格はバラバラ。高額車も含めバラエティに富んでいるので、「こんなクルマがあれば幸せな毎日になりそうだな」と妄想を掻き立てながら読んでほしい。
1)スズキ・アルトワークス
まずは、極めて現実路線から。
スズキ「アルトワークス」は安価で便利な軽自動車の「アルト」をベースにしたスポーツモデル。日常の運転しやすさは抜群だし、快適性も使い勝手も良好。そして、153万7800円というプライスも手ごろだ。この値段でレカロシートまで標準装備しているのだから凄い。
パワートレインは64馬力のターボエンジンに5速MTもしくは「5AGS」と呼ぶ5速シングルクラッチ(AMT)の組み合わせ。最軽量グレードで670kgという驚きの軽さも自慢だ。
2)スズキ・スイフトスポーツ
アルトワークスの兄貴分と言えるスズキ「スイフトスポーツ」も身近なスポーツモデル。Bセグメントハッチバックの「スイフト」を鍛え上げたスポーツモデルで、1.4リッターターボエンジンに6速MTもしくは6速ATを組み合わせる。
ワイドフェンダーを組み合わせてスイフト(国内仕様)より幅広としたボディに、アームの一部までも専用設計したサスペンションを組み合わせるなど走りへのこだわりが徹底。走りは超本格派だ。
いわゆるホットハッチだけに、快適性や実用性もバッチリで、ファミリーユーザーにもオススメできる。
価格は187万4400円から。ここまでこだわったホットハッチがアンダー200万円から選べるのだから驚きだ。
3)レクサスRC F
日常も快適なスポーツモデルといえば、レクサス「RC F」も魅力だ。価格は1042万円となかなかだけど、日常も快適に走れつつ、サーキット走行までこなす本格派。
強調しておきたいのはエンジン。排気量5リッターのV型8気筒を搭載するが、燃費との兼ね合いからスポーツモデルでもダウンサイジングターボ化が進んだ今、大排気量自然吸気エンジンは少数派。もはやラストサムライのような存在といっていいだろう。こんなクルマを存分に楽しめるのも今のうちだけだ。
4)BMW・M440i
快適性と走る楽しさを兼ね備えるクーペとして外せないのはBMW「4シリーズ」。もっとも尖った「M4」も気になるけれど、その手前にとどまったことでバランスに優れる「M440i」も魅力たっぷりだ。
エンジンは「シルキーシックス」の異名を持つ直列6気筒ターボで387馬力。BMWの通常モデルよりもスポーティな味付けとし、サーキット走行まで視野に入れた“Mパフォーマンス”と呼ぶポジションのモデルである。スタイルは美しく、乗り心地もよく、ハンドリングが気持ちよくて、本気で走ればかなり速い。そんなスポーツクーペだ。
5)アルピナB3
乗り心地が良くて速いといえば、「アルピナ」も気になるところ。BMWの車体や基本メカニズムを使って、エンジンやサスペンションを専用に仕立てたコンプリートカーである。ちなみにアルピナは、ドイツで自動車メーカーとして認定を受けており、日本でも車検証上の車名(メーカー名)は「BMW」ではなく「BMWアルピナ」だ。
アルピナはどのモデルも味わい深いが、たとえば最新のBMW3シリーズをベースにした「B3」も素晴らしい走りが味わえる。新型「M3」用と共通のブロックを使ってアルピナが仕立てた462馬力のエンジンは、アクセルを深く踏み込んだときの爽快感はもちろん、日常的にジワリと踏んだときの反応が気持ちいい。アルピナのモデルに共通する美点は、飛ばさなくても街を普通に走るだけで楽しい味付けなのだ。また、乗り心地の良さも自慢。
高額車にも実用性や快適性を兼ね備えたモデルが存在する
6)アウディRS4
快適性と実用性を犠牲にすることなく、本気になれば速くて楽しい。そんな快適スポーツモデルの直球と言えるのが、アウディの「RS」シリーズ。たとえば「RS4」は、実用的なワゴンをベースとしつつ、組みあわせるエンジンはV6 2.9リッターターボでなんと450馬力。
普段は乗り心地がよく実用的なファミリーカーとして使え、その気になればサーキットで本格スポーツカーと互角に走れる二重人格っぷりが見事だ。
7)日産GT-R
日産「GT-R」は誰もが認める高性能車だが、同時に快適性や実用性もハイレベルにあることも特徴だ。デビュー時は「乗り心地が悪い」といわれたサスペンションも今のモデルはすっかりしなやかになり、後席がありトランクも広い箱型ボディだから使い勝手もいい。ロングツーリングでも疲れ知らずの超高性能車である。
8)ホンダS660
さて、ここからは少し方向性を変えて実用性に目をつむりつつも、日常的に使えるスポーツモデルを紹介していこう。
まずは2022年3月での生産終了がアナウンスされているS660。軽自動車だけど、それはあくまで規格上の話であり、専用プラットフォームで作った“小さな本格スポーツカー”と考えるのが正解だ。
2人が乗ると荷物を置く場所は皆無に等しいけれど、日常生活のパートナーとしてこんなに扱いやすい本格スポーツカーはないといっていいかも。使いきれないほどのハイパワーはないけれど、軽くて小さな車体を武器にタイトな峠道をスイスイ走るのが気持ちいい。こんな本格スポーツカーが200万円ちょっとから買えるのだから素晴らしい話だが、残念ながら生産予定分は完売なので新車として手に入れるのは厳しそう。
9)マツダ・ロードスター
こちらも専用プラットフォームで作り上げた本格スポーツカー。それでいて手頃な価格を実現しているのだから嬉しい限りだ。
エンジンは自然吸気1.5リッターの132馬力。強いパワーを求めるのではなく、控えめな出力を使い切って爽快に走ることを目指している。ソフトな味付けのサスペンションは、バリバリ走るよりも気持ちよく運転を楽しもうという狙いだ。最軽量モデルでは1トンを切る軽さも自慢。
2シーターだから使い勝手はいいとは言えないが、快適で気軽に付き合えるモデルで日常使いの相棒としてもフィッティングがいいことは約束できる。ベーシックタイプは260万1500円から購入可能だ。
10)アウディR8
ここからはちょっと現実離れするけれど、じつはアウディ「R8」も日常使いできるスポーツモデル(というかスーパーカー)。アウディのスポーツモデルの頂点に立つだけに、動力性能はいわずもがな。スーパーカーとしてももはや珍しくなった、大排気量自然吸気エンジン(V10 5.2リッター)は官能性能も素晴らしい。
アウディR8はランボルギーニ「ウラカン」とプラットフォームやパワートレインを共用する兄弟車だけど、両者の間にある大きな違いは運転のしやすさ。
斜め後方視界も悪く路面の段差などに気をつかうウラカンはある意味“スーパーカーらしい使い勝手”で運転に神経を使うけれど、R8はそのあたりがしっかり考えられていて日常使いしても疲れないのだ。そこがランボルギーニとアウディのクルマ作りの違いといえる。電子制御の減衰力可変ダンパーを組み込んでいるから、ノーマルモードなら乗り心地だって悪くない。
11)光岡オロチ
さて、最後は浮世離れしたモデルで締めよう。光岡の「オロチ」である。自動車メーカーとして認定されている光岡自動車が、パイプフレームによるオリジナルの車体で作り上げたスーパーカーだ。
大蛇(おろち)をイメージした車体デザインはオリジナリティの塊で、その世界観が見事。いっぽうでパワートレインはトヨタから提供を受けた3.5リッター V6ガソリンエンジン+6速AT。「ファッションスーパーカー」というコンセプトだけあり、気難しさなく気軽に運転できるのだ。超レア車ゆえに所有は簡単ではないけれど、夢が詰まったクルマだ。
なかには簡単に手に入らないモデルもあるけれど、クルマ好き、運転好きとしてはやっぱり憧れるスポーツモデル。アルトやスイスポ、ロードスターあたりを次期愛車候補として真剣に考えるのもいいし、「もし宝くじが当たったら」と憧れのモデルを所有する妄想をしてみるのも楽しいものだ。
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値段がバラバラで何の参考にもならぬ