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受注は取れども評価されない! 納期遅延は「新車ディーラーマン」も悲劇のどん底に落としていた

掲載 47
受注は取れども評価されない! 納期遅延は「新車ディーラーマン」も悲劇のどん底に落としていた

 この記事をまとめると

■コロナ禍以降の自動車ディーラーのセールスマンの販売実績について

新車の納車時に「次の乗り替え車種」の注文を打診! もはや異常事態の新車販売現場

■実績は「新車を売った数」ではなく「新車を新規登録した数」でカウントされる

■しかし納期遅延でセールスマンの「マージン」はない状況が続いている

 自動車ディーラーに入る利益はコロナ禍で一気に変わった

 新車ディーラーにおいては、単月や暦年、あるいは事業年度締めでの年間販売台数などの販売台数のカウントは登録台数(軽自動車は届け出台数)で行うのが一般的。たとえば自販連では毎月単月締めで新車販売台数を公表しているが、この新車販売台数も、「当該月に何台の新車を売ったか」ではなく、「当該月に何台新規に登録できたか」のカウントとなる。

 そのため、セールスマンに課される毎月の販売目標台数も新規登録できなければ実績カウントされることはない。そもそも新車の販売現場では「受注月内新規登録」が大原則とされていた。しかし新型コロナウイルス感染拡大が起こるはるか前より、ディーラーに希望車種の在庫があり、新規登録に必要な書類回収が順調に進むなどしない限りは、新規登録して納車するまでに完成車両の出荷状況などもあり2~3カ月は最低必要な状況となっていた。

 そのため、たとえば従来事業年度末決算セールは2月と3月がその時期となっているのだが、それでは3月末までに確実に新規登録できるという可能性が低いので、いつの間にか、なかば1月が事業年度末決算セールのメインのような状況になっていった。

 そんななか、新型コロナウイルスの感染拡大が起こり、今日の深刻な納車遅延問題が発生した。新型コロナウイルスの感染拡大が起こっても、新車需要というのは目立って落ち込むことはなく、ほかに比べれば好調に推移していた。そのなか世界的なサプライチェーンの混乱が起き、自動車用半導体が世界的に不足となったりして世界的に自動車生産が滞る事態が発生した。そうなると、ご存じのようにいまや納車まで半年ほど待つのは当たり前で、人気モデルのプリウスで、2リッターのZグレードだと2年から3年は待って欲しいと販売現場では案内しているとのこと。

 セールスマンの仕事への意欲が削がれる「マージン」の減少

 購入者が納車まで長い間待たされる事態が発生する一方、販売したセールスマンも新規登録台数で実績カウントされるので、「受注してもいつ販売実績になるかわからない」という状況が発生した。「ひどい時には月に店舗で納車できたのが2台という状況もありました。販売実績ゼロとなるセールスマンも珍しくありませんでした」とは某新車セールスマン。

※写真はイメージ

 しかも、単純に新車を登録できればセールスマージンがもらえるというわけでもないようだ。聞いた話では、まず目標販売台数があり、その台数をクリアしたうえでトータルでの売り上げ目標(つまり大幅値引きして乱売してはダメ)額が設定され、さらに下取り車の入庫目標台数なども設定され、それがクリアされないとセールスマージンの減額やマージン自体が支払われないことになるというので、まさに毎月1~2台といったポツポツレベルで納車できる新車があったとしても満足にセールスマージンをもらうことはできないのである。

※写真はイメージ

 新車販売現場では納期遅延問題が長期化するなかで受注段階にて本来支給されるはずのセールスマージンの半額程度を支給して救済してみてはどうかとの話もあったようだが、「人気車ほど納車まで年単位でお待ちいただく事態も発生しております。こうなるといったん受注してもキャンセルになるケースも目立ってきます。仮にセールスマージンの半額を支給したあとにキャンセルになるリスクが高いので実現できなかったようです」とは業界事情通。

 ただマージン支給の条件のなかの売り上げ目標額については、セールスマンにはあまり良くないレベルで逐次調整されるようだ。「たとえばトヨタ系ディーラーでは現状高収益車種のアルファード&ヴェルファイアが受注停止となっています(本稿執筆時点)。バックオーダーもほぼ消化したとされています。3代目は一時年間販売台数で10万台を超えるほど売れました。間もなく新型アルファード&ヴェルファイアがデビューしますが、新型デビュー後は新規受注停止になるほど人気が高まりそうだとも言われていますので、新規受注停止が起ころうとも新型アルファード&ヴェルファイアがデビューすれば、当然販売メイン車種の1台になるので、売り上げ目標額全体も引き上げられることになりそうだとの話を販売現場で聞きました」(事情通)。

※写真は3代目アルファードとヴェルファイア

 35年ほど前、日本がバブル経済に沸いていたころに比べると、軽自動車でも支払い総額で250万円になるケースも珍しくないなど、全体的に支払い総額の底上げは起こっているのだが、新車を販売してもセールスマンが得られるセールスマージンはほんのわずかに減っている。そしていま、そのわずかなセールスマージンすら新車の納期遅延が改善傾向あるとしながらも、なかなか出口が見えないなか満足に支払われていないケースが続いているようなのである。

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みんなのコメント

47件
  • えー❗️

    ディーラーマンも大変だな❗️

    試乗だけしに行くのも申し訳なくなっちゃうよな❗️チワワ❗️
  • 限定車でもないのに納車が10か月で半年後の車検は取らなきゃダメっておかしいよね
    じゃぁ中古にするかと思ったら
    3年前の車が新車と大して変わらない値段だから新車のほうがいいとなる
    すごい時代だわ
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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