日本の軽自動車は1980年代から大きく変わった!
ニュークラシックスとして注目したい
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世界的に“K car”として、自動車ファンに好まれている日本の軽自動車。独自デザインのモデルも多いいっぽう、輸出はごくごく限られているため、マニア心をくすぐっている模様。
もちろん、日本の自動車ファンにもファンが多い。そもそもは大きなサイズのクルマを買えない層のために開発され、規格が固まっていった軽自動車。農業従事者や運送業者などの交通手段として税制などの優遇措置もあり、1950年代から今日にいたるまで、揺るぎない市場を形成してきている。
いまも魅力的なモデルがあるいっぽう、もういちど、ニュークラシックスとして注目したい1980年代の軽自動車もある。ユニークなデザインコンセプトと、わかりやすいスタイリング表現。悪いとはいいませんが、昨今のやたら背の高いトールボーイスタイルにやや食傷ぎみのひとにとっても、ここで採り上げるモデルはスタイリッシュで魅力的と感じられるのでは。
(1) スズキ「アルト」(2代目)“アルトは47万円”の宣伝用キャッチコピーが話題を呼んだ初代アルト。いい意味でシンプルなデザインで、背伸び感がないのが逆に安物感を払拭していてよかった。スズキは昔からこういうクルマづくりが上手だった。
1984年に発売された2代目アルトは、2ドアハッチバック。4ドアハッチバックは「フロンテ」の名称を継続使用していた。この2代目のおもしろさは、クルマと文化が結びつき始めたところにある。軽自動車ありながら、4輪駆動が設定されたり、4バルブヘッドが採用されたり、ラジアルタイヤが装着されたり(これは時代の趨勢)。
さらに、4WD車には「スノーライナー」なる愛称がつけられた。若者のあいだでのスキーブームを視野に入れた仕様だ。3気筒DOHCエンジン搭載のスポーツモデル「RS」とのちに「アルトワークス」といった高性能モデルも、このときから設定。
ファッションモデルで歌手、俳優の小林麻美をイメージキャラクターに採用して女性ユーザーの獲得に努めたのも、従来なかった動きだ。
当時は、カリカリの硬派から、回転ドライバーズシートの女性仕様まで、あまりの広範囲のマーケットをカバーしていたことで、2代目をどうとらえていいか、難しかった。
でも、2代目アルトは、スポーティなツインカムターボのRS/アルトワークス系でもやりすぎ感が少なくて、好感がもてた。いま乗るとしたら、外観はややおとなしめ。それでいて中身は、凝りに凝ったエンジニアリングというRSやアルトワークスはおもしろいんじゃないだろうか。
(2) ダイハツ「ミラ」(2代目)1980年代の軽市場における強力なコンテンダーといえば、ダイハツ「クオーレ/ミラクオーレ」。1985年にフルモデルチェンジを受けて4代目に。車名も日本ではミラに統合された。
当時の軽自動車はもう戦争と言いたくなるぐらい、各社間の競争が激しかった。ラインナップの拡充、性能、価格、あらゆる領域でライバルをしのごうとメーカーはしのぎを削ったのだ。ミラ/クオーレはなかでも抜きんでていた。
「1.3ボックス」と称した短いボンネットによるパッケージング、前後独立懸架式サスペンション、パワフルな新開発エンジン、2ドアと4ドアの設定、前輪駆動と4WDの2本立て、オートマチック変速機搭載といったぐあい。
さらに、インタークーラーをそなえたターボチャージャーを取り付けたパワフルな「ミラ・ターボTR-XX」が1985年に追加された。いまの眼からすれば、ボンネットのエアスクープ、やや深めのエアダム一体型車体同色バンパー、ストライプと、おとなしめだけれど、走りの印象は当時強烈だった。
ベース車の足まわりは、ダイハツだけあって、乗り心地と走りを、うまくバランスさせるべく、きちんと手が入っていた。先述のとおり前後独立懸架式であることに加え、全車、フロントスタビライザー装着。
ターボTR-XXはかなり硬めの設定だったが、この時代は欧州からもいわゆるホットハッチが輸入されはじめていたこともあったろう、そこも視野に入れたような味つけに感心したものだ。
スタイリングにおもしろみは欠けるものの、出来る範囲で可能なかぎり理想を追求しようとしたようなエンジニアリングは、消費者をみくびったようなところもなく、いま乗っても楽しいんじゃないかと思う。
(3) ホンダ「トゥデイ」(初代)軽自動車における企画力でいうと、トップランナーはスズキだと思う。1980年代に登場したなかでもっとも印象に残るモデルは、2代目「ジムニー」だ。ただし、もう1台はホンダが1985年に送り出した初代トゥデイだと私は思う。
初代トゥデイの特徴をひとことで言うと、低く長いこと。別の言い方をすると、軽自動車らしくない軽自動車だった。数値的にもかなりユニーク。3195mmの全長に対してホイールベースが2330mmもあった。1984年のトヨタ「スターレット」より長い。
もうひとつ、トゥデイの特徴といえば、2ドアのみの設定。室内はけっこう広いのだけれど、全高は1315mmに抑えられていたので、後席はちょっと窮屈な印象だった。とうぜん、乗降性のためにドア幅は広くとらざるを得ないのだが、そのため狭い場所での使い勝手が悪くなる。
さらに調子に乗って書くと、後席は空間的余裕があるけれど、シートの作りは快適性に劣っていた。発表された当時、ここを見た私は、「デザイナーはフィアット『パンダ』の独自解釈をやりたかったんだろうか?」と、思ったものだ。
トゥデイが生まれたのは、デザイナーやエンジニアのどんな理想主義ゆえだったのだろう。当時、私はホント理解しかねた。これ、事実。
それなのに、トゥデイが1980年代の軽自動車のなかでもとりわけ印象に残っているのは、デザインだ。外観は、やたら低いノーズに丸形のヘッドランプ、それに左右非対称のエアインテークが開けられたバンパーと、左にオフセットして取り付けられたナンバープレートが手に類のない個性を生んでいた。
内装も同様。初代「シティ」(1981年)で見られたクリーンな造型感覚がさらに推し進められ、ベンチレーターのスイッチが整然と並んでいた。エアコンとオーディオはオプションだったけれど、最初からこのクルマのためにデザインされたような、やはりミニマルな印象の操作盤だった。
1988年にマイナーチェンジが実施され、ヘッドランプが矩形になったり、バンパーが車体同色の仕様も設定されたりした。より豪華に見えるほうが時代に合うということだったと思うけれど、トゥデイは絶対に初代の初期型。それに尽きる。このデザインのためにいま買う価値のあるクルマだ。
文・小川フミオ 編集・稲垣邦康(GQ)
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みんなのコメント
タイヤはピレリが人気で標準だったがBSのポテンザ71にしてもらった。
フロントのストラットタワーバーも標準装備
MSパワークリーナーとフジツボのマフラー
大森のターボメーターは0.8kまで上がった
デーラーに聞いたら標準は0.6とのことで、メーターに誤差があるのか、本当に上がったかはわからないと言われた。
サスをRSRにしてシャコタンにした。
とにかく早かった、
ラジオレスもとても良かった。クラリオンの6連装CDチェンジャーを付けた
一台でした。
TR-XXはその「豪華版」として発売されたのですが、インテリアなど
サイドサポートが利いたバケットシートを特別装備するなど、ヤル気満々w
イメージは「小さなセリカXX」といったところでしょうか…
その活きのイイ走りが、当時流行りのハイソカー路線に奔って鈍重になって
しまったR31(7th)スカイラインと何故か対比されて、ミラターボの方が
「判官びいき」されてしまうという評価もされたりしました。
(オガワさん、お宅の雑誌でしたよ…www)
翻って今日では、こんな安うてオモロイ(ダイハツなのであえて関西弁でw)
クルマが皆無であるのが誠に残念です…