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ロンドンで見た「フォーミュラE」 スポーツとエンターテインメントの融合に未知の“わくわく”を感じたレース体験

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ロンドンで見た「フォーミュラE」 スポーツとエンターテインメントの融合に未知の“わくわく”を感じたレース体験

これはレースの新しいスタイルだ

 2023年7月29日、『ABB FIAフォーミュラE世界選手権ロンドンE-Prix』の観戦に行きました。電動バイクレースである『FIM Enel MotoE World Championship』を初年度の2019年からフォローし、取材し続けているわたし(筆者:伊藤英里)としては、一度、EVレーシングカーで争われる世界選手権を現地で見てみたかったのです。

【画像】ロンドンで体験した「フォーミュラE」の様子を画像で見る(17枚)

 と言っても、フォーミュラEの開催地は海外ばかり。行く機会がないまま時が過ぎていたところ、ロンドンE-Prixが2023年7月末開催というカレンダーではありませんか。このとき、わたしはMotoGP取材のためにロンドンに滞在していました。行く理由しかありません!

 ……と思ったら、2024年3月30日に東京E-Prixが開催されることになりました。「海外でのフォーミュラE初体験だから、よし!」と、自分を納得させたのでした。

 ホームステイしていた家からバスと地下鉄を乗り継ぎ、ロンドン東部に位置するExCeL Londonというコンベンション・センターへと向かいました。

 会場となっているExCeL Londonとその周辺は、東京で例えるなら、東京ビッグサイトのような雰囲気です。エリザベス・ラインのカスタム・ハウス駅から直結で、会場の屋内に入ると、まずはイベント会場がありました。

 きらびやかな照明に照らされた「FAN VILLAGE」というイベント会場は、過去のフォーミュラEマシンの展示や、EVカーのドリフト同乗体験、eスポーツなど、多くの催しが屋内で行なわれていました。

 とくに屋内でのEVカー同乗体験は、電動ならでは。「見る」だけではなく「体験」もできるプログラムに、すっかり興奮してしまいました。

 この「FAN VILLAGE」では、レースの合間にアーティストのライブもあって、これもまた大盛り上がり! ……わたしはそれを耳で楽しみながら、展示されている以前のフォーミュラEマシンに夢中でした。それだけ楽しめるコンテンツが同時多発的に行なわれているので、きっと、「自分で好きなものを好きなように楽しむ」スタンスがベター、だと思います。

「FAN VILLAGE」を抜けると、ExCeL Londonの中に設置されたスタンド席があります。ロンドンのフォーミュラEのコースは、最終コーナーからメインストレート、コース序盤までは屋内にレイアウトされており、観客席のほとんどは、メインストレートに沿っています。フォーミュラE初心者のわたしは「なんとなくの勘」で、最終コーナーに近い席を購入しました。

 席に着いて周りを見ると、若い観客が多い印象です。「往年のレースファン」と言うより「楽しそうなイベントに友達と一緒に来た」ような雰囲気で、ビール片手にニコニコ笑う男女や、女子だけのグループもたくさんいます。

「レース」というモータースポーツでありながら、「エンターテインメント・イベント」のような、特殊な興奮が会場内に満ちているのです。

 わくわくしました。そのわくわくは、これまでにわたしが「レース」を見るために行った場所で感じた、どの興奮とも違っていました。そうして、レースが始まったのです。

 目の前を、迫力たっぷりのフォーミュラEマシンが駆け抜けます。屋内に響き渡る甲高いスキール音を挙げてコーナリングして、「ウィーン……」というモーター音とともにメインストレートを立ち上がります。わたしはすっかり夢中になって、レースを追いかけていました。

 屋内で、エキゾーストノートが無く、スピーカーから流れる実況が聞き取りやすいのはフォーミュラEのメリットです。目の前には大型のスクリーンが設置され、レースの順位と様子を伝えていました。時折「アタックモード」を使用するドライバーが現れると、観客席から「おおお!」とどよめきが上がるのでした。わたしも、心の中で「おおお!」と、声を上げていました。

 一部が屋内のコースレイアウトで行なわれたフォーミュラEロンドンE-Prixのレースは、迫力満点でした。エキゾーストノートが無いこと以上に、屋内で、間近で見られる圧倒的なレーシングマシンの質量と、ドライバーのテクニック、激しいレースに、びりびりと震えてしまうほどでした。

 そうして、ふと、全くレースを見たことのない友人たちの顔が脳裏に浮かびました。「いつか一緒に来てみたいなあ」と。音の威圧感が無いフォーミュラEなら、誘える気がしたのです。

 余談ですが……、レーススタートを待ちながら会場をウロウロしていたとき、ふいに呼び止められました。立ち止まると、初老の男性がにっこりして「これ、あげるよ」と、紙のリストバンドを差し出すのです。

 突然のことにポカンとしていると、彼はわたしがリストバンドが何か理解していないと思ったらしく(実際にその通りでした)、「これで、表彰式のときにメインストレートに入ることができるから」と言うではないですか! ラッキー!

 奇しくもこのレースで、フォーミュラE 2022/2023シーズンのチャンピオンが決定。わたしはスタンド席を下りて、チャンピオン・セレモニーをメインストレートから眺めることができました。

 フォーミュラEの表彰台は、屋内の明るい照明に照らされて、きらきらと光っていました。そこでまた、「ああ、フォーミュラEのレースを見たんだ」と感じたのです。

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みんなのコメント

1件
  • 葛葉恭次
    そんなデカい図体じゃなくてもミニ四駆でエエやんw
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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